本文
~アウトドアなら西条市~
標高1982メートルの石鎚山をはじめ、自然豊かな山と海に囲まれた西条市。今、アウトドア活動の拠点施設がリニューアルオープンなど新たなまちづくりが注目を集めている。玉井敏久市長(55)にこれからの取り組みなどについて聞いた。
――「アウトドアオアシス石鎚」(旧石鎚山ハイウエイオアシス館)がリニューアルオープンしますね。
7月1日、名称、装いも新たに、「アウトドアオアシス石鎚」がいよいよオープンします。海抜0メートルの瀬戸内海から西日本最高峰1982メートルの石鎚山までの雄大な自然をフィールドに、地域のアウトドア活動の拠点施設として生まれ変わります。
――どのような施設に生まれ変わりましたか。
館内には、様々な情報が集まる「ビジターセンター」や「アウトドア用品売場」を整備しました。「ビジターセンター」については、石鎚山の天候や紅葉、道路等のリアルタイム情報や市域で楽しめるアウトドアアクティビティ観光情報などの情報発信とともに、アウトドア用品のレンタル、さらにはアウトドア体験・講習が受けられるといった施設となっています。
「アウトドア用品売場」については、「モンベルストア」が入居し、「ビジターセンター」とともに、これから登山等アクティビティに向かう人や周辺公園施設内でキャンプを楽しむ人が活用するアウトドア用品やグッズなどのアイテムを揃えることができます。約6メートルのクライミングウォールとらせん状に登るボルダリングの体験コーナーもあり、子どもから大人まで楽しめる施設となっています。
また、隣接する産直市場「おあしす市場」では、四国有数の農業都市である本市の野菜等に直接触れてもらう場所とし、食を通じて本市の魅力を発信できる直販所としてリニューアルしています。
――この「アウトドアオアシス」を中心に、どのようにアウトドア活動を推進されますか。
本市は、2017年9月に、国内有数のアウトドアメーカーである「株式会社モンベル」と「アウトドア活動等の促進を通じた地域活性化に向けた包括連携協定」を締結しました。これは、株式会社モンベルの有する知見・ノウハウと本市の有する自然豊かで広大なフィールド等を活用して、地域活性化、市民生活の質の向上を目指した取り組みを進めていこうというものです。
協定締結後、モンベルグループへ委託し、市域全体におけるアウトドアアクティビティの課題と可能性を洗い出し、魅力的なルート設定や情報発信など今後の方向性を示すグランドデザインを作成しました。
この中で、アウトドア活動の拠点施設として「アウトドアオアシス石鎚」を位置づけ、受け入れ態勢の整備、情報・魅力発信といったところを具体的施策として盛り込んでいます。
今後、この施設を拠点に、具体的な取り組みを進めていくことになりますが、石鎚山を中心に市内のフィールドを活用した登山、カヤック、クライミング、サイクリングといった様々なアクティビティを、多くの皆さんに体感していただきたいと考えています。
また、来年7月には、「伊予の三湯」本谷温泉のそばに、「フォレストアドベンチャー」といった自然共生型アウトドアパークが誕生予定です。子どもたちはもちろん大人も夢中になる本格的なアスレチックを満喫した後は、温泉でゆっくり汗を流していただければと思っています。
このような取り組みにより、今後、西条市全体がアウトドア活動のフィールドとなっていくかと思うと非常に楽しみですし、西条に来ることで、元気あふれる笑顔が増えていく姿を追い求めていきたいと考えています。
――「株式会社ソラヤマ石鎚」という第3セクターを設立されていますが、教えていただけますか。
「ソラヤマいしづち」は、いしづちエリア、石鎚山系を共有する西条市、久万高原町、高知県いの町、高知県大川村をフィールドに、観光サービスを担っていく会社として、昨年11月に設立しました。国際競争力の高い魅力あふれる観光地域の形成を目指すべく歩みを進めているところです。石鎚山を中心とする石鎚山系、その周辺地域が有する雄大な自然、文化、伝統といった魅力を国内外に情報発信するとともに、その先にある交流・関係人口の増加や、地域の活性化につなげて参りたいと思っています。
――具体的な取り組みについて、教えていただけますか。
魅力あふれる地域資源を活用し、戦略づくり、旅行業、プロモーション、ヒトづくり、観光サービス創出支援を行い、観光によるいしづちエリアの地域活性化を目指した取り組みを進めています。本年2月には事務所もオープンし、本格的な取り組みが始まったところです。
――愛唱歌「石鎚山」も作られたと聞きました。
「千の風になって」の訳詞・作曲で知られる新井満さんが、プレゼントして下さいました。本年3月に、完成記念イベントを開催したところです。市役所の電話保留音としても使用させていただいています。
――どのような曲でしょうか。
歌詞に「両手を広げて立ち向かう 愛しい家族を守るため」「生きよ 生きよ 生きよ」など、石鎚山に対する市民の皆さんの熱き想いが所々に表現されています。
「父なる山の声がする」「母なる山の声がする」という節もあります。霊峰石鎚山は、まさしく私たち西条市民にとって、時には父であり、時には母であるかけがえのない存在だということを、改めてこの歌が示してくれています。今後、故郷を西条に持つ皆さまを始め、より多くの方々にこの歌を知っていただき、口ずさんでいただきたいと思っています。
――今後の展開について教えてください。
7月には台湾大手航空会社エバー航空による松山-台北線が新規就航いたします。この機をチャンスと捉え、外国からのお客さまにも西条に足を伸ばしていただけるようにと考えています。
また、現在、本市、新居浜市、四国中央市を舞台に「えひめさんさん物語」が開催中です。8月には中間セレモニーを「アウトドアオアシス石鎚」で開催予定としていますし、11月下旬まで市内いたるところで各種イベントが満載です。この機にぜひ、国内外問わず多くの方に西条へ足を運んでいただければと思っています。
――最後に市民へのメッセージをお願いします 。
私は市長就任以来、「ワクワク度日本一のまち西条」の実現に向けて、「市民主役の西条」「住みたい西条」「市民と進める行財政改革」「夢が持てるまち西条」「つながり広がる西条」の5つの基本政策をベースに鋭意取り組んで参りました。
そして先月、令和の時代が幕を開けましたが、より一層自治体間競争が激しさを増す中、時代の変化に即応した自治体経営を実現していかねばならないと考えております。
本市が誇る「市民力」や「地域資源」に更なる磨きをかけ、魅力あふれる施策を企画・立案することにより自治体間競争に勝ち残り、より多くの皆さまに「住んでみたい」「住み続けたい」と思っていただける、魅力あふれる西条のまちづくりに引き続き積極果敢に挑戦して参ります。