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西条市のカブトガニ カブトガニとは(1)
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カブトガニとは
生きている化石
カブトガニの歴史をたどってみると、約5億7000万年前(カンブリア紀)の三葉虫までさかのぼります。三葉虫から進化し、カブトガニのような姿の生き物が現れたのは約4億年ほど前です。これが少しずつ進化して約2億年前ごろ(ジュラ紀)には、今のカブトガニとほとんど変わらない姿になりました。
カブトガニの化石を調べてみると、今から二億年くらい昔にさかのぼって、現在とほぼ同じ体の形をしていたことが分かります。中生代の三畳紀といわれる時代です。恐竜や鳥の祖先の始祖鳥が栄えていました。
それからカブトガニは、進化も退化もほとんどせずに、わずかな仲間と生き続けてきました。そのため、貴重な「生きている化石」として知られています。また、「生きている化石」、この言葉が使われたのもカブトガニが最初です。
三葉虫の化石
大昔から姿を変えていない理由
カブトガニの祖先は、今から五億年程前の古生代カンブリア紀に生まれ、同じ頃に栄えた三葉虫とよく似た動物だったと考えられています。
現在生きている動物の中で、三葉虫に一番近いのもカブトガニで、卵からふ化した幼生は、尾も生えておらず、三葉虫にたいへんよく似ているので、三葉虫型幼生といわれています。
カブトガニと同じ中生代に姿を現した鳥類が、今ではおよそ8600種類に分かれて地球上に栄えているのに、カブトガニは、その頃からほとんど姿を変えずに、しかも、わずかな種類のままで生き続けているのはなぜでしょう。
カブトガニ研究の第一人者、関口晃一博士は、次のように言っておられます。
「それは、カブトガニが、大昔から現在まで、同じ環境に暮らしていたためだと考えられます」
カブトガニの暮らす環境とは、外洋から離れた入り江で、底にはやわらかい泥があり、岸辺にはきれいな砂浜があるような場所です。もし、カブトガニが波の荒い外洋や、淡水の川にさかのぼったりすれば、当然、その環境に適応した形に体が変化したでしょう。
また、カブトガニの産卵の習性も、長期間、生き続けてきた理由のひとつに挙げてよいでしょう。
カブトガニの卵は、7月から8月の大潮の満潮時に、入り江の河口付近の砂の中、10~15センチの深さに産み付けられます。
そこは、潮が引けば完全に干上がるような所で、人間が貝掘りなどに来て掘りおこす他は、自然の外敵はほとんどないと思われます。
また、産卵した砂地は、強い日差しを受けて温度が高くなり、卵は温められます。これも、ふ化するのに都合がよい条件です。
海水は割合腐りやすく、特に高温になると、中の卵まで腐ってしまうことがありますが、砂地であるため通気性も保たれ、この危険も防ぐことができます。
また一方では、卵の中に水を含む仕組みができており、乾燥から守られています。
このほかにも硬い甲羅で身を守ることができたり、胸肢の再生力があったり、環境の変異にも生き延びる順応性や、一年の約4分の3が休眠期であることもカブトガニが長く生き続けてきた理由と考えられます。
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