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「ヨーロッパの水は硬水、日本の水は軟水が多い」とよく言いますが、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
このような違いができる要因としては、地質や地形が挙げられます。
ヨーロッパは、石灰岩が多い地質で、山から海まで傾斜のゆるやかな地形が広がっています。したがって、雨や雪は、ゆっくり時間をかけてミネラル豊富な石灰層を通ってろ過されていき、ミネラル成分がたっぷり溶け込んだ地下水となります。
日本は、花崗岩が多い地質である上に、山から海までの傾斜がきつく、起伏の激しい地形です。水の浸透が早い花崗岩を通ってろ過された雨や雪は、山から海まで流下する速度が比較的早く、ヨーロッパに比べるとミネラル成分の浸透は少なくなります。
ちなみに西条市では、石鎚連峰に降った雨や雪は、岩盤にほとんど浸透することなく加茂川に流れ、源流から20kmほど下流の武丈公園付近からJRの鉄橋付近にかけて、ろ過されながら地下に浸透していきます。標高2,000m近い山(石鎚連峰)から海(ひうち灘)までの距離が短く急こう配であるため、ミネラル成分は溶け込みにくく、軟水の地下水となります。