本文
西条市の太陽光発電への取り組みについて
はじめに
太陽光発電にいち早く取り組んだ西条市
西条市は、日射量等の自然資源に恵まれていることから、早くから新エネルギーの利活用に取り組んできました。
第1次オイルショック後に策定された「サンシャイン計画」に基づき、昭和56年度から平成4年度まで、わが国最大の「太陽光発電試験プラント」(西条太陽光試験発電所)が当市に立地していました。
この試験プラントは、今日実用化されている太陽光発電システムの基礎を築いたものであり、西条市はいわば太陽光発電の「草分けの地」であるといえます。
太陽光発電の導入と普及
平成9年度に、当市での新エネルギーの導入指針として「西条市新エネルギービジョン」を策定し、平成11年度には、新エネルギービジョンに基づき市公共施設の「西条市こどもの国(現SAIJO BASE)」に15キロワットの太陽光発電システムを設置しました。
また、一般家庭への新エネルギー普及促進を図るため、平成11年度には四国で初めて住宅用太陽光発電システム設置への補助金制度を創設しました。平成26年度末時点で2,193件、10,023キロワットの太陽光発電パネルが、市の補助金を活用して設置されています。
水素エネルギー分野も活用研究を
平成13年度からは、水素エネルギーの活用研究として、省エネルギー性の高い「MHハイブリッド冷凍システム研究」に着手しました。このシステムは、平成19年度からは水素エネルギーを農業生産へ適用する試験研究の実施、平成21年度からは低炭素型社会の実現に向けた社会実証試験として「西条クールアースプロジェクト」へと発展し、いちごの周年栽培とサツキマスの陸上養殖の実証試験を実施しました。
京都議定書を背景としたビジョンの策定
平成14年度には、わが国が地球温暖化対策として京都議定書の締約国となり、国を挙げて省エネルギー、低炭素社会の構築が必要となったことを背景に、当市での省エネルギー対策の指針として「西条市省エネルギービジョン」を策定しました。
平成17年度には、「西条市省エネルギービジョン」のアクションプランの中で重点施策と位置付けた「産業活性化につながる研究、技術開発の推進(省エネルギー技術で地域活性化)」を図るため、省エネルギー推進方策として「西条市省エネルギービジョン 排熱リサイクルによる省エネビジネスモデルの構築並びに環境評価調査」を策定しました。
平成22年度には、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の地域新エネルギー等導入促進対策費補助金を活用し、(株)アドバンテックとの共同事業により公共施設7施設に太陽光発電システム(合計100キロワット)を設置しました。
太陽光発電所や発電システムの完成とこれから
さらに、平成24年度には、太陽光発電の普及促進および遊休市有地の有効活用を図るため、(株)アドバンテックに市有地(旦之上 3,687.65平方メートル)を賃貸借し、太陽光発電所(215.04キロワット)が立地しました。
平成26年3月には、市役所(新館)が完成し、これに伴い、設置している太陽光発電システムも発電を開始しました。
当市では、このように着実に新エネルギーの導入が進んでおりますが、今後とも機会を捉えて積極的に導入を図ってまいります。
西条市新エネルギーの歩み(年表)
昭和49年度 サンシャイン計画策定(通商産業省)
昭和56年度~平成4年度
- 我が国初の「太陽光発電試験プラント(西条太陽光試験発電所)」が立地
面積40,000m平方メートル、出力1,000キロワット(メガワットソーラー)、パネル約22,000枚
平成5年度
- ニューサンシャイン計画策定(通商産業省)
平成9年度
- 西条市新エネルギービジョン策定
平成11年度
- 西条市住宅用太陽光発電システム設置費補助金交付事業開始
(四国初の住宅用太陽光発電システム設置助成制度) - 西条市こどもの国(現SAIJO BASE)へ太陽光発電システム設置
平成13年度
- 水素エネルギーを活用した「食品加工流通コンビナート構想」の研究に着手
平成14年度
- 西条市省エネルギービジョン策定
平成16年度
- 西条市総合福祉センター(もてこい元気館)に太陽光発電システム設置
平成17年度
- 西条市省エネルギービジョン策定
(廃熱リサイクルによる省エネビジネスモデルの構築並びに環境評価調査)
平成21~23年度
- 低炭素型社会の実現に向けた社会実証実験「西条クールアースプロジェクト」として、工場排熱とうちぬき(地下水)を活用したMH(水素吸蔵合金)冷水製造システムによるいちごの周年栽培、サツキマスの陸上養殖実証事業を実施
- 西条図書館に太陽光発電システム設置
平成22年度
- 7施設(西条西部体育館、ひまわり幼稚園、すみれ荘、東予西児童館、田野保育所、禎瑞保育所、神拝小学校)に太陽光発電システム設置((株)アドバンテックとの共同事業)
平成23年度
- 大町公民館に太陽光発電システム設置
平成24年度
- 休日夜間急患センターに太陽光発電システム設置
- 市有地(旦之上)に太陽光発電所立地
平成25年度
- 市役所(新館)に太陽光発電システム設置
平成26年度
- 四国鉄道文化館南館に太陽光発電システム設置
- 西条市民公園に太陽光発電システム設置
太陽光発電システムを設置している公共施設
施設名 | 設置年度 | 出力(kW) |
---|---|---|
SAIJO BASE(旧こどもの国) | 平成11年度 | 15 |
総合福祉センター | 平成16年度 | 8 |
西条図書館 | 平成21年度 | 10 |
西条西部体育館 | 平成22年度 | 9.6 |
ひまわり幼稚園 | 平成22年度 | 9.6 |
すみれ荘 | 平成22年度 | 9.6 |
東予西児童館 | 平成22年度 | 9.6 |
田野保育所 | 平成22年度 | 9.6 |
禎瑞保育所 | 平成22年度 | 9.6 |
神拝小学校 | 平成22年度 | 42.4 |
大町公民館 | 平成23年度 | 3.68 |
休日夜間急患センター | 平成24年度 | 9.6 |
市役所(新館) | 平成25年度 | 122.9 |
四国鉄道文化館南館 | 平成26年度 | 21.56 |
西条市民公園 | 平成26年度 | 6 |
合計 | 296.74 |
市役所(新館)に設置の太陽光発電システム(平成25年度設置)
西条太陽光試験発電所の概要
西条太陽光試験発電所は、安全でクリーンな太陽エネルギーの利用を図るため、通商産業省(当時)の「サンシャイン計画」に基づき、昭和56年度から平成4年度の間、西条市西ひうちの約4万平方メートルの敷地に2万7千枚、合計1千キロワットの太陽光発電パネルが設置され、太陽光発電の普及に向けた各種実験が行われました。
このとき使用されていた太陽光パネルの一部は、四国電力の松山太陽光発電所で現在も発電用パネルとして使用されています。
西条太陽光試験発電所(当時の航空写真、赤円の中が試験発電所)
西条太陽光試験発電所(当時の近景)
西条市新エネルギー等関連設備導入促進事業補助金
詳細は、環境政策課のHPをご覧ください。
https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/kankyo/newenergysubsidy2023.html