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広報専門員の気ままに西条歩き Vol.21橘地区(後編)

ページID:0049735 更新日:2018年12月3日更新 印刷ページ表示

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社務所に入ると、職員の方々が笑顔で迎えてくれました。岩本 昌美さん(右)と、西 直子さんです。

岩本さんは、NPO法人「石鎚森の学校」で、自然保護や自然観察会などの取り組みもされています。そちらでは、通称“キャロライン”。ぜひ声をかけてみてください。

神社会館にて

さらに奥にきれいな本殿があるのですが、今回は立ち寄らず次のポイントへ。


マップ だんみかん

みかん畑や木々に囲まれた下り坂を進みます。

だんみかん

こちらのみかんは「だんみかん」。橘の、この地域で採れる、おいしくて甘いみかんです。「だん」は、「旦」と書き、この西田地区のことを表しています(私は段々畑の「だん」だと長年思っていました…)。

そういえば、愛媛と聞いて、「段々畑のみかんの木」をイメージされる方も多いと思いますが、東予地方では、大きな産地の南予ほど多くは見られないんですよね。

以前、県外の方にこのだんみかんを贈って喜ばれたこともあります。愛媛といえばみかんなので、地元西条のものを贈れるというのは、やはりうれしい、と思いました。


次に行ったのは石がゴロゴロ。いくつかは塔の形をしています。「西泉経塚」というらしいです。

川上:「天正の陣で討死した越智信濃守の墓ではないかといわれていますが、真木一族が聖地にして守り通してきたところです。ちなみにこの西泉地区には『真木』という苗字が多いんよ」

西泉経塚

マップ

裏道を西に進むと、橘小学校に。明治8年の開校だそうです。

橘小学校

小学校から少し南東(西泉西組)には、大師堂が。弘法大師をおまつりしていますが、地元の人は「種播(たねまき)大師」と呼んで信仰しているそう。

背後には、だんじり小屋も見えますね。

大師寺

祭りの前なので、「多天満都留(たてまつる)」と書かれたこのような幟が各所ではためいています。祭りの到来を告げる景色はたくさんありますが、私は特にこれを見るとウキウキします。

祭りの幟

小学校の横の道へ戻り、坂道を南へ。「坂元」地区に入ると、また田んぼの黄金色が迎えてくれます。

川上:「今この道が主要な道になっていますが、これは農免道路として僕が小学校卒業以降に造られたんよ。それまでは、橘小に通うのに、家と家の間の細い通学路を通ったものです」

坂元への道

日野:「そうなんですね。坂元には私の同級生も住んでました」

と話していたら、なんとその同級生のお父さん 松島 康馬さんが農作業中。今では珍しくなった、刈り取った稲を束ね、稲木にかける作業が終わったところでした。前掛けのエプロンがお洒落。

松島さん

みなさんは、稲木を見たことがありますか?
お米は、稲刈りのあと、乾燥する必要があるのですが、現代は機械でやるところがほとんど。
このように束を木に掛けると自然に天日干しができ、茎の部分の養分がコメに行くため、よりおいしくなるのだとか。

手間がかかった分、おいしくなるんですね。

松島さんと、娘さんたちのことなど世間話をして、次のポイントへ向かいます。


次は、このコースで最も標高の高いスポット「天満宮(てんまんぐう)」。

マップ

「坂元の天満神社」として、隣の校区・氷見小学校に通った私も、学校行事で行ったことがある、橘地区を代表する場所。「天満宮」という名だけあって、菅原道真公を祀っています。

そして有名なのが、この愛媛県指定天然記念物のクスノキの巨木。

川上:「これ見て。伸びてきた枝が重さに負けんように、支柱がしてあるんよ」

日野:「うわっすごい。二本もありますね」

天満宮のクスノキの支柱

幹回り990cm、昭和31年に県天然記念物に指定されました。田野の土居の大グスに次いで、市内で2番目に大きな木です。

この日は橘小学校の1年生が校外学習に来ていました。クスノキの大きさ、伝わるかな?

