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西条市のカブトガニ カブトガニの分類
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カブトガニの分類
クモに近いカブトガニ
カブトガニは、動物の分類上、節足動物の仲間に入ります。節足動物は、エビ・カニなどの甲殻類、クモ・サソリ・ダニなどのクモ類、チョウ・トンボなどの昆虫類、ムカデ・ヤスデなどの多足類などに分けられています。
カブトガニはカニの名がついていますが、甲殻類ではなく、クモの仲間に一番近く、尾剣を持つ仲間という意味の「剣尾類」と呼ばれています。剣尾類という仲間分けがされたのは、それほど古いことではなく、それ以前は、三葉虫そのものであるとか、甲殻類、またクモ類であるとか、いろいろにいわれてきました。現在は、剣尾類の中のカブトガニ科となっています。
カブトガニがクモの仲間に近いというのは、次の点からいわれます。
- 頭に触角がない
- 頭胸部には六対の胸肢がある。
- 胸肢の第一対は鋏角(はさみ状)になっている。
- 呼吸は鰓書(えら)でする。これは、クモの呼吸器・肺書とよく似ている。
- 動物の類縁関係を知る手がかりとされる血清は、クモ類に一番よく似ている。
世界のカブトガニ
東南アジアや北アメリカを中心に、4種のカブトガニのなかまが分布しています。
名称 | 生息地 |
---|---|
アメリカカブトガニ (学名:Limulus polyphemus) |
北アメリカの東海岸のメイン・デラウェア・ユカタンに至る沿岸。 |
カブトガニ (学名:Tachypleus tridentatus) |
日本・台湾・東シナ海沿岸・ボルネオ |
ミナミカブトガニ (学名:Tachypleus gigas) |
マレーシア・シンガポール・シャム湾 |
マルオカブトガニ (学名:Carcinoscorpius rotundicauda) |
ベンガル湾・フィリピン・ペナン・シャム湾・シンガポール |
カブトガニのなかまの世界分布図
カブトガニの化石は、ロシア・イギリス・ドイツ・フランスなど、ヨーロッパでたくさん発見されており、また、アメリカからも出土しています。現在、カブトガニは、アジア大陸の東側と、アメリカ大陸の東海岸にしか生息していませんが、これらの地域では化石は出ていません。
化石の時代の分布から、なぜ、現在のような地域に分布するようになったのかは、たいへん興味深い問題で、今後の研究が必要です。大陸移動に伴うものではないかという見方も有力です。
4種を見分けるポイント
1 オスの頭胸部の甲羅の形
- 日本にいるカブトガニは、前の部分がはっきりとへこんでいる
- アメリカカブトガニは、へこみが浅くてはっきりしていない
- それよりもさらにへこみの少ないのがミナミカブトガニ
- 一番へこみが少なく扁平(へんぺい)なのがマルオカブトガニである
2 オスの第二・第三胸肢
- 日本のカブトガニとミナミカブトガニは、第二・第三胸肢ともカギ状になっている
- アメリカカブトガニは、第二肢だけがカギ状で、第三肢はハサミ状である
- マルオカブトガニは、第二・第三肢ともハサミ状になっている
3 目の仕組み
- 単眼は、アメリカカブトガニだけ三個で、あとの三種はどれも二個ついている
- 複眼を形づくっている小さな目の数は、日本のカブトガニが200~300個くらい、アメリカカブトガニでは1000個以上といわれている。このため、アメリカカブトガニの方が目がよく見え、活動も活発で、エサもたくさん食べるらしい
※単眼は光を感じ、複眼は物の形や大きさを見分けるといわれているが、キチン質の膜で覆われており、視力はたいへん弱いようである
4 尾剣の形とトゲ
- 尾剣の断面を比べてみると、マルオカブトガニは円に近い形をしており、尾剣の表面にトゲの生えていないものが多い
- 他の三種にはトゲがある
アメリカカブトガニ | カブトガニ | ミナミカブトガニ | マルオカブトガニ | |||
オス | 頭胸部の前部 | |||||
単眼 | ||||||
第2肢 | ||||||
第3肢 | ||||||
メス | 尾剣断面 | |||||
腹肢 (ふくし) |
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腹部の縁とげ (ふくぶのえんぎょく) |
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染色体の数 | 52 | 26 | 28 | 32 |
お問い合わせ
西条市立東予郷土館
電話:0898-65-4797 ファクス:0898-65-5815