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第15期 西条市ものづくり科学創造クラブ 活動報告
西条市ものづくり科学創造クラブでは、日常生活では体験することのできないものづくり現場の見学や、実験・工作などを通して、子どもたちが自分で考え行動すること、科学的な発想や創造性豊かな人間性を育むことを目的として、年間7回の活動を実施しています。
第6回(1月25日)
第6回のテーマは「静電気」。
前半は神拝小学校の渡辺先生による授業を行いました。
初めに、静電気が発生する仕組みを学びました。
下敷きで髪の毛をこすると髪の毛が逆立つ、車のドアに触れるとパチッとなる、など日常生活の中で静電気を感じる場面は意外とあります。実は雷も静電気であるとわかり、クラブ員は驚いていました。
塩ビパイプや下敷きを毛皮でこすり、「箔検電器」という道具を使って、静電気を帯びているか観察しました。
静電気を帯びたものを近づけると、ガラスの中の箔が開きます。
静電気発生装置「バンデグラフ」を使ったり、みんなで手をつないで実際に静電気を感じる実験も行いました。
最初は不安そうな表情を浮かべていましたが、実験は大盛り上がり。楽しそうなクラブ員の姿が見られました。
ビニールのテープでできたくらげを浮かす実験も行いました。
裂いたテープを、毛皮などでこすった塩化ビニルパイプで浮かせます。
うまく浮かなかったり、壁などにくっついたりと苦戦する姿も見られましたが、次第にコツを掴んで長時間浮かすクラブ員も多くいました。
後半は、(株)西条産業情報支援センターの宮川先生による電子工作を行いました。
今回ははんだごてを使用し、静電気に反応して光る「不思議なライト」を作りました。
はんだごてを使用するのは久しぶりでしたが、以前よりも扱いに慣れた様子でした。
完成したライトが髪や服、机に触れると光り、「おもしろい!」と歓声があがっていました。
クラブ員の感想
・静電気と磁石の性質は似ていることが分かりました。 (神拝小学校)
・静電気は、空気清じょう機やコピー機など、たくさんのものに使われていることが分かりました。 (神拝小学校)
・クラゲをつくって、うかせる実験もおもしろかったです。 (丹原小学校)
・工作がうまくできてうれしかったです。 (大町小学校)
・こすったり置いたりすると光るからおもしろかったです。 (飯岡小学校)
第5回(12月7日)
第5回目のテーマは「レーザー」。
神戸小学校の十亀先生による授業、工作を行いました。
初めに、レーザー光がどのようなものなのか、どのような場面で使われるのかを学びました。
レーザー光は、波長などが同じ光を人工的に増幅したもので、レーザーメス、バーコードスキャナ、パソコンのマウスなど、日常の様々なところで役立っています。
光はどのように進むか、鏡に当たるとどのようにはね返るかなど実験も行いました。
工作では、水中マジックカード作りに挑戦しました。
光の屈折を利用したもので、水につけると角度によって、カードに書いた文字や絵が消え、絵が変わったように見えるというものです。
名刺サイズの紙に、水につけたときに消えてほしい字、絵を描きます。その上にOHPフィルムを重ね、水に入れたときに見えてほしい字、絵を描きます。ラミネートし、水につけて上から見ると、光の屈折により、紙に描いた絵や字が見えなくなり、絵が変わったように見えます。
クラブ員たちは、「すごい!」「おもしろい!」とたくさん作っていました。
また、レーザー工房「絆」の辻先生によるレーザー印字の実演も行いました。
レーザーの機械で、木製のキーホルダーに自分たちが描いたイラストを彫っていただきました。
自分たちが描いたイラストが彫られていく様子を、クラブ員たちは夢中で見ていました。
同時に、レーザーはものを切断したりすることができることも知り、正しく使わなければ危険だということも学びました。
クラブ員の感想
・レーザーは身近なところで役立っていると分かったので、さがしてみたいです。 (神拝小学校)
・光が水の中に入るとき、少し曲がって見えることがびっくりしました。 (玉津小学校)
