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第1回自然観察会を実施しました!平成27年5月16日
開催報告
「干潟の生き物を観察しよう」をテーマに、5月16日(土曜日)、加茂川河口にて自然観察会を開催しました。
加茂川河口干潟をご存じですか?
干潟とは、海岸で潮が引いた時に砂または泥が露出している場所のことです。河口域または内湾に多く発たちしています。泥に潜ってくらす動物等特異な動植物の生育する場所です。
中山川と加茂川河口に発たちした西条市禎瑞の加茂川河口西の干潟は、317ヘクタールで県下の干潟全体の44.9%を占めています。 この干潟は県内最大で、河口干潟としては全国でも6番目の大きさです。 潮が引くと沖まで1キロメートルほど歩いていけます。ここでは、絶滅危惧種を含め多様な生物が生息しています。 また、重要野鳥生息地にも指定されており、シギ・チドリ類など多くの鳥が観察されます。環境省の定める日本の重要湿地500に指定されています。 |
第1回自然観察会の様子
天候が心配されましたが開催時間には雨も止み、無事第1回自然観察会を開催することが出来ました。まずは、講師の山本先生より干潟に入るための注意を聞きます。加茂川河口に広がる干潟は県内最大で、貴重な生き物を観察することができます。 |
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干潟へ降り、泥に足をとられながら、カニやエビや貝などの生き物を探します。 みんな一生懸命干潟を掘り返して探しました。 |
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途中、山本先生が、見つかった生き物について解説をしてくれます。今年はオキシジミがたくさん見つかったようです。 |
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みんなが見つけた生き物を持ち寄って、どんな生き物がいたかを確認します。山本先生が、解説を加えながら、みんなで、見つかった生き物を観察しました。大人数で探すと色々な生き物を見つけることができます。干潟の生き物は、飼育するのが難しいので、元の場所に放して観察終了です。 |
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【今回観察した生き物】
カニの仲間
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マメコブシガニ |
泥の上でじっとしています。 |
コメツキガニ |
砂地にいるカニです。 |
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ヤマトオサガニ |
泥っぽいところにいるカニです。 |
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ヒメアシハラガニ |
少し上流側で見られるカニです。 |
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チゴガニ |
成体でも1cmほどの小さなカニです。 |
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トリウミアカイソモドキ |
5mmほどの小さなカニです。 |
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タカノケフサイソガニ |
石の下にいます。 |
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貝の仲間
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イボニシ |
テトラポットの間にいました。 |
アラムシロ |
魚やカニの死骸を食べる、干潟の掃除屋さんです。 |
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ミヤコドリ |
泥に埋まった石の下にいます。 |
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ゴマフダマ |
絶滅危惧種の巻貝です。 |
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アカニシ |
テトラポットの間にいました。 |
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オキシジミ |
泥のところにすむ、黒く大きな二枚貝です。 |
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アサリ |
数個体見つかりました。 |
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シオフキ |
砂の中にすむ、丸みの強い二枚貝です。 |
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オオノガイ |
少し離れたところで成体が見つかりました。 |
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ソトオリガイ |
薄い殻から水管がはみだしている二枚貝です。 |
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その他
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チロリの仲間 |
ゴカイに似た生き物です。 |
ニホンスナモグリ |
片方のハサミが大きく、砂に潜っています。 |
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ユビナガホンヤドカリ |
たくさん見られました。 |
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ヒモハゼ |
細長い3cmほどのハゼの仲間です。 |
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ヒモムシ類 |
ヒモのように細長い生き物です。 |
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ウミイサゴムシ |
砂を固めて細長い棲管を作ります。 |
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ユムシ |
成体が1個体見つかりました。 |
この観察会で、普段はめったに入ることのない干潟で貴重な自然に親しんでもらい、これまで以上に地元・西条の自然に興味を持ってもらえたのではないかと思います。
講師:山本 貴仁先生(西条自然学校)のコメント
恒例となっている加茂川河口での干潟の生き物観察会ですが、毎年、観察される生き物の様子が少しずつ違っています。ヤマトオサガニ、オキシジミは今年も多く確認されましたが、ニホンスナモグリは確認されたものの、数は多くありませんでした。昨年見つかった小さなユムシは見られず、成体と思われるサイズのユムシが1個体だけ見つかりました。毎年参加してくださる方も多く、継続して干潟に興味を持っていただけると嬉しく思います. |