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民話 子安大師の肉付きの面

ページID:0001590 更新日:2015年1月15日更新 印刷ページ表示

民話

子安大師の肉付きの面

 むかし、あるところに、たいへん気立てのいいよくできた嫁と、意地悪な口やかましい姑が住んでいました。気に入らん嫁じゃと思っている姑は、いつも嫁につらく当り、ひどい目に合わせていました。しかし嫁は一言も逆らわず、姑に仕えています。そうされると姑はなおいっそう嫁がにくくなり、嫁いびりはますますひどくなりました。
 ある暗い晩のこと、嫁を使いに出した姑は、恐ろしい面をかぶって、町角で嫁を脅かしてやろうと待ち伏せました。使い帰りの嫁の前にいきなり恐ろしい顔を出したので、嫁はびっくりして気絶してしまいました。嫁を驚かして胸がすうっとした姑は、さて面をはずそうとしてギクリとしました。どんなにはずそうとしても、その面は顔にぴったりとくっついてはずれません。その恐ろしい面はまるで姑のもとからの顔のように、くっついてしまっているのです。あちこちの医者にかかっても面を取ることができません。今までさんざん嫁いじめをしてきた報いでしょう。
 自分が悪い姑であったと悟った姑は、寺々を廻って少しでも罪が軽くなるように祈ろうと考えて、旅に出ました。四国へも渡って来て、八十八カ所を廻り歩きました。小松の香園寺にもお参りしました。その時いちばん偉いお坊さんが姑をあわれに思い、面をのけるお祈りをしてくれました。すると不思議なことに面はポロッと落ちました。それを「肉付きの面」といって、今でも香園寺にあるそうです。面のとれた姑は、喜んで国に帰りました。それからは嫁と仲よく暮らし、よい姑になったということです。

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