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週刊 愛媛経済レポート掲載記事(平成30年9月24日号)

ページID:0048061 更新日:2018年9月27日更新 印刷ページ表示

「ワクワク度日本一」のまちづくりに力点  ICT、シティプロモーションからスポーツも

 ――2016年11月に市長に就任し1年10ヵ月、感想はいかがですか。

 新しいことにチャレンジしていくという姿勢で臨んでおり、充実しています。昨年4月に大規模な組織改編を行い、新設の「経営戦略部」内に市長特命の調査研究や戦略的なシティプロモーションを推進する部署を設置し、7月には総務省から副市長を招聘しました。職員には意識改革の必要性を訴え、徐々にではありますが、職員が一丸となり都市間競争に立ち向かう「戦う集団」に変わってきたと実感しています。

 ――改めて基本方針を。

 「全ては市民のため」、このことを肝に銘じながら、「ワクワク度日本一の西条」の実現に向け、市民の皆様との約束である「市民主役の西条」「住みたい西条」「市民と進める行財政改革」「夢が持てるまち西条」「つながり広がる西条」の五つの基本政策を着実に進めます。

 ――素敵なポロシャツですね。

 地方創生に向けた取り組みを推進するため、「西条市シティプロモーション戦略」を策定し、「多様な働き方にチャレンジできるまち」などを発信することで本市の知名度やイメージの向上、移住・定住・交流人口の拡大につなげたいと思います。そこで「LOVE SAIJO まちへの愛が未来をつくる」というキャッチフレーズを掲げ、ロゴマークとともに職員みんなでポロシャツを着て発信しているのです。

 ――優先課題はいかがですか。

 情報通信技術を使ったまちづくりが政策の柱の一つになります。「ワクワク度日本一の西条」の実現に向けてICTを活用したまちづくり「スマートシティ西条」の構築にチャレンジしています。教育分野では、今年1月の「第2回全国ICT教育首長サミット」で最優秀賞の「2018日本ICT教育アワード」をいただき、高い評価を受けています。全教室への電子黒板の設置や「西条市モデル」ともいわれる遠隔合同授業や授業の質の向上、ICTの効果的な活用により先生方の校務負担軽減やワークライフバランスなども進めています。生活の質の改善にもICTを使っており、私も参加している「わくわく健康ポイント事業」は、歩行量や健康診断に応じてポイントが付与され、商品券などと交換します。高齢者の見守りや聴覚障がいのある方の窓口対応にもICTを活用しています。

 ――モンベルと提携しましたね。

 昨年9月包括連携協定を締結し、アウトドアにより誰もが心躍らせる取り組みを進めています。来年7月のオープンを目指し、石鎚山ハイウェイオアシス館をリニューアル中で、同施設を拠点に石鎚山系への登山や瀬戸内海でのカヤック、スポーツクライミングなど様々なアクティビティをみなさんに体感していただきたいですね。

 ――「地域自治組織」についても精力的に取り組まれています。

 自治会組織を中心とした従来の結びつきに加え、地域の活動を支える個人や様々な団体が垣根を越えて連携し、地域自治に取り組む仕組みを構築します。昨年度から2地区をモデルに地域づくりの話し合いを進めています。そこから新たなアイディアや出会い、発見が生まれると期待しています。今後は組織に一定限度の財源と権限を委譲し、行政と協働のまちづくりを行っていこうと考えています。

 ――今年度の取り組みはいかがでしょうか。

 今年度は、陸上競技の三段跳びに例えると力強くホップする年です。助走で蓄えた推進力で、全ての分野でもう一段階底上げしていくため「ONE UP」をキャッチフレーズに、地域経済や都市ブランド、ひいては市民生活の底上げに向けて全力を傾けています。厳しい財政環境の中、スクラップ・アンド・ビルドを基本にしながらも、重要度の高い施策は前倒しして合併特例債などを有効活用したいです。

