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広報専門員の気ままに西条歩き Vol.25周布地区(前編)

ページID:0053030 更新日:2019年6月21日更新 印刷ページ表示

地域のウォーキングレポート第25弾

このコーナーでは、西条市の広報専門員 日野が、市内の校区を一つずつ歩いてレポートしています。この記事で、すべてのエリアを完歩。2016年にスタートして以来、長いようで短い3年間でした。

2019年3月26日(火曜日)晴れ 

西条市マップ

人口3,672人。世帯数1,672。
二千年前の弥生時代には、道前平野における弥生人の生活の拠点となった場所で、中国地方や讃岐地方などから多くの物資や人々が集まり大変栄えた。自動車道建設に伴う、平成8~9年の調査で、奈良時代の役人が身に着けた硯や帯、装身具、石器や土器、居住跡が沢山出土したことから「古代文化の里」といわれる。

位置的には東予地区南東の端で、小松町・丹原町に接する。校区内の地域は大きく「周布」「吉田」の2地区から成り、農業のほか県道沿いを中心に商業も盛ん。

まち歩きには、市より発行の「西条市ウォーキングマップ」を利用しています。こちらは、地域で活躍する健康づくり推進員の皆さんが作成したものです。

マップ 全域

周布公民館に到着です。県道144号線より1本西側に入ったところにあります。

 

公民館外観

マップ 公民館

出迎えてくれたのは、左から岡澤 志乃主事、鈴木 力館長、別宮 祐子主事(当時)。
ワイワイとした、明るい雰囲気の公民館です。

周布公民館のメンバー

そして、一緒に歩くのは、鈴木館長と、地域の近藤 博美さん。よろしくお願いします!

春分を過ぎてすっかり春ムードの西条市。

田畑も春の表情で、トラクターが土を耕しているところを、サギがついて歩いているよう。

畑を耕す

日野:「わっ!サギがトラクターと一緒に歩きよる(パシャパシャ)」

博美さん:「あれ、そんなのが珍しいの? いっぱい写真を撮りながら歩くんやね」

日野:「そうなんです。周布の歴史文化と、春を見つけたいなと思とります」

鈴木館長:「この方と僕は昔からの付き合いで、ウォーキングと聞いて真っ先に顔が浮かんだんよ。公民館のサークルや、長い間社会福祉協議会の役や婦人会の会長さんもしてくれた人」

館長と博美さんには共通点がありました。二人とも仕事の関係で大阪や東京など県外に住んだことがあり、周布にUターンで帰ってきた方同士。

お互いのお子さんが小さい頃から、家族ぐるみの長い付き合いをされているとのこと。

日野:「私も大阪と東京に住んだことがあるので、お話が合うかもしれません」

博美さん:「あら!そうなん!」

とてもいい天気。目の前に石鎚山系の山々や、

鈴木館長後ろ姿

右手に高縄山系の山々も見えます。

館長とひろみさん

鈴木館長:「こんなふうに、山が包み込むように見えるのが周布のいいところよね」

日野:「少し遠くに見渡せるのがいいですね」


 

マップ 徳威神社

最初の目的地は、吉田地区の氏神様 徳威神社。

徳威神社

博美さん:「わたしたちは周布の中の周布という地域やから、氏神さまはこの後行く『周敷(しゅうしき)神社』なんよ」

※現代は「しゅうしき」と読みますが、祝詞では「すふ」と読みます

お詣りするお2人

歴史は古く、できたのは(創祀)487年と伝えられています。
ここでの雨乞いが成功したことにより、伊予の国の守護 源頼義(988-1075)より「天の下 収まる社の徳威にて めぐみへだてぬ神ぞこの神」の和歌とともに、土地70町歩(21万坪。約64,000平方メートル)の寄進を受けたとあります。

お詣りをしたら、吉田地区をさらに歩きます。

ネコのあしあと

プランターの花

セメントについた猫の足跡や季節の花。これから何が見られるんだろうとワクワクします。


マップ 吉田さくら

中山川の「吉田土手の桜並木」に到着しました。

吉田河原の桜並木

公民館と生涯学習推進委員会により設置された看板には

昭和35年、青年団や吉田地区の人々が土手に染井吉野の桜を植え、下草刈や病虫害防除など桜の木を大切に保護・管理して育ててきた。(略)
霊峰石鎚を望み、中山川の清流に映えて東予地方の桜の名所となり、花の季節には多くの花見客で大変賑わっている。(略)吉田地区の人々に感謝するとともに吉田地区のこのみごとな天然記念物の桜並木を長く大切に守っていきたいものである。

