東日本大震災の被災地視察報告（平成23年3月23日～29日）

東日本大震災の被災地視察報告

　西条市では、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の災害を教訓として、当市の今後の防災対策への取組みに生かすべく、市防災対策顧問の左官正雄氏と危機管理課職員を3月23日から29日の間、岩手県、宮城県、福島県の被害の大きかった被災地に派遣し、被災情報の把握に努めましたので、市民の皆さんにお知らせします。

視察行程

3月23日　西条市発
3月24日　宮城県気仙沼市、岩手県陸前高田市
3月25日　宮城県南三陸町、宮城県石巻市
3月26日　宮城県女川町
3月27日　宮城県仙台市、宮城県名取市、福島県相馬市
3月28日　福島県相馬市、福島県いわき市
3月29日　西条市着

被災地を視察して「町が消えた！津波の脅威」

　平成23年3月11日14時46分頃、マグニチュード9.0の巨大地震が三陸沖で発生。このたび、この大震災の被災地を視察しました。
　被災地の被害は想像を絶するほど甚大なものでした。被災された多くの方々に対し、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
　今回の大震災の特色は、津波が東日本太平洋沿岸の広範囲に甚大な被害をもたらしたことです。津波は、想定された規模をはるかに超え、津波避難場所となっている所をも呑みこみ、多くの人々や家屋等を押し流し、その被害の大きさは一地方自治体のみでの対応を困難なものにしています。
　被災した町で見せつけられた現実は、「町が消えた」という表現そのもののように、一様に建物のほとんどが津波に押し流され、遠くまで見通せ、そこにあったはずの町そのものが無いということです。また町には生活の音が消え、人々の話し声などは無く、時折救援活動等の重機やヘリの音が聞こえるのみの静寂な世界となっています。日々営まれていたであろう生活はそこにはありません。町が無くなり、いまだ行方不明の方が多数おられ、船が陸地で車が海、農地が海水に水没しているなどの状況からは、生活の再建の厳しさを感じざるを得ません。
　さらに被災地やその周辺では、ライフラインが止まり、食糧や燃料が不足し、気温が氷点下まで下がる雪の中で十分な暖房もなく、着の身着のままで避難された方も多く避難生活は厳しい状況にあります。特に高齢者にとっては厳しい環境での避難生活となっています。しかし、そのような中にあっても被災地の人々は、節度を守り、秩序正しく、劣悪の環境に耐えながら互いに助け合い、励ましあいながら頑張っておられます。
　この震災を通して、今私たちがやらなければならないことは、自分にできることで被災地の人々を支援すること、近い将来発生すると予測されている南海地震への備えにしっかりと真剣に取り組むことではないでしょうか。
　東日本大震災の被災地が、一日も早く復興されることを願って、視察報告とします。

被災地写真

宮城県気仙沼市（3月24日）

想定を超える津波の被害を受けた街	南気仙沼駅の被災状況
港に打ち上げられた船	地震後の火災により甚大な被害を受けた鹿折地区

岩手県陸前高田市（3月24日）

海岸付近の被災状況	被災した陸前高田市役所
被災した街	市立第一中学校の応急仮説住宅建設の様子

宮城県南三陸町（3月25日）

海岸付近の被災状況	骨組みだけになった南三陸町防災対策庁舎
3階建て建物の屋根に残る津波の痕跡	自衛隊が設置した仮設橋梁

宮城県石巻市（3月25日）

打ち上げられ道路をふさぐ船	津波後、火災により甚大な被害を受けた門脇町地区
陥没した道路	打ち上げられた大型船

全国から集まった緊急消防援助隊と自衛隊（石巻市総合運動公園）

宮城県女川町（3月26日）

海岸付近の被災状況	被災した女川町役場
津波によって倒された鉄筋のビル	津波に押し流された電車

福島県相馬市（3月27日～28日）

想定外の津波被害を受けた磯部地区	原釜地区の津波被害
海水が残ったたままの水田	津波による被害を受けた原釜尾浜海水浴場
西条市からの救援物資を積んだトラックが到着	救援物資搬入の様子

福島県いわき市（3月28日）

四倉港付近の被害状況	信号機が止まり危険な状態の交差点

道の駅「よつくら港」の被害

ガソリンスタンド付近の給油順番待ちの渋滞（3月24日）

岩手県一関市

宮城県気仙沼市