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西条市の自噴地帯では、江戸時代後期から現在に至るまで「うちぬき」工事が盛んに行われています。江戸時代後期の「金棒掘り」は、十字に組んだ丸太棒を万力のような金具で金棒に接続し、13~14人ぐらいで所定の高さまで持ち上げては落とすという掘削方法(金棒を使った人力による肩掘り)でした。この頃は鉄管で地中に穴を開けていく工事であったため、「金棒掘り」と言われています。粘土を注入し孔壁(こうへき)を保護しながら掘り進んでいきます。最後に金棒を抜いて、あとへ節を取った真竹(まだけ)を接続したものを井戸側として挿入し、まねき(竹ポンプ)で井戸内を洗浄して完成となります。
金棒を使った肩掘り
三脚櫓(やぐら)を用いた金棒掘り
(この絵は西条市禎瑞地区の井戸掘り風景で、上部に書かれている海が燧灘です。)
『伊予国地理図誌稿』(愛媛県立図書館蔵)より