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広報専門員の気ままに西条歩き Vol.24西条地区(前編)
地域のウォーキングレポート第24弾
このコーナーでは、西条市の広報専門員 日野が、市内の校区を一つずつ歩いてレポートしています。ウォーキングコースは全部で25。残すところあと2地区です。
2019年3月7日(木曜日)くもりのち雨
今回は、私の職場、西条市役所本庁がある西条校区を歩きます。近くといえど、めったに歩きはしないコース。はてさて、どんなまち歩きになるかな?
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人口8,202人。世帯数3,703。
西条(西條)という地名は、条里制に基づき、古代からあるという説(上島山より西を西條、その以東を東條という)があるが定かでない。文書で残るのは鎌倉以降。
西条校区の始まりは、西條藩の城下町の始まりでもある。江戸時代初頭(寛永13年)、西條藩初代藩主の一柳直盛が伊勢国神戸(かんべ)の後、こちらに転封となって以降、陣屋や城下町をつくり、今の西条の街の基礎となった。陣屋は現在も、旧西條藩陣屋跡として残り、愛媛県立西条高校が立地する。
現在も官公庁ほか企業、商業施設、住宅街、沿岸部には工場が建ち並び、西条市の中心市街地を形成するエリアである。
まち歩きには、市より発行の「西条市ウォーキングマップ」を利用しています。
西条公民館をスタート地点に始まるまち歩き。喜多館長(左)をリーダーに、ご当地ナビゲーターは、こちら所属のサークル「楽らくウォーク」の皆さんです。
左から喜多館長、山内さん、野口さん、藤下さん、山名さん、真鍋さん
「楽らくウォーク」さんは総勢11名のうち5名が駆けつけてくれました。毎月第二・第四木曜日の午前中が活動日。西条校区以外に住むメンバーもいます。
公民館に掲示されていた活動レポート
コースは例えばこういうところ。
楽しく行け、歩きごたえのありそうなコースを設定し、市内外をアクティブにウォーキングしています。皆さん、ウェアも本格的でカッコイイ!
喜多館長も、今日のために、見どころ別の資料を用意してくれていました。感動!お天気はイマイチだけど気合いが入ります。
喜多:「雨が降りそうなけん、午前中で行けるとこまで行くんでかまんよの」
日野:「はい、お願いします!」
公民館を出て、まずは株式会社クラレさんの西条事業所へと向かいます。
産業道路(県道13号線)を横断。私がのんびり写真を撮っていると、信号が青になった瞬間「はよ行くぞー!」と、館長、ダッシュ。
楽らくウォークの皆さんもキビキビ早歩きやし、私、写真撮りよったら置いて行かれそうじゃ……
産業道路を渡ってすぐ、西条中央病院を通過します。
こちらは、1954(昭和29)年に倉敷中央病院の分院として倉敷紡績株式会社社長、大原孫三郎によって創設されました。この茶色の建物は2015(平成27)年に完成の新病院棟。総合受付はこちらの建物1階にあります。
西条公民館に掲示されていた昔の写真(1937 昭和12年頃)を見てみましょう。写真の右のほうに西条公民館、左の方にこの西条中央病院が現在はあります。
戦前、この辺は一面田んぼ。ちなみに、手前の川は、陣屋跡のお堀から続く本陣川です。
クラレさんのそばまで来ました。
塀の向こうは事業所で、開花を控えた桜の木々が見えます。
楽らくウォークの皆さんは両手にポールを持ち、ノルディックウォーキング※のスタイルで歩いてます。
日野:「ポールを使って歩くと、やっぱりいい運動になるんですか?」
楽らくウォーク リーダーの藤下さんが答えてくれました。
藤下:「そうですね、ポールを使うことで歩きやすくなるし、効果的に全身運動ができるんですよ。“お年寄り”ってイメージの“杖をついて歩く”のとは全然違って、ポールを使うとより歩きやすく、アクティブにウォーキングできるようになるのですごくいいんです」
※クロスカントリースキーの選手たちが、夏の間の体力維持・強化トレーニングとして行なっていた「スキーウォーク」を、ポールを使った簡単な歩行運動として紹介されたもの
