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Xin chào❣【NHIのLOVE SAIJO Style No.20】日本と違う!ベトナムの小学校のあれこれ
国際交流員NHI(ニー)の「LOVE SAIJO Style」へようこそ!
※ベトナムから来た3代目国際交流員 NHIが西条で体験し、発見したことなどを通して、母国のことをご紹介するページです。
《玉津小学校での学校訪問の様子》
昨年のちょうどこの時期、玉津小学校を訪問する機会がありました。初めて、日本の小学校に行き、子どもたちにベトナムのことを紹介するということで、ワクワクしながら楽しみにしていました。もともと子どもが好きで、日本の子ども向けの教育にも興味があったため、ベトナムのことを紹介しつつ、日本の小学校の様子を見学できたのは、とても貴重で学びの多い経験でした。子どもたちの元気な様子からたくさんのエネルギーをもらい、自分の小学校時代を思い出して、懐かしい気持ちになりました。私自身も子どもの頃、友人とたくさん遊んだり、勉強が嫌になったりしましたが、今思えば、小学校時代は人生で一番楽しかった時間の一つです。今回、小学校を訪問して、その時代に戻ったような気がしました。特に今回はベトナムの小学校ではなく、日本の小学校を訪れたため、さまざまな違いがあり、とても面白い体験になりました。それでは、どんな違いがあったのかをご紹介いたします。
小学校の一般情報
ベトナムの小学校は、日本と比べ学年数が少なく、1年生から5年生までの5年間です。1年生は6歳から始まります。ベトナムの入学式は日本と異なり、毎年9月5日に行われます。学校は2学期制で、1学期は9月から1月まで、2学期は1月から5月末までです。午前中は主要科目の授業が行われ、午後は「復習」と呼ばれる補助授業があります。この補助授業では、主に数学、国語、英語などの勉強を行います。また、教科書と健康保険の費用の5割を学校に支払う必要があります。学期末の試験で、10点満点中5点未満の場合、次の学年に進級できません。8点以上を取ると、表彰を受けることができます。田舎の小学校の設備が十分でないため、体育と音楽の授業にはあまり道具が揃っておらず、日本のような高度な授業はほとんど行われていません。しかし、学校ではダンスや踊りのコンテストが多く開催されており、簡単な体育大会も行われています。
《ソース:Truong Tieu Hoc Quang Cu小学校》
小学校での昼寝
ベトナムの小学校には「お昼寝の時間」があります。学校によって時間は異なりますが、だいたい1時間ほど設けられています。家に帰って昼ご飯を食べる子どもは、そのまま家で昼寝をすることもあります。ベトナム人にとって、昼寝はとても重要で、小学校ではなく、中学校、高校、大学、会社などでも昼寝をする人が多く見られます。学校では、机を寄せて畳を敷いて寝たり、机を片付けてスペースを作って寝たりすることもあります。なぜ昼寝が必要なのかというと、昼寝をすると子どもが元気になり、集中力が戻ると言われているからです。もう一つの理由は小学校の開始時間が非常に早いことだと思います。私の頃は、夏は朝7時半から授業が始まり、冬は7時45分ぐらいでした。こんな早く学校に行くと、昼頃には眠くなってしまいますよね。
《ソース:Thanh Nien 新聞》
夏休みは3カ月もある
ベトナムの学校の夏休みはだいたい5月末から9月の入学式までが夏休みとなり、約3カ月あります。ベトナムの学校には、夏休みと旧正月(テト)の休みしか長期休暇がありません。テト休みは地域によって2~3日程度の差がありますが、だいたい2週間ほどです。夏休みが長いため、田舎から都市部に住んでいる小学生はよく実家に帰省したり、祖父母の家に預けられたりします。夏休みの宿題はあまり多くなく、1週間~2週間で終わる量なので、2カ月半ほどは自由に遊べる時間になります。とはいえ、最近では都市部の子どもたちは塾に通うことが増えており、実際に遊べるのは1カ月ほどだけというケースもあります。それでも、子どもたちは毎年の夏休みをとても楽しみにしています。私自身も、夏休みにはたくさん遊んだりして、学校に戻るのが嫌で泣きそうになった思い出があります(笑)。
給食がある小学校は限られている
ベトナムでは、地域によって給食の有無が異なります。私の田舎の小学校には給食がありませんでした。その理由としては、ほとんど家庭が学校の近くにあり、母親が家で昼ご飯を準備してくれるからです。田舎では、母親が時間を調整しながら、仕事をしていたり、家の近くで働いたりすることが多く、家庭を見ながら家族の世話をしています。昼になると、学校まで子どもを迎えに行き、家で昼ご飯を食べさせ、昼寝をさせるのが一般的です。忙しい場合でも、あらかじめ母親が食事を用意しておき、子どもが帰ってから食べることもあります。弁当を持っていく文化はほとんどなく、もし両親が忙しい場合は祖父母などが手伝ってくれます。家族が近くに住んでいることが多いためです。そのため、田舎では給食のある学校は少ないのです。ただし、ハノイやホーチミンのような大都市では、共働きの家庭が多く、職場が学校の近くにないことや親戚も近くにいないことが多いため、学校で給食が提供されるケースが増えています。
《ソース:Suc Khoe va Doi Song 新聞》
毎日制服を着る必要はない
ベトナムの小学校では毎日制服を着る必要はありません。校則では、月曜日や体育の授業、学校行事がある日にだけ制服の着用が義務付けられています。それ以外の日は、きちんとした服装や学生らしい服であれば問題ありません。そのため、入学式の前には、母親が白いシャツやきれいなジーンズ、靴、帽子などを買ってくれるのが一般的です。ベトナムの制服は、日本のようにフォーマットなブレザータイプではなく、Tシャツ、ズボンやスカート、体育用の服、冬のジャケットなど、比較的シンプルなものが主流です。制服以外にも「赤いスカーフ」と「白い帽子(カ・ノー)」を身につけることが求められます。赤いスカーフは、毎日の午前中の授業時に必ず着用することが義務付けられています。白い帽子(カ・ノー)は月曜日や学校行事の時にかぶります。これらは単なる制服ではなく、「ホーチミン少年先鋒隊」のシンボルです。赤いスカーフと白い帽子を身につけることで、子どもたちは「国」や「ベトナム共産党」、「ホーチミン主席」、そして「英雄的なベトナム人民」への感謝の心を忘れないようにするという意味が込められています。この精神は、将来「ホーチミン共産青年団」の一員として活躍するために、学業や道徳をしっかりと身につける努力をするという決意の表れでもあります。
ベトナムの中秋節【月まつり】イベントについて
ついでに、9月27日(土曜日)の10時から13時まで、SAIJO BASEでベトナムの中秋節【月まつり】イベントを開催します。ベトナムの子どもの遊びや月まつりの文化に触れ合う機会です。今年のイベントではミャンマー、フィリッピン、日本の遊びも登場するので、たくさんの遊びを体験できます。詳細は西条市国際交流協会のホームページご確認ください。子どもの皆さん、ぜひ遊びに来てくださいね。ご参加をお待ちしておきます。