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周桑手すき和紙のご案内 -がんばる職人さんのご紹介-

ページID:0063158 更新日:2020年4月20日更新 印刷ページ表示

現況 頑張る職人さん 手すき和紙体験 和紙ができるまで 語句集 

頑張る職人さんのご紹介

東予手すき和紙振興会 杉野博美さん

東予手すき和紙振興会会長 杉野博美さん

和紙職人になるまでの経緯を教えてください。

私の実家は一時休業した時期もありましたが、古くから紙屋を営んできており、物心のついた頃から和紙に囲まれた環境で育ちました。
子どもの頃は、家業の手伝いはよくしていたと思いますが、勉強の方はあまり好きではなかったですね。だから私の少年時代といえば、家の手伝いとビー玉やメンコ遊びに夢中の毎日だったと思います。
また、私は子どもの頃から絵が大好きで、画家になることが将来の夢でした。
高校生の頃まではずっと真剣に考えておりましたが、徐々にその道で生計を立てていくことの難しさを知るようになり、いつの間にか断念していました。

高校卒業後は、すぐに和紙職人になったわけではなく、大阪に出て15年ほど商売をしておりました。
その後、私は昭和53年に故郷の国安へ帰り、家業である紙屋を引継ぎ、手すき和紙職人となりました。ほぼ同じ時期に、私の兄も大阪で商売をしておりましたが、兄は私よりも数年前に国安へ帰って和紙職人になっており、既に「三・六判」という大きな紙を作っておりました。
そのため、身内同士で商品が競合しないように、私は奉書、檀紙の製造に取り組みました。
幸いなことに当時の日本は、伝統工芸を見直そうという機運が高まっており、その影響で手すき和紙の素晴らしさが多くの人々に再認識されました。
おかげさまで和紙業界へのニーズも高まり、開業当初から経営は比較的うまく軌道に乗り、そのまま今日に至っております。

山本屋

仕事のやりがいや喜びはどんなどきに感じますか。

この仕事は、正直、体力的にきついと感じる時もありますが、気持ちを込めて作った商品が、お客様から高い評価をいただいた時は、職人であることの喜びを強く感じます。
また、私は、大手デパート、東京銀座や京都の老舗和紙専門店へも商品を納めておりますが、そのような店舗で自分の商品が並べられているのを見ると感慨深いものがあり、仕事をする上での励みにもなっています。

手すき和紙の魅力とこれからについて教えてください。

手すき和紙には、機械漉きでは出せない、紙に触れた時のやわらかさ、あたたかさ、厚みなどを感じることができ、見る人に「癒(いや)し」を与えられる素晴らしさがあると思います。
しかしながら、今後は生活様式の変化や和風住宅の減少などを原因として、襖(ふすま)や障子(しょうじ)の利用が減少することによる和紙産業の衰退が心配されています。減少が予想される需要を回復するためには、これまでにはない新たな和紙の利用方法を考えることが必要になってきます。私なりに考えてはいるのですが、絵手紙の商品普及や住宅の内装への使用なども有効な手段になるのではないかと検討を進めております。

杉野博美さん作業風景

最後に今後の抱負などあれば教えてください!

おかげさまで、杉野博美製紙所も創業30年を越える会社となりました。
現在3人体制で会社経営をしておりますが、私はこの作業所を必要以上に大きく育てる考えは持っておりません。
大好きなこの仕事を地道にコツコツと取り組み、会社を細く長く継続させて、人生の最期までこの職場で職人を続けられれば、それが私にとって最高の幸せだと考えております。
それを実現するためにも「丁寧な仕事をして、より良い商品をより安くお客様に提供する。」をモットーに、これからも毎日、和紙作りに励んでいきたいと思います。

ありがとうございました。


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