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【活動報告】第21期 西条市ものづくり科学創造クラブ
西条市ものづくり科学創造クラブでは、日常生活では体験することのできないものづくり現場の見学や、実験・工作などを通して、子どもたちが自分で考え行動すること、科学的な発想や創造性豊かな人間性を育むことを目的として、年間7回の活動を実施しています。
第2回 工場見学(8月6日)
2回目となる今回は、市内の工場見学です。
バスに乗り込み向かった先は、(株)サイプレス・スナダヤ東予インダストリアルパーク工場。
スナダヤは、ヒノキやスギを中心とした木材製造販売を手掛けており、国内では数少ない原木から製品への一貫生産が可能な大型機械設備を保有しています。
ここでは、大阪・関西万博の大屋根リングの建材にも使用されたCLTについて学んでいきます。
CLTとは「Cross Laminated Timber」の略称で、日本語では直交集成板と呼ばれる、ひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように接着剤で貼り合わせた木材製品のことです。
特別な接着剤を用いて板と板を張り合わせたり、つなぎ合わせたりする事により、既存の木材製品では実現できなかった大きな厚み、幅、長さを実現することができます。
西条市内でも、ここてらすこまつ(子育て交流センター)や西消防署河北出張所に使用されています。
日本で製造可能な最大サイズのCLTは、厚み27cm×幅3m×長さ12m=9.72㎥で、このサイズのCLTを作成するのに、約30㎥の丸太が必要になります。
丸太全体の3分の1をCLTに使用し、残りの3分の2は、バイオマス燃料や紙の原料となっています。
工場を見学したあとは、質疑応答を行いました。
専門的な質問も飛び交い、有意義な時間となりました!
最後に、オリジナルの卓球台で卓球に挑戦し、次の工場へ向かいます。
続いて到着したのは、住友重機械イオンテクノロジー(株)愛媛営業所。
住友重機械イオンテクノロジー(株)は、パソコン・携帯電話・生活家電など、日常生活において必要不可欠な電気製品の中に搭載されている半導体を製造するための装置「イオン注入装置」「レーザシステム」を開発・製造しています。
国内外で高いシェアを誇り、世界中の半導体の製造工程の「入り口」を支えています。
そんな重要な役割を担う装置が、なんとこの西条市で製造されています!
ここでは、イオンソースで生成されたイオンを、約30万ボルトの高い電圧で加速させ、シリコンウエハにぶつけることでイオンを注入しています。
1回目の授業でも勉強したように、「半導体」とはスマホやパソコン、電気自動車などの頭脳にあたるパーツです。
半導体をつくるうえで、この「イオン注入装置」は欠かせない重要な役割を果たしています。
こちらのロータリータックでは、様々な部品などを管理しています。
システムに番号を入力すると、必要な部品だけを抽出することができます。
では、実際に操作にチャレンジ!
欲しいものを抽出することに成功!クラブ員向けのお土産をいただきました。
工場見学中にも、工場内を走行するロボットとすれ違い、初めて見る機械にみんな興味津々な様子でした。
最後に、フォークリフトの試乗体験をしました。
車とは違う大きなクラクションの音にビックリ!
