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周桑手すき和紙のご案内 -語句集-
語句集
奉書紙(ほうしょがみ)
中世に越前地方(現在の福井県)から始まり、特に江戸時代に公用紙として盛んに使われた高級な楮(こうぞ)紙です。奉書(上意を奉じて侍臣らが下す命令文)に用いたことから奉書紙と呼ばれています。
皺(しわ)がなく純白で、きめの美しい紙で、室町時代頃から各地で漉(す)かれ、主に儀式用とされていました。現在は、式典用紙、包装用紙、懐紙、高級印刷用紙などに利用されています。
檀紙(だんし)
楮(こうぞ)を原料として作られたちりめん状の皺(しわ)を有する上質な和紙です。古くは檀(まゆみ)の樹皮で作られていたことから壇紙と呼ばれています。厚手で美しい白色が特徴で、古くは詩歌などを書くのに用いられ、幕末まで宮廷や幕府の御用紙として、現在では包み紙、祝儀、結納(ゆいのう)、お菓子の敷物などに利用されています。
折手本原紙(おりでほんげんし)
書道の折手本(折り本にした手本)などに利用されています。
三・六判(さぶろくばん)美術書画用紙
全国的にも珍しい畳ほどの大きさ(約94cm×188cm)で、水墨画などの美術用紙に利用されています。
楮(こうぞ)
クワ科の落葉低木で、成木は3メートル余りになります。葉は広卵形で雌雄同株。春に薄黄緑色の小花がつき、6月頃キイチゴに似た実が赤く熟します。
樹皮の繊維は太くて長く強靭なので、障子紙、表具洋紙、美術紙、奉書紙などの紙の原料として最も多く使用されています。また、栽培が容易で収量も多く毎年収穫でき繊維も取り出しやすいため、各地で広く栽培されています。