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東日本大震災から13年、いま私たちにできること
直接の死者と行方不明者が1万8千人を超える大惨事の後も、災害が絶えない日本。
今年元日には能登半島地震が起き、尊い命が失われました。
日本は、いつどこで大きな地震が起こるかわかりません。
私たちは、近い将来必ず発生すると予測される南海トラフを震源とする地震への備えが必要です。
過去の大規模地震の教訓を活かして、日頃の備えを行いましょう。
正しい知識とすぐにできる小さな行動が防災意識を高め、あなたとあなたの大切な人を救います。
2011年3月11日。
あの日、何が起きたのかを知り、災害の「備え」につなげていく必要があります。
想像できますか?
トイレが使えなくなり、大勢の人が同じ「衣装ケース」に用を足す。
現実に起きたのが東日本大震災でした。
大災害が発生した後は、さまざまなインフラがストップ。
停電、断水、排水管や下水管、浄化槽の損傷などで、自宅の水洗トイレが使えなくなるリスクが高まります。
便器に取り付けて使う「携帯トイレ」を常備しておくこと、そして停電や断水、排水管の破損を確認することが大切です。
自宅で被災した場合、トイレの機能が停止している可能性もあるため、目視で給排水設備の大きな損傷がないか点検し、異常がなければ水だけ流してみます。たとえば、便器内の水位が上がったり、便器に溜まっている水から空気がボコボコと出るといった現象が起きたら直ぐに使用を中止してください。
もし万が一水が使えなかったとしても、携帯トイレに排泄すれば吸収シートや凝固剤で固められるため、可燃ごみとして回収することができます。
また、避難所の仮設トイレは、多くの人が利用するため、汚物が溜まって臭い、足元や便器が汚いなど、衛生状態が劣悪になりがちに…。
下痢やおう吐といった消化器疾患、ノロウイルスなどの集団感染を引き起こす原因になることもあります。
仮設トイレで起きやすい問題
- トイレ内に段差があるため、足腰の弱った高齢者や車いすの方が利用しづらい
- トイレまでの距離が遠い。また、屋外に設置されている場合、夜は暗く、雨や雪の日なども不便
- 順番待ちの列ができていると、すぐに利用できない。落ち着いて用が足せない
- 男女別でないことが多く、安全面に不安を感じやすい。過去の災害時には、トイレでの性犯罪の報告も
このような問題があると、できるだけトイレに行く回数を減らそうと、水分や食事を控える傾向に。
その結果、脱水症状のほか、エコノミークラス症候群や脳梗塞、心筋梗塞など、命を落とすリスクも高まります。
災害時のトイレ用品は「1日5回×1週間×家族の人数分」の備えが理想です。
たとえば、4人家族の場合の簡易トイレだと、1人1日5回×7日分×4人=約140枚。
もし、市販の簡易トイレを1週間分用意するのが難しい場合は、新聞紙(猫砂)、ポリ袋といった簡易的な代用品をうまく使い、無理のない範囲から備蓄をはじめてみましょう。
備えておきたい備品
- トイレットペーパー
- 携帯トイレ
- 水を運搬するバケツ
- 中身の見えない黒いポリ袋・ゴミ袋
- 凝固剤
- 使用済みトイレのゴミなどを保管する密閉袋や、フタ付きのゴミ箱・ボックス(ゴミ収集が滞る可能性があるため)
- ウェットティッシュやアルコール消毒液(断水で手が洗えないことがあるため)
トイレの困りごとはとてもデリケートなので、なかなか声に出しづらいという現状があります。
ネガティブなイメージを持たれやすいトイレですが、人間にとっては欠かせないもの。
少しでも多くの人がトイレ対策の重要性を認識し、いつ起きてもおかしくない災害に備えましょう!