クラレ西条事業所に到着しました。「はい、みなさん集まって」と、喜多館長のガイド説明が始まります。
喜多:「こちらには、株式会社クラレの西条事業所とクラレの子会社 クラレ西条株式会社が立地しています。1936(昭和11)年にここでレーヨン糸の生産を開始して以来、西条には欠かせない、地域を代表する企業の1つというのは、皆さんもご存知かと思います。」
クラレ西条ではシェアが世界一のものを作ってます。何でしょう? …正解は、パソコンとかに使われとるフィルム(液晶偏光膜用フィルム)。
あとさっき、桜並木の横を歩いたと思いますが、ここでは毎年4月上旬の平日2日間、『観桜会』※として桜が一般公開されます。1992(平成4)年からとのことです。…はい、以上!次行きます!」
日野:「わ~!あと写真2、3枚撮ってから追いかけます~!」
※観桜会は、2019年は4月3日(水曜日)、4日(木曜日)とのことです。
西条港方面へ進みます。
途中、横目に通過したのは、「港橋」。文字通り港へと続く橋。
大正10年に竣工の、歴史あるモダンな鉄筋コンクリート橋です。
▶詳しくはこちら 「ふるさと探訪」 No.78『港橋』
港の第一岸壁に到着。
喜多:「ここ自体は愛媛県のものですが、管理は西条市が行っております。いったい、どんな船がどれくらい利用しとるかというと、主にさっきのクラレとか、四国電力火力発電所とか近隣の企業の産業用途。去年1年間で、合計65隻の船が入港したそうです。
船ですが、ここ瀬戸内海は遠浅なので、運航する船は底が平たくなっています。そうでない船は立ち往生してしまうんよ」
日野:「お仕事で知りえた情報も多いとは思いますが、細かいところまでよくご存じですね」
喜多:「ん? 最新の情報は電話で調べといたんよ」
日野:「そこまで…!ありがとうございます」
こちらの灯台?のような2基の矢印は、船のための標識。何ものかちょっと調べてみました。
第六管区海上保安本部 六管豆知識「航路標識(海の道しるべ)について」より抜粋
夜になると赤く光るんですが、そのためなんですね。
港の中には小型の漁船がたくさん。
船にまつわる昔のこんなものもあります。
喜多:「これね、常夜灯といいますけど、昔の石鎚山のお山開きのとき、沖からの船はこれを目指して来て、ここらにたくさん船をつけたんだそうです」
日野:「登山者の松明がここからも見えたといいますね」
台座部分には、「石鉄山大權現」※「備前」と彫られていて、この石灯籠が、石鎚を信仰する熱心な岡山の方から寄進されたことが読み取れそうです。
※石鎚山は、「石鉄山」とも表記することがあったそうです。
西条港から港橋方面を望んだ風景。海辺のまちの風情があります。
次のポイントまで少し距離があるので、楽らくウォーク リーダーの藤下さん(左)に聞いてみます。
日野:「楽らくウォークの活動と、西条校区のスポーツ推進員もされてるそうですが、始めてどれくらいになりますか?」
藤下:「もう11年になるんです。学生時代からバレーボールや陸上をやってて、カラダを動かすのは好きだったんですけど。楽らくウォークのサークル活動や、スポーツ推進員として企画するスポーツイベントに参加してくれた人が、体を動かして気持ちよかった!って言ってくれるのが一番うれしいですね」
もうお孫さんがいるとは思えない若々しさは、運動のおかげでもありそう。2017年のえひめ国体キャップをかぶった山内さんもスポーツ推進員です。
山内:「僕は、(スポーツ推進員は)今年から。それまで、校区の体育部長や健康づくり推進員をやってきて、流れのままに(笑)。スポーツはバレーボールをやってきました。色んな活動を通じてつながりができるのが面白いですよね」
産業道路にかかる橋の下では鳩が雨宿り風。この時点で雨はそんなに降ってなかったのですが……。
橋を渡り切ったらすぐ階段を下り、トンネルをくぐります。少し分かりにくいので、初めての方は注意!
再び、次のポイント弘法水を目指して海の方へと進みます。地元客にも観光客にも人気の「マルトモ水産」の前を通過中。晴れた日の大漁旗はインスタ映えかな?
先の方に、ひときわ突き出した突堤があります。こちらが西条の水の名所「弘法水」です。