本文
令和7年度第1回わくわく化学教室を開催しました
株式会社クラレ西条事業所と西条市では、化学のおもしろさ、実験のドキドキ感を多くの方に知ってもらうため、「わくわく化学教室」を開催しています。
繊維ってなんだろう?(8月23日)
今回のテーマは、『繊維』。クラレでは、高い技術によってさまざまな合成繊維を製造しています。
その代表であるポリエステル繊維に加え、1990年にクラレが世界で初めて工業生産を開始したのが液晶ポリマー繊維「ベクトラン®」。
ベクトラン®は、分子と分子の結びつきが非常に強い液晶ポリマーを原料としていることに由来する高強力な繊維であることに加え、「水を吸いにくい」(低吸湿性)、「伸びにくい」(寸法安定性)、「摩耗に強い」(耐摩耗性)などの特長を備えていることから、NASAの火星探査車の着陸用エアバックやワイヤー代替としてのスリングベルト、各種スポーツ用途などで採用されており、その技術力の高さは、世界各地の多様な産業の発展に貢献しています。
技術の「クラレ」の職員が講師となって授業や実験を行うわくわく化学教室。今回は、市内小学5、6年生27名が参加して楽しく学びました。
実験(1) いろいろな糸にさわってみよう
まず、繊維と布の違い、合成繊維の作り方やどのような所に使われているのか、基本的な知識を学びます。
クラレで製造しているさまざまな合成繊維で作られた糸、布を実際に触ったり、引っ張ったりすることで、それぞれの違いを調べてみます。
次に、合成繊維の布をはさみで切ってみました。ポリエステルで織られた布とは異なり、高強力な繊維で織られた「ベクトラン®」の布は全く切れません。
その違いや、柔らかいのにハサミで切れない布があることを知り、子どもたちからは驚きの声があがりました。
実験(2) 糸をつくってみよう
続いて、さまざまな方法で糸をつくってみる実験です。
1つ目は、ポリエステル綿で繊維を作る実験です。手作業で綿を一本の糸にする作業に子どもたちは夢中で取り組みます。
2つ目は、合成原料を用いてナイロン樹脂を作る実験。2つの合成原料を混ぜ、できた膜をピンセットを使って試験管に巻き取っていきます。私たちの生活に身近なナイロン樹脂のできあがり。
3つ目は、プラスチック樹脂を溶かして、合成繊維を作る実験。ピンセットを使って、細く、長く引き伸ばします。その長さが8メートルにたちした子どもも。伸びたり、縮んだり、繊維の特性を楽しい実験を通して学びました。
実験(3) 繊維を染めてみよう
続いて、さまざまな繊維を染めてみる実験です。
鑑別染料で染めてみると、繊維によって違う色に変化します。
それぞれ実験の答えをワークシートに書き込み、最後に答え合わせをしました。
実験(4) 静電気を追い払おう
最後は、静電気発生装置を使った実験です。
湿度が高い季節のため、講師の方々のデモンストレーションのみでしたが、特殊な布(導電繊維)を身に付けることによって静電気を除去できる実験では、その成功に大いに盛り上がり、子どもたちは興味津々でした。
クラレの食堂「さくらテラス」でおいしい昼食を食べた後は、修了式。
参加者には、「わくわく化学博士」の認定証が授与されました。
講師のクラレ社員の皆さんの丁寧なサポートもあり、さまざまな実験を通して、化学のおもしろさを学ぶことができました。
次回もたくさんのご応募をお待ちしております。
子どもたちの感想
・色々な種類の糸をさわったり、ひっぱたりして、全部さわりごごちがちがったり、のびたり、のびなかったりして、おもしろかったです。
・繊維の種類を知れて良かったです。繊維を糸にするのは、とても難しかったけどきれいに出来ました。
・静電気の実験でできた静電気を防止する糸があることをはじめて知りました。
・合成繊維の糸ひきでは、すごく長くのびたのでおどろきました。染色はいろんな色になってすごいなと思いました。実験はどれも面白くて楽しかったです。