ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 経営戦略部 > シティプロモーション推進課 > 広報専門員の気ままに西条歩き Vol.12神拝地区(後編)

本文

広報専門員の気ままに西条歩き Vol.12神拝地区(後編)

ページID:0067607 更新日:2019年4月1日更新 印刷ページ表示

← 前編に戻る

川上館長が人に会えば、かなりの確率で知り合いやお友達。

ここでも出会いました。

上喜多川の石川博史さん。

「肥料やらなんやら研究して、今年は玉ねぎが大きーにできよるんよ。
できたら、公民館に持っていこわい」

石川さんと館長

後日、お約束通り、公民館に直径15cmはある玉ねぎを持ってきてくれ
私もおすそ分けをいただきました。

(これです)
玉ねぎ

食べ物を作れるってすごい。
西条ではこのようなお金でない、
もののやりとりが頻繁に行われているような。

石川さん、ありがとうございます!


土手に上がると、ちょうど加茂川の鉄橋を
特急電車が渡るところ。

この鉄橋、味があり、ファンの多いスポットです。

あじさいと予讃線

ウォーキングマップでは、
「観音堂のふじ」で有名な
ここ禎祥寺の階段を下りることになっていますが、

禎祥寺

今日はまっすぐ進みます。

木漏れ日が気持ちいい。

館長「この感じ、ええよね~。」

桜並木

見たかったのはこちら。

館長がよく遊んだ「観音水」。
これから行く新町川の源である、うちぬきの湧く泉です。

マップ 観音水

館長「幼なじみに大工仕事の得意な子がおってね、
その子が造った小舟に乗って
観音水に浮かんで遊びよったんよ。
その人は今、だんじりの大工もしよる金森秀夫さん。」

観音水

観音水の付近は石彫などのアート作品も。

伊藤五百亀さんの作品「五月晴れ」の前で
私も撮ってもらいます。

日野「今日は水無月晴れですね~。」

五月晴れ 像

観音水から流れる新町川に沿って、
ここからはアクアトピア水系をたどっていきます。

西條藩の陣屋跡(お堀・現西条高校)まで続く、
水の都・西条を象徴するような2.4kmにわたる散歩道です。

マップ アクアトピア

総合文化会館横の透明な流れ。

「川底の石が、茶色じゃなしに、
きれいな青のところがあろ?
そこから水が湧き出よんよ。」

この青は、伊予の青石の青。
緑泥変岩という種類で、
西条市が産地の希少価値高い石です。

湧水

大小の魚がスイッスイッ。

アクアトピアの魚

「ここらには、(下流の)西条高校の欄干橋の所ら辺から
アユも上がってきよるんよ。

ひとつの水系として、魚が回遊できるんじゃね」


「花時計」を横目に、

花時計

「ホタルの里」に入ります。

先ほどの水は、
石と植物が織りなすせせらぎに変化します。

ほたるの里

かつてホタルがたくさん舞ったこちらは
メディア紹介をきっかけに乱獲され、
今では数匹しか目にしなくなった、と館長。

ただ、前回の壬生川編でも現れた
アオサギが至近距離で見えたり

サギ

絶滅危惧種の「ヒロハヌマゼリ」が
西条自然学校さんの手で移植されていたりと
生き物の住まう水辺の美しさを
感じることができました。

ヒロハヌマゼリ

西条図書館と中央緑地の横を通ります。

2009年完成の西条図書館。市内外から、
休日・平日を問わず多数のお客様に人気の図書館です。

重なり合った切妻屋根は、
西条の山並みを表現しているとのことです。

(霞のない日はこの背後に
きれいに石鎚連峰が見えますよ)

西条図書館

こちらは、「椰(なぎ)の木泉」。
その名のとおり、なぎの木が傍に立っています。

眼の前には総合福祉センターが見えます。

なぎのき泉

福祉センターにこの春完成した水汲み場には、
丸亀市からのお客様。

「3カ月に1度は必ず来てるんですよ、
これがちょうど3カ月ぶん。」

水汲み場のお客様

コーヒーやお料理に、うちぬきの水はいい、
と話されていました。

いつも来ていただき、ありがとうございます。


コースを少し離れて、新町川(アクアトピア)に沿って
福祉センターの遊歩道を歩きます。

マップ 新町泉

福祉センター

このセンターがあった場所は、昔は紙づくりのまちでした。

  神拝地区は、(略)泉が多く、楮(こうぞ)の皮をさらすのに便利がよかった。藩では古屋敷に製紙関係の役所、紙蔵、楮の皮蔵、紙すき長屋を置き、千町山、荒川山、藤の石山の楮を原料として製紙を始めた。