 ――主な事業施策を教えてください。

 今年度は、▽ICTを活用したスマートシティ構想トライアル事業推進▽循環型社会の構築を目指し道前クリーンセンターの整備検討▽デマンド交通の実証運行など地域の実情にあった公共交通体系の構築▽消防、防災における女性や市民の活躍推進▽地域おこし企業人を活用したICT教育推進、次世代学校支援モデルの構築▽農業体験、農業研修を通じた移住・就農の促進▽まちづくり資金の域内循環に向けて「ローカルファンド」の創設や、選ばれるまちに向けてシティプロモーションも強化・推進します。

 ――地域産業の振興は。

 本市は「地域活力の源泉は産業にあり」と標榜しています。「地域産業資源を活用した競争力強化・新産業創出プロジェクト」を策定し、地方創生推進交付金を財源とした事業を行います。新産業創出、販路拡大・広域マッチング、人材確保・育成、西条ブランド推進の6次産業化・農商工連携、ベトナムビジネスサポートデスクの活用などによる海外事業展開、新事業・生産性向上に取り組みます。

 ――進捗状況はいかがですか。

 新産業創出は、水素ネルギーなどの成長産業集積化、CLT(直交集成板)などの地域産業資源を活用した新産業の創出に向けた取り組みへの支援を行っています。今年3月にはCLT一貫生産工場が竣工し、販売会社「E-CLT」が設立、公共施設での利用を推進していきます。また、水素関連事業に取り組みたいと考える企業に対し、国の補助制度を活用した設備投資支援を行うとともに、四国経済産業局が行う「次世代燃料・電池システム創出支援事業」と連携し、販路開拓や新技術開発につなげようと取り組んでいます。更に地域おこし協力隊制度を活用し、地域資源を生かして起業を目指す大都市部からの人材を10人募集しています。

 ――雇用面はいかがでしょうか。

 人材確保は地域活力維持のための最優先課題です。学校などの卒業予定者や一般求職者などのU・I・Jターン希望者まで、幅広い年代と企業とのマッチングを図る合同企業説明会を開催。県や4社が開設した就職支援ポータルサイト「あのこの愛媛」の普及促進に取り組んでいます。2月と6月には「地方創生プロジェクト 移住・交流フェアin東京」にも参加しました。

 ――4月、東京オリンピック・パラリンピックのオーストリアのホストタウンに登録されました。

 非常に光栄です。昨年開催された国民体育大会のレガシーを生かせるとしたら、とても大きいことです。オーストリアとは事前合宿の誘致はもちろんのこと、西条産の青石が縁で交流が芽吹き始めている同国南部のセーボーデン市との交流も深めていきます。

 5月には、「石鎚クライミグパークSAIJO」が、日本オリンピック委員会から全国で3施設のみとなるスポーツクライミング競技の競技別強化センターに認定され、事前合宿誘致に向けて着実な歩みだと思っています。東京オリンピックは、スピード・ボルダリング・リードという3競技の複合でメダルが争われますが、SAIJOにはボルダリングとリードの2競技の施設しかありません。9月末の完成を目指しスピード競技場を整備しています。

――期待が膨らみますね。

 まずは、事前合宿誘致に向けた取り組みをしっかりと進めます。4月に丹原高校に県内初のスポーツクライミング部が誕生しました。生徒たちが活躍できる環境が整いつつあることは非常に嬉しく、西条から全国、そして世界へと羽ばたいてほしいですね。こうした取り組みを市民の皆さんと一緒に進め、盛り上げていくことで「クライミングの聖地」を目指したいと強く思っています。

――改めて市長としての抱負を。

 土を耕し様々な種をまき、一つ一つ芽が出ている実感があります。今後、水や肥料をやり、花を咲かせていきたいです。「政治とは無限の理想への挑戦」と考えており、従来からの価値観から脱却し、西条が有する魅力、特性を生かしながら新たな価値観の創造に向けた自治体経営を展開することで、その先にある「ワクワク度日本一の西条」の実現をめざして頑張ります。私は変化球が投げられないので、常に直球勝負でいきたいと思います(笑)。


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