・自分の絵を、キーホルダーにしたり、カードにしたりできてよかったです。 (丹原小学校)
・レーザーの技術をまぢかでみれてよかったです。 (神拝小学校)
第4回(10月26日)
第4回のテーマは「光の波・音の波」。
授業の前半は、神拝小学校の渡辺先生による光の授業を行いました。
はじめに色の三原色、光の三原色について学びました。
色の三原色は色を重ねると黒色に近づいていくのに対し、光の三原色は色を重ねると白色に近づくことが分かりました。
光の三原色はテレビにも利用されているということで、ブラウン管テレビの画面をルーペで観察しました。
テレビは赤、青、緑の3色を組み合わせて物などを表現します。
テレビにビデオカメラをつなぎ、カメラで色画用紙を写します。画用紙の色によって、画面の中の赤、青、緑の光の組み合わせが変わっていく様子を見ることができました。
続いて赤外線、紫外線についても学びました。
家電類のリモコンやストーブ、ゲームの通信など、赤外線は身のまわりのいろいろなところに応用されています。
また、人間も赤外線を出していることが分かり、クラブ員からは驚きの声があがっていました。
ブラックライトを使った実験も行いました。
パスポートや紙幣は偽造防止のために、ブラックライトを当てると一部が光る作りになっています。
実際に光をあて、光る様子を見てもらいました。
他にも、蛍光ペンで描いた絵や、ハガキ、栄養ドリンクも光ることがわかりました。
後半は、周布小学校の今井先生による音の授業を行いました。
音の三要素やスピーカーの仕組みを学びました。
実際にスピーカーを分解し、中がどのような仕組みになっているかを見てもらいました。
「オシロスコープ」を使い、音の波形の観察も行いました。
人の声、ピアノ、ギターなど音によって波形が違うこと、音の高さで波長が変わることが分かりました。
声の大きさを測定したり、音についてのクイズも行いました。
空気のない宇宙では音は聞こえないこと、世界一大きな音は昔にあった火山の噴火の音といわれているということなどを知ることができました。
授業の後は、株式会社西条産業情報支援センターの宮川先生による電子工作を行いました。
リモコンで光る「リモコンライト」作りに挑戦しました。
難しいところは先生や友達に教えてもらいながら、組み立てていきます。
暗いところにリモコンライトを並べ、少し離れたところからリモコンのボタンを押すと、ライトが光ります。
ライトには赤外線の受信機がついており、家にあるリモコンでも光らせることが出来るそうです。
クラブ員の感想
・色と光の三原色がちがうことにびっくりしました。(大町小)
・ブラックライトを当てるとお札、パスポートで目に見えない部分が見えてすごいなと思いました。(西条小)
・人によって声の波形がちがうことがわかった。(神拝小)
・音にはいろんな波形があることがわかりました。(氷見小)
・リモコンライトは遠くからでも光ることがすごいと思った。(神拝小)
第3回(9月7日)
第3回のテーマは「SLや電車など乗り物のしくみについて」。
新居浜工業高等専門学校の吉川先生、谷脇先生にお越しいただき、授業・工作を行いました。
吉川先生の授業では、はじめにアイデアをたくさん出す練習を行いました。
出されたテーマについての答えやアイデアを制限時間内に思いつく限り書き出していきます。
書き出した後は発表をし、答えを共有しました。
ユニークな答えもたくさん飛び出していました。
その後は、物を動かす力やエンジンの違いについて学びました。
乗り物によってエンジンの種類や仕組みが違うこと、回転の力があればいろいろな動きが可能になることなど、クラブ員たちは真剣に聞いていました。
模型を触らせてもらったり、映像を見たりして、乗り物が動く仕組みを楽しく学ぶことができました。
授業の後は、谷脇先生による工作を行いました。
ペットボトルを使ったミニ掃除機作りに挑戦しました。
組立に苦戦する子もいましたが、新居浜高専の学生の方や技術室の方に教えていただき、全員が完成させることが出来ました。
完成したら、ビービー弾をゴミに見立て、掃除機の吸引力を確かめました。
