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石鎚敬神婦人会報「たかね」掲載市長寄稿文(第55号)

ページID:0108763 更新日:2024年2月22日更新 印刷ページ表示

地域の資源「うちぬき」×地域の伝統・文化「石鎚黒茶」

石鎚敬神婦人会『たかね』の発行、誠におめでとうございます。また、石鎚敬神婦人会の皆さま方には、平素より大変温かいご支援やご指導ご鞭撻を賜っておりますことに、厚く御礼申し上げます。

本市は、愛媛県東部に位置し、南は西日本最高峰の「石鎚山」、北は瀬戸内海に囲まれています。平成16年に2市2町が合併し、令和6年11月1日には、合併から20年という大きな節目を迎えます。

さて、「水の都」と呼ばれる本市には、全国的にも稀な被圧地下水の自噴地帯が広範囲にわたって形成されており、一帯では15~30メートルの鉄パイプを打ち込むだけで、良質かつ豊富な地下水が自然に湧き出してきます。その自噴水は「うちぬき」と呼ばれ、飲料水としての利用はもちろん、数々の利水産業の興隆を促してきました。 

その「うちぬき」は、石鎚山をはじめとする豊かな森林環境からの恵沢であり、市民の暮らし、環境、及び産業に欠かすことのできない重要な地域資源であるため本市では、昨年9月に「西条市地下水の保全及び管理並びに適正な利用に関する条例」を制定しました。地下水を市民の共有財産である「地域公水」と位置付け、快適な生活環境を守っていきたいと思います。また、適切な間伐により保水力の高い森林へ誘導し、地下水を守るため、森林環境譲与税を活用して森林の整備を推進しており、今後もうちぬき文化を未来へ繋いでまいりたいと考えています。

皆さま、かつて石鎚山の麓周辺の比較的標高の高い地域で盛んに作られていたまぼろしのお茶「石鎚黒茶」をご存じでしょうか。耳にすることはあるけれども、飲んだことがないという方が多いのではないでしょうか。日本に4つしかない貴重な後発酵茶であり、二段の発酵を経て製造され、黒い茶葉と独特の香り・酸味が特徴で、黄金色に輝くお茶であります。現在は製法を受け継いだ市内の3団体が製造しており、本年3月に製造技術が国の重要無形民俗文化財に指定されました。重要無形民俗文化財の指定は、本市では初めてとなり、愛媛県内におきましても42年ぶり2例目となる快挙であり、大変喜ばしい出来事でありました。

これから新しい時代を切り拓き進んでいくためには、現在まで守り続けられてきた地域資源や伝統・文化を大切にしながら、次世代へ引き継いでいくことが今を生きる私たちの使命であると考えております。本市が求める持続可能なまちづくりに向けて一歩ずつ確実に歩みを進めていくことができるよう、今年度は「Step by Step(ステップ・バイ・ステップ)」をキャッチフレーズとして掲げ、本市の将来あるべき姿を共有しながら、市民の皆さまとともに「持続可能都市西条2050」の実現に向けて着実に漸進してまいります。

結びとなりますが、石鎚敬神婦人会の益々のご発展と皆様方のご健勝ご多幸を心からご祈念申し上げ、ご挨拶といたします。