と書かれています。

この見事な桜並木は、平成8年には(財)日本さくらの会からも表彰されました。

この日はいくつかの花がまだ開花したばかり。

開花した桜

日野:「わ、博美さん、ここ咲いとります!」

博美さん:「あらぁ、ほんと。ここが最初かな。きれいね」

見上げる博美さん

桜の下のベンチでは、近所で働く方が休憩していました。こんなみごとな桜の近くでの生活、うらやましいです。
地元のお世話あってこそですね。

近くのおでん屋さんは、サッカーJ1で活躍中の川又選手のおばあちゃんのお店。選手の投稿もこの春話題になりました。

博美さん:「今、ここはお花見する人が減ったよね。昔はもっともっと人が来てたんよ。みんな子どもを連れて。

ここのおでん屋さんも鍋を持ってたくさん買いに来たりね。時代の変化なのかな」

日野:「そうなんですね。私は大人になってから田舎に帰ってきて、外で食べるごはんのおいしさや季節行事の楽しさがやっとわかりました。自分に子どもがいたら地域の季節を一緒に楽しみたいな」


山なみとお2人

しばらく土手沿いを歩きます。鈴木館長と博美さん、旅行の思い出など昔話に花を咲かせていました。


土手から降りたところにビニールハウス。中には何が?気になって声をかけます。

日野:「すみません~。ここでは、何作られよんですか?」

男性(青野さん):「これはね、茎わさび。この茎の部分をつぶすと、チューブのねりわさびの原料になるので、メーカーに出荷しよんですよ。ちょっとかじってみますか?」

茎わさび生産者青野さん

日野:「ええんですか、ありがとうございます。(シャリ)お!辛くなくて甘い感じ。でもワサビらしくツンとしますね」

茎わさびをかじってみた

食感はシャキシャキした感じで、ちょっとフキに似ています。わさびをイメージするほどの刺激はなく、思ったよりあっさりと、みずみずしかったです。

こうやって持ってみると、蓮の葉みたい。

博美さん

茎わさびを市内で作っているのは聞いたことがありましたが、ここにいらっしゃったとは!青野さん以外にも氷見や小松の大頭に生産者さんがいるそうです。

余ってしまう葉っぱの部分とともに、市内の飲食店などで活用されつつあるようです。

後日、大規模に生産されている氷見の伊藤さんにお話を伺う機会がありました。

「茎わさびを作って20年以上、当初は1~2年かけて根まで栽培しようとしとりましたが、四国の夏は暑すぎて越せんので、秋~春で作れる茎・葉の生産に舵を切ったんです。
今は、茎専門に生産し、ほぼすべて加工用に出荷。
収穫期は春先から6月下旬ごろまでです。地元西条の小売店に並ぶことはほぼないんですが、ご要望のある飲食店さんにはお分けしていて、わさび漬けなどで楽しめますよ」

とのことでした!

 西条産の茎わさび・葉わさびを見かけたら、ぜひご堪能あれ。


天満宮

そのハウスの近くに(4)天満宮と和霊神社があります。

マップ 天満宮

天満宮は、この地区が成立したことを物語る造営物。江戸時代にこの場所に移設されたよう。

そばの和霊神社は宇和島の総本山より分祀されています。漁業を中心に広く産業の神として、中四国で崇められている和霊信仰。

祭神である山家清兵衛(やんべせえべえ)は、米沢の生まれ。伊達秀宗の元で、産業の拡充、民政の安定に手腕を発揮した清兵衛ですが、元和6年(1620)凶刃に倒れました。その後この事件に関与した者が相次いで海難や落雷で変死したため、人々は清兵衛の怨霊だと恐れ、その霊を城北の地にまつりました。それが和霊神社の始まりです。

宇和島市観光物産協会HPより抜粋


長田大坪

そして、この遺跡「長田大坪遺跡」は、大化の改新後制定された土地区画制度「条里制」の遺構です。

この区画をもとに、税の徴収を行う「班田収授法(はんでんしゅうじゅのほう)」が実施されました。

日本史で習ったことがこんな身近なところで見られるなんて驚きです。今は当時の用途のまま、田畑が広がっていますが、当時がイメージされるようです。


次に行く「滑走路跡」は第二次世界大戦の際に整備された飛行機の滑走路。
実際にはあまり活用されなかったようですが、このように跡とわかる案内があります。

滑走路跡

マップ 滑走路跡

 

日野:「ドーンと広大な土地が広がってて、そう言われればわかるって感じですね」

滑走路跡
陸軍秘匿飛行場・壬生川飛行場で戦争遺跡研究者池田宏信氏によれば、昭和18年6月ごろより工事開始、旧駐在所跡から鴨之窪にかけて幅70~80m、長さ1,500mを陸軍が整備した。
国民学校の生徒、愛国婦人会、中等学校の生徒、地元村人等の勤労奉仕により完成。作業監督の兵士は周布国民学校、黒住教会等に駐屯して建設を行った。
吉井の航空隊関連の滑走路であったがあまり利用されないまま終戦を迎えた。

周布ふるさとこみち より抜粋

あまり活用されなかったと聞いて何だかほっとしてしまいました。

これからも平和な用途に使われ続けてほしいものです。

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