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サンショー博士
みなさん、「サンショウウオって知っていますか?」と聞かれたら、「あぁ、あの1mくらいの大きいやつね。」と思われるのでは・・・。実は日本にはサンショウウオの仲間が19種もいて、大きいオオサンショウウオと、あと10cmから20cmくらいの小型のサンショウウオが18種類もいるのです。意外に多いと思われる方も多いのではないでしょうか?また、「小さいサンショウウオなんて、どんなの?」実物を見た人は、ほとんどいないのでは・・。
と言うのも日本のサンショウウオは、
そんな特徴があるからです。
そんな非常にデリケートなサンショウウオが、西条市の石鎚山系には、3種類も生息しています。それは、きれいな水と豊かな自然が守られているからでしょう。
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オオダイガハラサンショウウオ
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ハコネサンショウウオ
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ブチサンショウウオ 四国のブチサンショウウオは謎が多くサンショー博士も実物に遭遇していません。 愛媛県では卵のう(卵の塊)と幼生の正確な記録はありません。 |
このような魅力的なサンショウウオですが、既に愛媛県のレッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物リスト)には3種類とも掲載されています。
それは、前にも述べましたように、サンショウウオは、「陸」と「水場」がなければ生き続けることができない「デリケートな生き物」だからです。汚れた土も汚れた水も、サンショウウオの命を奪ってしまいます。
空気の状態の変化にも敏感です。気温が長い間上がったままなら、生息地全体が乾いてしまったり、繁殖地の水場が干上がったりしてしまいます。
当然、他の生物とのつながりも大切です。
「敵になるような生き物」が増えれば、生きのびるのは難しくなります。
「餌になる小さな生き物」がいなければ、サンショウウオたちは死んでしまいます。
サンシヨウウオは環境の変化に弱いと言えます。他の生き物が住みにくい環境では生きていけないし、住みにくくなってもあまり移動できない。水と土と空気の環境変化を直に受けてしまう生き物なのです。
このことから、「サンショウウオが生息している場所は、他の生物にとっても良い環境ではないか?」「サンショウウオがいる場所は、自然環境が安定しているんじゃないか?」と考えることができます。
サンショウウオは、ある場所の環境が、「生き物にとって住みやすいか・安定しているか」知るための「めやす」となる生き物「環境の指標性が高い生物」と言われています。
サンショウウオが生きていけるような環境を守り続けることが、「人間を含めた、いろいろな生き物を守ること」につながると考えられています。
ですから、サンショウウオの保護=自然保護にもつながるし、逆もまた真なりなのです。
みなさんも、ぜひ石鎚山系に出かけて、小さな沢とかをのぞいてみてください。
そこには、かわいい幼生がいるかもれないし、曇った日なら、ばったり道で成体に出会うかもしれません。
この自然豊かな石鎚山系の自然環境を、みなさんと一緒に守っていきたいものです。