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毎日新聞掲載記事(平成29年6月30日)

ページID:0037549 更新日:2017年6月30日更新 印刷ページ表示

自治体シリーズ 首長に聞く

 ~地域おこしは 産業から~

 山と海に囲まれた自然豊かな西条市。標高1982メートルの石鎚山は信仰の山として知られ、大自然を楽しもうと多くのハイキング客なども訪れる。また、地下水の自噴井戸もあるなど「水の都」としても有名だ。さらに多種多様な農作物の一大産地であるとともに、四国最大規模の工業地帯でもある。昨年11月に就任した玉井敏久市長に市の魅力や産業振興への取り組みなどを聞いた。

 ――玉井市長が推進する政策の柱を教えてください。

「産業振興」と「シティプロモーション」を地方創生の要に位置付けています。また、情報通信技術を活用した「スマートシティ西条」の実現も重要施策の一つです。

 ――まずは、西条市の産業の魅力についてお聞かせください。

西条市は「山、川、平野、海」といった地形と、「農、水、林、工、商」といった産業形態がコンパクトに凝縮されたまちです。工業の分野では臨海部を中心に、エレクトロニクス、造船、鉄鋼、機械製造などの大手企業の工場が多数立地しており、四国2位の製造品出荷額を誇っています。

 ――農業分野はどうですか。

2015年度実績で西条市の経営耕地面積は4313ヘクタールあり、実は四国で最大です。裸麦、あたご柿、七草の生産量は全国1位で、農業産出額は約140億円と、四国でも屈指の農業都市です。

 ――それらを生かした取り組みを教えてください。

02年度から全国に先駆けて取り組んでいる「総合6次産業都市」の実現に向けて、地元のJAや関係企業と連携しながら加工業務用野菜の産地化促進や加工機能を強化していきます。西条農業高校、丹原高校の園芸科学科と愛媛大との高大連携による産業人材育成の取り組みも進んでいて、総合6次産業都市としてさらなるビジネス展開の可能性も追い求めていきます。

 ――林業分野はどうですか。

新建材として注目される直交集成板(CLT)を原木から一貫して製造する全国初の工場が誕生します。工場が稼働した後は地域の林業を取り巻く環境が大きく変わると予想されることから、林業の再構築を図っていきたいと考えています。

 ――観光分野は。

西日本最高峰の石鎚山について、昨年12月に「石鎚山系の魅力発信および持続可能な資源とする事業」が内閣府から認定を受けました。久万高原町、高知県いの町、大川村、そして西条市の1市2町1村が行政の枠を越えて連携を図っています。さらに今後はそれぞれの魅力を発信したり、観光振興、自然環境の保全などに共同で取り組んでいくことで、国内外に認められる魅力あふれる石鎚山系のブランド価値の創造を図っていきたいと考えています。

 ――西条は「新幹線の生みの親」、十河信二氏ゆかりの地です。

西条市には四国初の本格的な鉄道資料館「四国鉄道文化館」があります。また、鉄道歴史パークは今年10周年を迎え、11月には10周年記念イベントも計画しています。「鉄道」を生かしたまちづくりを今後も進めていきます。

 ――西条市にある「輝安鉱」は世界一だそうですね。

市之川鉱山の輝安鉱の結晶は大きさ、美しさにおいて世界一といわれ、海外では「西条」よりも「市之川」の方が有名です。東京の国立科学博物館で開かれた大英自然史博物館でも展示されました。

 ――玉井市長が目指す産業振興とは。

やはり「地域活力の源泉は産業にあり」です。昨年12月には、「地域資源を活用した競争力強化・新産業創出プロジェクト」が内閣府から地域再生計画の認定を受けました。西条産業情報支援センターを核に、地域が持っている支援機能を用いて、水素エネルギーなど次世代分野の新たな産業の創出を目指していきたいと考えています。

 ――大阪事務所を再開されたようですね。

西条市の大阪事務所を4年ぶりに再開しました。ここを拠点に西条のものづくり企業の技術PRや地元農産品の販売促進支援などを強化したいと思っています。将来的には「東予大阪事務所」のようにできないか、新居浜市、四国中央市にも呼び掛けていきたいと考えています。

 ――隣接市との連携ですね。

新居浜市、四国中央市、西条市は、工業を中心とする「ものづくり産業都市」という共通点があります。これらを生かし、合同で就職説明会を開催したり、連携して観光情報を発信しています。今後、この連携をより強化していきたいと考えています。

 ――「シティプロモーション」とは具体的にどういう取り組みですか。

西条市にはすでにお話したように産業観光地など、魅力的な地域資源もたくさんあります。それらの情報を整理し、積極的に市内外に発信していく。これがシティプロモーションです。4月に組織改正で「シティプロモーション推進課」を新設しました。

 ――玉井市長の意気込みを感じさせます。

地域間競争の時代に、地域の魅力をアピールできないと勝ち残ることはできません。「選ばれるまち」になるためには、魅力的な政策を実施することはもちろんですが、地域資源や地域の魅力をどんどんと発信していかなければなりません。市長として実行していきます。

 ――「スマートシティ西条」について教えてください。

「住みたい、住み続けたい西条」を実現するためには福祉、保健、教育、防災、産業振興など、さまざまな分野で、市民、企業の満足度を高めることが重要です。そのための有効な手段の一つがICT(情報通信技術)です。 教育分野では電子黒板の導入や遠隔授業など全国でも先進的な取り組みをしていて、今後もトップランナーであり続けたいと思っています。保健福祉といった分野でも積極的な活用を図り、「健康経営のまちづくり」を実践し、地域間競争の勝ち残りを目指していきます。


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