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Xin chào❣【NHIのLOVE SAIJO Style No.18】4つのポイントで簡単にベトナムの歴史を理解

ページID:0123401 更新日:2025年8月13日更新 印刷ページ表示

       国際交流員NHI(ニー)の「LOVE SAIJO Style」へようこそ!

※ベトナムから来た3代目国際交流員 NHIが西条で体験し、発見したことなどを通して、母国のことをご紹介するページです。

歴史紹介

《講演の様子》

 「ベトナムの歴史」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持たれますか。「植民地時代」、「ベトナム戦争」、「枯葉剤」、「サイゴン」などのキーワードを思い浮かべる方も多いかもしれません。実は、ベトナムの歴史はとても長く、複雑で、そして誇り高いものです。5月に西条市国際交流協会の総会で、私はベトナムの歴史紹介の講座を担当させていただきました。少し堅いテーマではありましたが、ベトナムの歴史を基本的な視点からわかりやすく紹介する機会となりました。今回の記事では、講演の中から特に伝えたい「4つのポイント」を厳選し、ベトナムの歴史の一部をご紹介します。どうぞご覧ください。

ベトナムは約4000年の歴史を持つ国

 現在のベトナムは、南北に細長く伸びたS字型の形をしていますが、歴史では北部から文明が始まり、徐々に中部・南部へと広がっていきました。伝説によれば、ベトナム最初の国家「ヴァン・ラン国」は紀元前2879年に建国されたとされています。この建国神話は、民族としての誇りと起源を語るものであり、今でも多くのベトナム人にとって大切な存在です。以後、数々の王朝が興亡を繰り返しながら、独自の文化や政治制度を築きました。約4000年にわたる歴史の中で、ベトナムは地理的にも文化的にもアジアの十字路に位置し、他国との交流や影響を受けつつも、独自のアイデンティティを守り続けてきました。こうした長い歴史を背景に、現代のベトナム人は「自分たちは歴史ある国民である」という強い誇りを持っています。

傷痍軍人

《名も知らぬ烈士たちの眠る廟・国の自由の礎となった前代の英霊たち》

他国の支配と戦いの歴史

 ベトナムの歴史は、他国からの侵略や支配、そしてそれに対抗する独立運動の繰り返しでもあります。約1000年にわたる中国の支配を受けた時代は、文化や政治制度に大きな影響を与えましたが、同時に民族としてのアイデンティティを守り抜く努力も続けられました。その後、19世紀にはフランスの植民地となり、言語・建築・教育などに西洋的な要素が取り入れられました。しかし、フランス支配に対する抵抗も強く、20世紀にはついに独立を勝ち取りました。さらに、その後はアメリカとの激しい戦争も経験し、国内外に多くの犠牲をもたらしました。この戦争は世界的には「ベトナム戦争」として知られていますが、ベトナムでは「アメリカ抵抗戦争」と呼ばれています。それでもなお、ベトナム人は幾度となく立ち上がり、祖国を守るために努力を重ねてきました。こうした歴史は、今日のベトナム人の強さや団結力の源となっており、誇り高き精神に結びついています。

君主制とグエン朝の遺産

 長い歴史の中で、ベトナムには数多くの王朝が存在してきました。中でも、最後の王朝である「グエン朝(1802年~1945年)は、今のベトナム文化や建築に大きな影響を与えました。首都は中部のフエに置かれ、壮麗な王宮や寺院、王族の陵墓などが築かれました。これらは現在も保存されており、ユネスコの世界遺産にも登録されています。フエの建築様式は、ベトナムの伝統的な美意識と中国やフランスの影響が融合した独特なものであり、多くの観光客を魅了しています。グエン朝の時代には、教育や科挙制度、文化事業も発展し、現代ベトナム社会の土台が築かれたとも言えます。王朝は第二次世界大戦後に終わりましたが、その歴史的価値と文化遺産は今も人々に受け継がれており、ベトナム人のアイデンティティの一部となっています。

フエ 王宮

《世界遺産・フエ王宮の正門(1993年登録)》

現代のベトナム:国際的なパートナシップと発展

 1975年の戦争終結以降、ベトナムは戦後の復興と経済成長に取り組んできました。1986年から経済の自由化政策「ドイモイ(刷新)」を導入し、外国資本の受け入れを積極的に進めることで、急速な発展を遂げました。日本、中国、アメリカ、韓国、インドなど多くの国と経済・外交面でのパートナーシップを構築し、現在ではASEAN地域の中でも注目される成長国の一つとなっています。特に若い世代の教育レベルは年々向上しており、IT・製造業・観光業など幅広い分野で人材が活躍しています。日本との関係も非常に良好で、多くのベトナム人が日本で働いたり留学したりしています。今後のベトナムは国際社会の中でさらなる役割を果たす存在として、ますます期待が寄せられています。

ベトナム発展

《ベトナム中部・ダナン市の夜景に見る現代都市の姿》

  ベトナムは長い歴史を経て今の発展があります。これからも日本と交流を深めながら、互いに学び合える関係を築いていきたいと思います。皆さまにベトナムの魅力を知っていただけたらうれしいです。


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