普段どのように操作しているのか教えていただきました。
最後に、写真撮影をして終了です。
工場見学を引き受けてくださいました、(株)サイプレス・スナダヤ様、住友重機械イオンテクノロジー(株)様、どうもありがとうございました。
クラブ員の感想
【(株)サイプレス・スナダヤ様】
- ものすごく高くて大きな機械を使っていてすごいと思った。木の皮も燃料にしていて地球に優しいなと思った。CLTが一番作るのが難しいけれど色々なものに使えてすごいなと思った。
- 木材を運んだり、切ったり、はりつけたり加工するところを見学できて良かったです。チップなどは捨てるんじゃなくて、バイオマス発電などに使う事は良い事だなと思いました。CLTなどのことも知る事ができました。
- 木を加工した後に組み合わせてCLTにする技術がとてもすばらしいと思った。トラックが1日に何十本も運んできた木をすべて加工するのがすごいと思った。木材をセンサーで読み取ってどのような切り方になるかがわかるシステムがすごいと思った。
- CLTを知れて良かったです。木材でビルが作れるのはすごいなと思いました。木材を作るために時間がかかる事を知れてよかったです。万博などにCLTが使われているのがすごいなと思いました。
- 万博の大屋根リングを使った会社だと知った時はとてもおどろきました。自分も万博に行って大屋根リングを見たのですごいなと思いました。
- 私は初めて知ったことやすごいびっくりするようなことがたくさんありました。まず、CLTは環境に優しいことを初めて知りました。すごいと思ったのは、木の板を重ねて接着剤をつけ1時間圧力をかけることです。それでくっつけた木と木がのかないのはびっくりしました。また、30㎥の丸太から、9.72㎥のCLTしかつくれないことにもびっくりしました。
【住友重機械イオンテクノロジー(株)様】
- 前に学んだ半導体を作るための機械を作っていたのがすごかった。
- イオンのビームをウエハに入れる所がすごかったです。清潔に作っているから安全安心だと思いました。フォークリフトは色んなレバーやボタンがあっておもしろかったです。
- 僕は、今日の学習でロボットが改めてかっこいいしすごいなと思いました。僕はロボットが好きだから、あんな仕事にあこがれてて就職したいなと思いました。
- ロボットが6体あって動かせるのがすごいと思った。倉庫から番号を打つだけでその部品が自動で届くのがとてもすごいと思った。
- 機械などで物を運んでいたのですごいなと思いました。とても危険な機械があるなか仕事をできるのがすごいなと思いました。
- ロボットや機械などを見学してイオンテクノロジーなどの最先端の技術を見ることができてよかったです。僕も大人になったら働いてみたいなと思いました。楽しかったです。
第1回 手で豆電球がつく⁉半導体っておもしろい(7月12日)
第21期西条市ものづくり科学創造クラブの活動がスタートしました。
今年度は、クラブ員32名で科学の楽しさやものづくりの魅力を体験していきます。
はじめに、西条市産業振興課長、クラブの先生方からの挨拶がありました。
第1回のテーマは、「手で豆電球がつく⁉半導体っておもしろい」
授業を担当してくださったのは、西条小学校の宮﨑先生です。
まずは、家電製品やデジタル機器など私たちの身の回りで使われている「半導体」やその代表的な電子部品である「トランジスタ」について学びます。
授業で学んだあとは、いよいよ実験です。
みんなで手をつなぎ、豆電球を点灯させたり、ブザーを鳴らす実験にチャレンジ!
トランジスタの持つ、人の体を流れるごくわずかな電流でもオン・オフができる「スイッチ作用」と電流を増幅する「増幅作用」という働きにより、クラブ員全員が手をつないだ状態でも、実験に成功しました!
続いて、宮川先生の工作です。光センサーを使ったフラッシュライト作りに挑戦。
宮﨑先生から学んだことを活かし、みんな真剣な表情で取り組みます。
慣れない作業に戸惑いながらも、クラブ員同士で協力したり、
先生方にアドバイスをもらいながら、ついにフラッシュライトが完成しました!
完成したライトは、暗い場所でピカッと光り、実際にトランジスタの働きを体験できます。
第1回の授業では、電子部品のしくみ「見る」「触れる」「作る」という体験を通して、科学への興味を深めました。
次回は、今回学んだ「半導体」を作る現場へ工場見学に行きます!
クラブ員の感想
- 半導体とは、ある条件で導体か不導体になるということを初めて知った。
- 光センサーについてが1番楽しかったので、家で調べてみようと思う。トランジスタの世界最小のものを見てみたい。
- 4年生の時にやった豆電球の進み方が「+」か「-」か忘れていたけど今日学習して思い出して勉強になった。
- 学校では習わない事も知れて良かった。
- 光センサーによって暗い所に行くと光り、明るい所に行くと光らないという性質がとても気になった。
- フラッシュライトを作っていて、暗い所で光る=街灯が暗くなるにつれてつくのと同じことに気が付いた。