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石鎚敬神婦人会『たかね』の発刊、誠におめでとうございます。また、石鎚敬神婦人会の皆さま方には、平素より大変温かいご支援やご指導ご鞭撻を賜っておりますことに、厚く御礼申し上げます。
さて、昨年8月、世界中に勇気と感動を与えた東京2020オリンピック・パラリンピックは、輝かしい記録と多くのドラマを記憶に残し、2024年の開催地である、光の都パリへとバトンがつながれました。
閉会式で一度は消えた聖火ではありますが、ギリシャ・オリンピアの地で生まれ変わり、選手・スタッフの思いとともに新たな灯として、多くの人々の手でパリまでリレーされることとなります。
思い返しますと、東京2020オリンピックの機運を高めるとともに、オリンピアで採火された灯をつなぐ、聖火のリレーが、西日本最高峰の霊峰石鎚山で行われたことが、つい昨日のように思い出されます。
西条市を象徴する霊峰『石鎚山』は古くから神の宿る山、山そのものが信仰の対象として崇められ、今では、私たち心の拠り所となっています。さらに、その雄大かつ威厳に満ちた姿は、自然の厳しさだけでなく温かさと優しさを兼ね備えていることから、西条市民にとっての父であり、母でもあるといっても過言ではありません。
この『石鎚山』に思いを馳せるとき、私は、昨年12月にご逝去されました故新井満氏との縁に感慨深いものを感じるとともに、本市で開催されました聖火リレーの際に、新井氏が市民の熱い思いに応えて作詞作曲されました西条市愛唱歌『石鎚山』が、本市出身の歌手秋川雅史氏の歌唱により、力強く響き渡ったときのことが強く心に刻まれております。
新井氏とは、『千の風になって』のまちづくり実行委員会が主催するイベントがきっかけで交流が生まれました。これまで、『千の風になったあなたへ贈る手紙』、市民からの募金により設置した『白い羽ポスト』や『千の風モニュメント』など、様々な取組を通じて、西条市は、『千の風になって』ゆかりのまちとしても、全国に知れ渡っています。
また、これらの取り組みを通じて、新井氏が生前、その美しい景観に惚れて移住を決意された、北海道駒ヶ岳に抱かれる七飯町と西条市を結び付けていただくなど、全国各地の多くの方々との懸け橋となっていただきました。
多くの方々が新井氏とともに、長い歳月をかけて育ててきたものを、将来にわたり持続し、その先に新井氏とともに目指した頂(いただき)があるものと信じて邁進して参る決意であります。
今後も、西条の宝ともいうべき『石鎚山』を核とした観光やスポーツといった各種施策に取り組むことで、石鎚山系へあるいは西条へといった交流人口の拡大等更なる好循環につなげ、『持続可能な西条市』という目標に向かって、まっしぐらに突き進んでまいります。
結びとなりますが、石鎚敬神婦人会の益々のご発展と皆様方のご健勝ご多幸を心からご祈念申し上げ、ご挨拶といたします。