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西条バードウォッチング No.31~40
No.31 ウソ(冬鳥)
頭が黒く頬から喉にかけて紅色をしているのが雄、雌は灰色の地味な鳥です。
太宰府天満宮で行われる木彫りのウソを交換する「鷽替」の神事に登場します。
口笛を吹く意味の「うそぶく」が語源で、「フィー」と鳴く声を頼りに探します。
西条では黒瀬ダムや八堂山で見られます。
No.32 ヤツガシラ(旅鳥)
数少ない旅鳥として農耕地や芝生広場に飛来し、昆虫やミミズを食べています。
警戒するとヤツデの葉のように冠羽を開く姿に、江戸時代から「八ッ頭」と呼ばれています。
西条では数例の観察記録しかない珍鳥で、花見の季節に黒瀬ダム公園の芝生広場で撮影することができました。
No.33 メダイチドリ(旅鳥)
旅鳥として春、秋の渡りの季節に河口干潟や海岸の砂浜で見られます。
夏羽では後頭部から胸にかけて鮮やかなオレンジ色をしていますが、冬羽や若鳥では淡い茶色でシロチドリなどと見分けることが難しくなります。
西条では加茂川河口や大明神川河口、高須海岸で見られます。
No.34 ジュウイチ(夏鳥)
「ジュウイチー、ジュウイチー」と鳴く声に由来して名前が付いたカッコウの仲間です。
夏鳥として標高1000メートル以上のブナやモミ、ツガの原生林に渡来し、オオルリなどの巣に托卵(他の鳥の巣に卵を産み、ヒナを育ててもらう習性)します。
瓶ヶ森林道などで、よく声が聞かれます。
No.35 ヨタカ(夏鳥)
「キョッキョッキョッ」と連続して鳴く声は、時代劇の夜のシーンによく出てくるヨタカの声。
名前は夜行性の鷹の意味ですが猛禽類ではなく、蚊など昆虫を飛びながら大きな口を開いて吸い取って食べています。
西条では石鎚山系の山中で声は聞きますが、姿を見るのは難しい鳥です。
No.36 オオジシギ(夏鳥)
夏鳥として主に本州中部以北の高原や北海道に渡来。
繁殖期には、けたたましく鳴きながら飛ぶことから「雷シギ」と呼ばれているタシギの仲間です。
西条ではこの声は聞かれませんが、秋の渡りの季節に稲刈りの終わった水田の畔でミミズなどを食べているところが見られます。
No.37 コムクドリ(旅鳥)
ムクドリとの違いは、体長が少し小さく、白っぽい頭部、くちばしと脚が黒いことなどで見分けられます。
西条では渡り途中の4・5月頃と9・10月頃に、海岸近くの電線や河川敷・公園の雑木にとまり、ムクドリと行動を共にしているところが見られます。
No.38 ハチクマ(夏鳥)
夏鳥として山地に渡来し繁殖。
地蜂の幼虫を好んで食べています。
ハチを食べるクマタカということからこの名前が付きました。
西条では9月下旬から八堂山上空を西へ渡るサシバやノスリと一緒に見られるので、飛翔姿でタカの識別を楽しんではいかがでしょう。
No.39 コガモ(冬鳥)
名前のとおり日本では最も小さいカモです。
10月頃渡来し、雄は頭部が栗色と緑色の美しい生殖羽に換羽します。
西条では黒瀬ダム湖で1000羽近い群れが越冬していますが、 丹原町の兼久池、飯岡の夫婦池や市塚の用水路、室川などでも数十羽の群れが見られます。
No.40 クロジ(冬鳥)
本州中部以北で繁殖し、冬期に西日本に渡来し越冬するホオジロ科の仲間です。
同種のアオジと似ていますが、雄では灰黒色の羽色と外側尾羽が白くないことなどで識別できます。
広葉樹の繁った薄暗い林を好み、西条では黒瀬ダム周辺や伊曽乃神社の林床などで少数が見られます。