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水の歴史館 加茂川のカジカ

ページID:0079179 更新日:2021年7月28日更新 印刷ページ表示

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加茂川のカジカ

加茂川のカジカの写真
撮影:山本 貴仁氏

 カジカってあの渓流で鳴いてるやつ?
 いえいえ、渓流でフィフィフィフィフィフィときれいな声で鳴いているのは、カジカガエルというカエルです。
 「カジカ」というのは魚の一種で、愛媛県では西条市の加茂川と中山川にしか生息していません。
 方言では他のハゼの仲間などとまとめて「どんこ」や「ごり」などと呼ばれています。
 西条ではケンタゴリと呼ばれていたようです。ケンタというのは、トゲの意味で、鰓(えら)にあるトゲからこの名で呼ばれたようです。

 西条のカジカは中卵型(回遊型)で、アユと同じ様に一生の間に川と海を行き来します。中山川にカジカが生息しているというのは、加茂川のカジカが海に降り、遡上する時に中山川に入ったものと考えられています。

 加茂川では、平成18・19年に開催した「水と親しむ青空教室」の時に見つかっています。(右の写真は平成19年に撮影したもの)

平成19年に撮影したカジカの写真

※カジカはまだ研究されている途中ですが、卵の大きさから3つの種類に分けられています。

大卵型(陸封型) 陸封型とは、一生を淡水域ですごす種類で

回遊型とは、一生の間に川と海とを行き来する種類です。

中卵型(回遊型)
小卵型(陸封型・回遊型)

西条のカジカの生活環

西条のカジカの生活環の図

愛媛県のレッドデータブックのカテゴリーでは「絶滅心配1類(Cr+En)」とされています。
 絶滅心配1類(Cr+En)とは・・・
 絶滅の危機に瀕している種で、現在の状態をもたらした圧迫原因が引き続き
 作用する場合、野生での存続が困難なもの。
 愛媛県レッドデータブックのカジカのページへ

 なぜカジカがレッドデータブックに掲載されているのかというと、川と海を行き来するという生活環がひとつのポイントであるといえます。カジカは陸を歩くことはできないので、川と海を行き来するためには川の水が海まで途切れずに流れていなくてはいけません。
また、卵を川底の石の隙間に産むため川床の目詰まりなども関係しています。
 河川の環境の変化に弱いカジカを美しい川と一緒に将来へ残していきたいものです。

監修:山本 貴仁氏(西条自然学校)

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