“作られた奉書紙「伊予正(いよまさ)」は名品とされ、大阪に売り、江戸に運んで錦絵を刷った。夜毎に楮の皮を打つ音は四方に響き、太陽に干す紙は、天の香久山に干す衣よりも白かったという。”(『西條誌』)

『西条市生活文化誌』より抜粋

福祉センターの照明は、
ここが紙のまちであったことを偲ばせる
和紙を材料としたものです。

川上館長が編集員として参加した
「市民の手づくり市報『水のハーモニー』」には
このアクアトピアができる以前の
まちづくりに携わった人たちの想いがつづられています。

「親水都市と文化」

西条市は、親水都市として豊かな水を十分生かして、観音水から陣屋跡まで2.4kmに及ぶ池、川、堀をそれぞれ整備しています。 (略) 着々と工事が施工されて、より美しい水景観が演出されています。 (略) 川に沿った散歩道は、水の流れとともに変化に富み、自然の歩行者天国であり、老人も若人も子供も無理なく水に親しみ、美しい景観を育て、自然美と人工美の調和から小さくとも、自然とここから平成時代の夜明けにふさわしい、西条市の文化が生まれてくるのではないかと思われます。

「市民の手づくり市報『水のハーモニー』」
1989(平成元)年3月15日号より

このようなビジョンを描いて、まちづくりをしてくれたこと。
とてもありがたく感じました。

私たちは、先輩方が思い描いたような
文化を育めているでしょうか。


マップ 小学校

そのまま県道西条港線に出て、
神拝小学校の裏を歩いて公民館に帰ります。

神拝小学校

館長「日野さん、これね、
僕が神拝らしいと思う音と景色。」

路地と水路

流れ出るうちぬき

この辺には、庭などにコンクリート製の
洗い場を設けている家庭が多くあります。

井戸からくみ上げたうちぬきの水をためて
洗い物やものを冷やすために利用し、
いっぱいになったら外に流しています。

その水が流れ出るときの、
絶え間ない「ジョロジョロ…」というひとすじの水の音、

こっちの家の横を通り過ぎたら、
またすぐあっちの家の音が聞こえる。

時代は変わっても、この水の景色は
変わらないでいてほしいなぁと思ったのでした。


マップ 公民館

お昼過ぎ、公民館に戻ってきました。

ピンクの大きな建物と、立派なケヤキがシンボルです。

神拝公民館

席に戻った館長と、3人の主事さん
(右から近藤主任主事・工藤主事・服部主事補)。

神拝公民館の職員の皆さん

個性豊かで、仕事のできるチームです。
神拝公民館を訪れた際は、ぜひ頼りにしてくださいね。


市街地のイメージを覆す、
水たっぷり緑たっぷりのまち歩きでした。

川、泉、用水路。
アクアトピアの整備されたせせらぎ
大きな流れに小さな流れ、水面のきらめき。
いろんな水に出会ったなぁ。

この日から、水のことをより考えるようになりました。

「水道代がかからない地域がある!」
「水汲み場の水は無料!」
これらの文句は、西条市のセールスポイント。

しかし、この幸運は永遠ではありません。
特に、恵みを受ける住民の私たちは
その水や源流の山について、もっと勉強せないかんなぁ、と。
そのきっかけとなってよかったです。

もっと詳しく知りたい方は、
ミツカングループが西条市を取材した
「水の文化 事・場ネットワーク」の記事をご覧ください。

皆さんもぜひこのコースを歩いてみてください。
きっと、水と仲良くなった気がするはず。


最近「このコーナー見よるよ!」
と声をかけていただくことがまた増えました。
市内の方が多いのですが、時には遠くに住む
西条出身者の方からも。

この記事と向き合う時間が、
忙しい日常の中で、ふるさとを思い出す
ゆったりした時間になれば嬉しいです。

次回は、庄内地区へと出向きますよ。
どうぞよろしくお願いします。

広報専門員 日野

← インデックスに戻る  ← 前編に戻る

参考

協力:神拝公民館

参考資料:西条市ウォーキングマップ、神拝公民館だより、水のハーモニー1989年3月15日号、西条市生活文化誌

お問い合わせ

・ウォーキングマップについて…健康医療推進課  TEL:0897-52-1215

・地域のことについて…神拝公民館  TEL:0897-53-6946

・この記事について…シティプロモーション推進課 広報係  TEL:0897-52-1204


おすすめイベント