ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 市長の部屋 > 毎日新聞掲載記事(令和2年7月31日)

本文

毎日新聞掲載記事(令和2年7月31日)

ページID:0068278 更新日:2020年8月6日更新 印刷ページ表示

自治体シリーズ 首長に聞く

~自然×遊び 存分に~

 北は瀬戸内海、南は石鎚山がそびえる西条市。海、山、水など地域資源を生かした観光産業に熱心に取り組み、この夏オープンした四国最大級のアウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・西条」が話題を呼んでいる。その一方で、近年は情報通信技術(ICT)の活用でもユニークな施策を次々に打ち出し、注目が集まっている。新たな施設の活用や目指す街づくりについて、玉井敏久市長(57)に話を聞いた。 【聞き手は毎日新聞松山支局長・長谷川容子】

市長

--6月にオープンした「フォレストアドベンチャー・西条」はどんな施設ですか。

 自然共生型のアウトドアパークです。本来は4月オープンの予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染予防対策を徹底したうえで満を持して開きました。森林環境への負荷を最大限に抑えるため、もともとの地形を活用してコースが設計・整備されています。約5万平方メートルという広大な敷地に、約40を超えるアクティビティがあり、利用者はハーネスと呼ばれる命綱をつけ、立木の地上2~18メートルの位置に設けられた足場に上って遊びます。森の樹から樹への空中散歩や河川を飛び越えるジップスライドなど様々なアスレチックを通じ、エキサイティングな体験が味わえます。子どもだけでなく大人も本気で遊べるアスレチックです。

フォレストアドベンチャー施設内

--四国では2カ所目とか。

 もともとはフランスで企業用の研修施設として生まれ、現在は欧州など世界約250カ所に施設があります。国内では2006年に山梨県富士山麓に第1号がオープン。西条は国内34カ所目で、四国内では徳島県の祖谷に次いで2カ所目です。石鎚山系や加茂川水系など魅力的な地域資源や特性を活かした新たな観光産業を創り出す取り組みの一環で担当者が「フォレストアドベンチャー」の存在を知り、市と久万高原町、高知県のいの町と大川村の4市町村で設立した観光産業創出会社「株式会社ソラヤマいしづち」と連携して、誘致しました。

--施設の魅力や特徴をもう少し詳しく教えてください。

 小学1年生・身長110センチ以上から気軽に楽しめる「キャノピーコース」(90分遊び放題)と、小学4年生からチャレンジできる本格的な「アドベンチャーコース」(全4サイト1周:所要時間約120分)があります。施設内には桜や紅葉を楽しめる日本庭園があり、アドベンチャーコースのクライマックスは、庭園の上空から桜並木を一望する「ジャパンジップ」でフィニッシュ。日本らしさを感じられる自然は、国内だけでなく外国からの観光客にも喜んでもらえると思います。 

キャノピーコースキャノピーコースその2

--実際に市長ご自身も体験されたそうですね。

 全身が筋肉痛になりましたが、爽快感抜群のジップスライド、スリリングな綱渡り、足がすくむ空中散歩、時間を忘れて夢中になりました。命綱のハーネスはスタッフがしっかり装着してくれますし、練習用のコースを使って器具の扱い方なども確認できますので、安全面でも心配することなく楽しめました。

--県の宿泊割引キャンペーンに合わせ、市独自のキャンペーンも始まっています。

 「えひめ西条市を遊びつくそう・夏のおトククーポン」です。8月31日までの期間限定で、市内の宿泊施設を利用したすべての方が対象です。「フォレスト・アドベンチャー西条」は平日利用500円オフ、石鎚山ロープウェイは乗車料金が2割引、「石鎚クライミングパークSAIJO」は1時間無料などの特典があります。

ロープウェイ

--さて、市は「スマートシティ西条」を掲げ、ICTの活用を進めています。

 ICTを活用することで地域の誰もがつながり、安全安心に、豊かで快適な生活を送ることができるようなればと始めました。市民の健康作り、高齢者の見守り、子育てしやすい環境が柱です。

--具体的には、どのような取り組みがあるのですか。

 「わくわく健康ポイント事業」は株式会社タニタヘルスリンク(東京)と連携したプログラムです。気軽に運動をはじめるきっかけづくりにしてもらうのが目的です。歩数計やスマートフォンのアプリを使い、ウォーキングや健康診断受診などの実績をポイント化して、市内店舗で利用できる地域ポイントにしています。

 教育分野では、全教室への電子黒板設置、小規模校同士の遠隔合同授業、教師のリモートワークを支える校務支援システムにICTを活用しています。教育の質の向上や先生方の負担軽減につなげています。

 そのほか成人健康診査予約システム、子育てモバイルサービス、高齢者見守りロボットなどにも取り組み、多くの市民にご利用いただいています。

ICTへの取り組み

--新たに「地域ポイント」も導入するそうですね。

 名称は「LOVE SAIJOポイント」です。地域貢献活動や健康増進活動に参加した市民に付与し、市内の店舗への支払いに充てることができます。将来的には「減価する貨幣(付与されたポイントが時間とともに一定割合目減りする仕組み)」の考え方を取り入れ、ポイントの早期利用を促し、地域経済の活性化・住民活動の促進を図る計画です。

 連携協定を結んだNTT西日本と協力して制度設計に取り組み、実証実験を経て2022年度以降の本格運用を目指します。今年度は既存の「わくわく健康ポイント」の参加者を対象にポイント付与と利用効果を検証します。制度が実現すれば、国内初になるんですよ。「スマートシティ西条」によって「住みたい」「住み続けたい」と思ってもらえる街づくりを実現したいですね。

紙面

 


                                      戻る