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広報専門員の気ままに西条歩き Vol.18中川・桜樹地区(後編)
志河川(しこがわ)ダムにやって来ました!
ダイアナ:「思ったより大きいね!黒瀬ダムには行ったことがあるけど、また違う雰囲気と景色ですね!」
日野:「こんなところにこんなダムがあるとか、知っててもなかなか想像がつかんかったね」
西条市ウォーキングマップより抜粋
市民憩いの場というにふさわしく、何か所にもベンチがあり、歩きながら水のそばでくつろぐことができるようです。
私たちは「西出会い広場」の方面から歩いていきました。
ダムの堤は車も通れるようになっています。
山側には、蓄えられた水。静かな湖という感じです。
ダイアナ:「この上でボートとか漕ぎたいね」
日野:「楽しそう。黒瀬ダム湖では釣りしよる人もおるけど、ここでも遊べるんかな?」
反対側から下を見ると、お~、すごーい高度感。放流されたらすごい水の勢いになりそうです。
ここで一休み。ダムに7つある憩いの場の一つ、「見晴らし広場」です。円形のベンチがかわいい。
見上げると太陽がほとんど真上。真夏らしい光が、葉っぱの虫食いの穴も貫きます。
ここから遊歩道を下りると「ふれあい広場」へ繋がっています。
(スマホで写真を撮るダイアナさん)
ぜひ、くつろぎに行ってみてくださいね。
ダムの役割について、詳しくはまたまた水の歴史館を参照してください。
ダムから下りてきて、村なかへ戻ってきました。
ポイント(5)、志川橋を渡り…
(6)の志川堀抜隧道に到着。こちらも水に関連があります。
西条市ウォーキングマップより抜粋
看板から上流の方を見るとこんな感じ。隧道の入口には行かなかったものの、田畑を潤す水の流れの大切さを感じることができました。水に勢いがあり、「ザーッ」という音が一帯に響いていました。
近くにある熊野神社。
ダイアナ:「あまりうまく説明できないけど、神社に行くと日本の『和』が感じられると思います。やっぱりどこへ行っても、必ず神社があるし、大都会であっても、平和で景色のきれいなところに囲まれているので神社は各地の心だと感じます。本当に癒されますね」
日野:「ダイアナは日本の田舎も都市部も見て、本当に幅広く、学術的にも深く知ってるし、考えてるよね。神社かあ、各地にあって、自然や神話の神、実在した人、いろいろ神として祭ってる。八百万の神、日本らしい存在なのかもね」
ここでは、ポイント(7)文台城跡の説明を読むことができます。
この文台城跡は標高約180mで、短時間で行ける場所にはないので説明をしっかり読みます。
文台城跡
伊予の国司 平惟盛の目代は豪族河野通清に敗れて赤滝城にたてこもり、その部下は文台城・大熊城の両城によって河野軍を防いだ。
中山川に流れ込む二つの支流がある一つは鞍瀬川、もう一つは此処志古川である。
それぞれの河口の喉頸にあたる地点であり、両城とも赤滝本城を守る前哨的な砦の役目であったが、激戦の末、城は落ちた。
昭和54年5月 丹原町文化協会
赤滝城というのは桜樹地区の「明河(みょうが)」にあり、「平家の籠城せし処と云ふ」という文献も残っているようです。
熊野神社では、丹原が生んだ偉人、近鉄中興の祖 佐伯勇氏の名前も見つけました。
来た道を戻ってさらに西へ行き、伍霊(ごれい・御霊)神社へと。
ダイアナと手を合わせます。彼女は日本の文化や習慣を理解し、敬意を払います。
伍霊神社の祭神は、後三年の役(1083)の際、16歳で源義家に従い武功をあげた鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)。左眼を矢で射抜かれても屈することなく相手を打ち取った…(!)そうです。
鎌倉や湘南地域一帯を領地とし、鎌倉武士の鑑とされた剛毅、勇名な武将で、全国各地に景正を祀る神社があります。
武将好きには有名な話なんでしょうね。
伍霊神社の近くには、7月下旬にもかかわらずあじさいが咲いていました。山の陰で少し涼しいのかもしれません。
別の日に、資料を借りに中川公民館を訪れると、メンバー勢ぞろい。
とても雰囲気がよかったです!
(左から池内由紀主事、濱井恒孝館長、石川浩二主任主事)
石川さんは、2Fに飾ってある 西条高校書道部の皆さんが、去年中川公民館の文化祭でパフォーマンスしてくれた書道作品を見せてくれました。2017年の全国書道パフォーマンス甲子園で3位を取った霊峰石鎚山をモチーフとしたもので、去年部長を務めた生徒さんが中川在住というご縁だそうです。
今年は残念ながら全国書道パフォーマンス甲子園の出場辞退となりましたが、地元高校として(私は、母校としても)部員の皆さんにはまたがんばってほしいなあと思っています。
作品の前の笹飾りは地域の人や子どもたちによるもの。この後、最後の開催となった「丹原七夕夏まつり」を彩ったそうです。
広報さいじょう2018年8月号特集「積み上げてきたまちの文化 丹原七夕夏まつりの軌跡」
中川は、資料によると昭和の前半まで自給自足に近い、まちの中で生活が完結できるような暮らしだったそうです。
今は、市街地へ働きに出る方も多く、生活スタイルに変化は出ましたが、
「あるものを活かし、工夫して楽しむ」、「地域の皆で団結し、何事も面白がる」ような気風を感じ、とても魅力的に思っています。
ダイアナはどうやった?
ダイアナ:「この地区を訪れるのは初めてで、楽しくウォーキングコースに参加させていただきました!
何よりも公民館の活動によって、地元への愛情がはっきり伝わってきました。やっぱりまちへの愛を感じると、その地域と地元の人ともっと触れ合いたいと思います」
全市的な大きなイベントも楽しいけれど、盆踊りや運動会、文化祭なんかも地域の個性が見えるから、色々な地区で大事にしている行事にも行きたいです。
「自分の地区の行事には、あまり行ったことがない」という方もおられると思います。
でも、もし、「地域に関わってみたい」思いがあるなら、「広報さいじょう」や、折り込みの「公民館だより」に記載のイベントや行事から、いかがでしょうか。
一度自分からドアを開いてみれば、きっと新たな世界が広がっているはずです。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
広報専門員 日野
※情報は取材当時(2018年7月)のものです。
参考
協力:中川公民館
参考資料:西条市ウォーキングマップ、中川公民館だより、中川村歴史と文化財、中川村の父越智茂登太翁、昭和初期の中川こどもの四季、中川地区の伝説、郷土の方言、廃れてゆく村の風習(ならわし)、中川村郷土誌
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