ビービー弾が勢いよく吸い込まれていく様子に、クラブ員たちは大興奮。
勉強した後に、これで消しゴムのかすを掃除する!と意気込んでいました。
クラブ員の感想
・乗り物によって、動くしくみが違う事におどろきました。(大町小)
・ロケットのエンジンは燃りょうを捨てて加速することが分かりました。(神拝小)
・ペットボトルそうじ機を作ってサイクロン式そうじ機の原理などが分かりました。(玉津小)
・ペットボトルそうじき作りはとても楽しかったです。(石根小)
第2回(8月1日)
2回目となる今回は、四国中央市に工場見学に行ってきました。
午前中は、愛媛パルプ協同組合と泉製紙株式会社を見学しました。
愛媛パルプ協同組合では、古紙再生パルプを製造しています。
回収された古紙や牛乳パックを細かく砕いてほぐし、異物や印刷物のインクを除去して、パルプができあがっていく工程を
間近で見ることができました。
その後、泉製紙株式会社へ移動し、トイレットペーパーの製造工程を見せていただきました。
トイレットペーパーは、愛媛パルプ協同組合で製造された古紙再生パルプで作られます。
牛乳パックから作られたミルクパルプを使用すると、やわらかいトイレットペーパーになるなど、古紙の種類によって、
仕上がりの質が違うそうです。
目の前でトイレットペーパーができあがっていく様子に、子どもたちは釘付けになっていました。
見学後は紙のまち資料館に移動し、昼食を食べ、館内も見させていただきました。
午後からは、エルモア株式会社でティッシュの製造工程を見せていただきました。
ティッシュのもととなる原紙を折り重ねる工程や、ティッシュが箱詰めされる工程を間近で見ることができました。
ティッシュが高速で箱詰めされていく様子に子どもたちからは歓声があがっていました。
クラブ員の感想
・紙ゴミ、牛乳パックを再利用して、トイレットペーパーにしているのは、びっくりしました。(大町小)
・毎日使っているトイレットペーパーが完成するまでに、たくさんのこうていがあることが分かった。(丹原小)
・ティッシュがどうやってできているのかが知れてよかった。(丹原小)
・ティッシュペーパーを作るにも箱を組み立てるにも、機械がやっていて、それに速い。(禎瑞小)
・毎日のように使っている紙に、とても興味をもてました。(神拝小)
第1回(6月15日)
第15期西条市ものづくり科学創造クラブの活動がスタートしました。
今年度はクラブ員36名で活動を行っていきます。
はじめに、西条市産業振興課の佐伯課長、クラブの先生方にあいさつをしていただきました。
その後、いよいよ授業スタートです。
第1回目のテーマは「半導体」。
神戸小学校の宮﨑先生による、半導体やトランジスタについての授業を行いました。
半導体とはどんなものなのか、トランジスタはどのような働きをするのか、動画なども見ながら学びました。
みんなで手をつなぎ、豆電球を点灯させたり、ブザーを鳴らす実験も行いました。
人の体をわずかな電流が流れていき、トランジスタのスイッチング作用と呼ばれる働きにより、豆電球が点灯したり、ブザーが鳴ったりします。
クラブ員は大盛り上がりで、楽しそうに実験に取り組んでいました。
また、トランジスタには大きさも形もさまざまなものがあり、パソコンの中心部には約100億個ものトランジスタが使われていることも学びました。
授業のあとは、(株)西条産業情報支援センターの宮川先生による電子工作を行いました。
暗いところで光る「光センサーライト」づくりに挑戦しました。
はんだごてを初めて使うという子も多く、慣れない作業に苦戦する様子も見られましたが、先生方に使い方を教えていただきながら真剣に取り組んでいました。
実際に暗いところに行き、ライトが光ると、クラブ員からは驚きの声があがっていました。
クラブ員の感想
・半導体はいろいろなものにつかわれていることがわかり、とてもおもしろく感じました。(神拝小)
・半導体は電気の流れが一方通行。(三芳小)
・はんだづけをするのは初めてだったから楽しかった。(飯岡小)
・暗いところでついて、明るいところではつかないということにびっくりしました。(石根小)