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広報専門員の気ままに西条歩き Vol.19多賀地区(後編)
「ファミリーロード」の文字が70年代風?レトロな三津屋本通りの商店街に入りました。
市道 新地北条線の交差点付近には、見るべき銅像があります。
館長:「国安出身の彫刻家 田中高(たかし)さんの作品なんよ」
この交差点の西と東に6体ずつ12体、楽器を吹いたり貝を耳に当てたり、自由にポーズをとっています。この男の子は、カブトガニを抱いています。
商店街を歩く人を見守っているようで、優しい気持ちになれました。
日野:「森川館長、多賀って結構広いんですね」
館長:「もうすぐ壬生川との境界線があるんよ、それがこの荒神社の横の、この道」
日野:「え、意外と細い道なんですね」
館長:「行政上の境目はここなんやけど、小学校区の境目は先ほどの大曲川なんよ」
氏神様も、多賀は先ほどの鶴岡八幡神社、壬生川は保内八幡神社だそうです。お、行ったことあるぞ!
多賀地区は昭和の初めまで「多賀村」でした。お隣壬生川町と合併したのは昭和15年。
日野:「そういえば、壬生川駅って、壬生川地区でなく、多賀地区内にあるんですよね。これはなんでなんですか?」
館長:「『壬生川』という地名は昔から県内外のやりとりで使ってきた名前だから、駅名も合併後の町名も『壬生川』でおそらく異論なかったんでしょうね」
日野:「昔の自分が壬生川だと思っていた場所の多くが、多賀だったということがわかりました(苦笑)。なんか、すみません…」
さらに三津屋本通りを西に進みます。
東予の街には、個人経営のおいしそうな飲食店がたくさん。一軒ずつ食べに行きたいな。
商店街から外れ、もと来た方角へ戻ります。
チェックポイント7 宝積(ほうしゃく)寺と、たから幼稚園に到着。お寺が幼稚園を運営しています。
幼稚園教諭の森 昭子さんにお話を伺います。
日野:「今、何をされてたんですか?」
森:「秋のお祭りで出すお神輿のお手入れを。分解して保存してるんですが、このお神輿はペリーの時代からあるという年代物なんですよ。お寺のご本尊(弁財天さま)もそれくらいの時代のものと聞いています」
日野:「東予秋まつりでの統一運行の時は?」
森:「駅前の大通りでのかきくらべには行かず、毎年体育の日の前日、朝8時に宮出しをして練り歩きますね。木魚を叩き、般若心経を拝みながらお神輿が動くんですよ」
えーっ驚き!
西条の祭りの多くは神社が主体。それがお寺だからか。神仏集合ですね。
次は8.厳島神社です。こちらについては、
館長:「ここにも、さっきのお船停みたいな港の跡がね、あるんよ」
平らな広場になっている敷地は、「三津屋港」が埋め立てられた場所でした。人やモノの行き来が盛んだった様子が想像されます。
9.南弘庵を目指します。道中、白壁や松の木が立派な家や、
昭和を思わせるガラス戸に心ひかれました。
南弘庵の境内には墓地があり、こんなアンティークなポンプ式の井戸もありました。
使われている形跡があったのでやってみましたが、水は出ず…!
同じ敷地内には赤い鳥居のお稲荷さんが。
館長:「こちらにも寄らないかんので、行きましょう」
日野:「あ、むらかみ酒店さんですね」
こちらは家族で切り盛りされ、地酒を中心とした多種多様なお酒を取りそろえています。
現在代表の陽一郎さん(写真左)は、西条のお酒を盛り上げるためのイベントを数々企画されている有名人。右はお父さん。似てますね!
こちらの町内の皆さんで、南弘庵のお稲荷さんのお世話をされています。
「年に一回掃除しよるだけじゃけど」とお父さんはいいますが、こういう地域のつながりが大事だなと思います。
ありがとうございました。
東予の食のイベント情報などは、食の創造館のフェイスブックページでもお知らせしています。
最後、来た方角へと戻って 10.多賀小学校大松跡を見に行きます。
多賀小はこんな感じ。門の近くに積み上げられたタイヤが特徴的です。
大松の碑はこちら。
そびえていた大松を、市は昭和58年7月天然記念物に指定しました。地元も「依松の松保存会」を組織して保存に務めていましたが、昭和62年10月24日、降り続いた雨で自然倒木し、平成4年に記念碑が建てられたそうです。
碑文には、「大松の雄姿は多賀小学校のシンボルであり、人々の心のよりどころであった。」と書いてあります。
私も母校には大きなクスノキが二本あり、今もその姿を見て、木の匂いをかぐと昔を思い出します。大松を想う多賀の人たちの気持ちが分かるような気がしました。
もうすぐ公民館に戻ってきます。この建物は「長福寺」。西条の中でも有数の藤の名所です。
見頃は毎年、春の大型連休の頃。「花だより」でチェックしてくださいね。
多賀地区には、昔からよく壬生川駅前のお店を中心に、親に買い物に連れてきてもらっていました。
でも、そこが「多賀小学校の校区だな~」とは思わず。
地域で区切って改めて見てみると、隣町とは全く違う、オリジナルの歴史や風景が見えてきました。
一番印象的だったのは、鶴岡八幡神社があり、東国の武士「多賀谷氏」がここを治めていたことかな…。
また、ここでは紹介できませんでしたが、壬生川駅前の通りや裏通りには個性的なお店もたくさん。まだまだ知らないところばかりなので、電車に乗って行ってみたい!
そんな楽しみのある、多賀エリアでした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※情報は取材当時(2018年8月)のものです。
参考
協力:多賀公民館
参考資料:西条市ウォーキングマップ、多賀公民館だより、多賀郷土誌
お問い合わせ
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・地域のことについて…多賀公民館 TEL:0898-64-2083
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