楠と子どもたち

1年生たちは、「秋を見つけよう」というテーマで、校外学習中。色づいた葉っぱや木の実を探しています。

赤い落ち葉と子どもの手

神社のすみずみまで探し、きれいな落ち葉やドングリを見つけては大喜び。みんなに、見つけた秋の便りを見せてもらいましたよ。はいポーズ!

橘小1年生

日野:「みんな、ありがとうございました!」


高台にある坂元の地域からは、瀬戸内海まで見渡せます。この日は曇っていたので海はハッキリ見えませんが、海岸線はこの通りうっすらと。

坂元から見た田んぼ

川上館長もこの眺めが好きだと言います。

川上:「山が近いけん、西条市のシンボル石鎚山は見えない代わりに、こうやって田んぼや街を見渡せるのが、橘らしいなと思いますね。自分が見て育ったからひいき目に見とるんかもしれんけど」

日野:「この景色は後世まで残ってほしいですね」


この坂元地区、その西の北山地区は若い夫婦などによる新しい住宅も増えています。

川上:「親と同居していた子どもが家庭を持ち親元を離れ、このあたりに家を建てるケースが多いですね」

こちらにも、そんな方が。

さとみさん

花壇に秋のお花を植えているところを撮らせていただいたのは、川上沙斗美さんです。なんと、偶然にも川上館長の息子さんの奥様でした!そして、私の氷見小学校の後輩でもありました。

この距離感が、地元らしいなぁと感じます。どこかでつながっている。

日野:「まさか身内の方に会うとは思いませんでしたね」

川上:「実はさっきの1年生の中にも私の孫がおったんよ」

日野:「えー!」


天満宮からまっすぐ下りた道を右に折れ、「千人塚古戦場」を目指します。

マップ 千人塚

途中でまた館長のお知り合いに出会いました。こんにちは!

畑で作業をしていたのは、伊藤正弘さん・光枝さんご夫妻。正弘さんは某大手企業に勤め、西条にUターンしたばかり。

正弘さん「堺、東京、博多、山口、防府、宇部、茨城の土浦など、入社以来ずっと転勤を繰り返してね、県外におったんよ」

日野「長年のお勤めお疲れ様でした。光枝さんもずっと一緒に?」

光枝さん:「そう、ついて行ってました。今は家庭菜園の世話をしよるところで」

日野:「夫婦円満で素敵ですね。ぜひお二人の写真を撮らせていただけないですか?」

光枝さん:「そうやねえ…恥ずかしいけど、県外にいる子どもに見てもらえるなら…」

ということで、はいチーズ!

伊藤さんご夫妻

正弘さん:「これからどこいくん?ああ千人塚、そこやね。行ってらっしゃい!」

支え合う姿が印象的な、仲睦まじいお二人でした。

マップ

次のポイントはここ、「千人塚」です。

千人塚

千人塚は首塚とも呼ばれ、野々市ヶ原古戦場の中心的な塚であります。天正の陣は始めから勝ち目のない戦いでありましたが、郷土の武士たちは義理を重んじ名を惜しみ、名を後世に残そうと10倍もの敵兵に立ち向かい、勇戦奮闘して討死し、武士道を全うしました
小早川隆景は、死体六百人余りを首実検して一墳に埋め懇ろに葬ったと言われますが、これが千人塚です。

なお、この野々市のまちの歴史は比較的新しく、

天正の陣の頃の野々市は荒れ果てた石ころだらけの川原と雑木林の原生林でありました。天正の陣以降いち早く入植した人々は、荒れ果てた土地の開墾や整地に大変苦労があったものと思われます。

「橘の歴史・文化財探訪」No.55より

という記述もあります。

マップ

また、近くの野々市集会所には、日清・日露・太平洋戦争で命を落とした103名の方をまつる碑が立っています。

橘校区では、毎年秋分の日に慰霊祭を執り行っています。

野々市集会所石碑

野々市集会所から東に歩くと、井戸端会議中のおばあちゃん。

杉森 サカヱさん(中央・94歳)と伊藤 千恵子さん(右・86歳)です。

杉森さん、伊藤さんと

日野:「お二人とも、お元気ですね!」

川上:「杉森さんは、大正琴やいろいろなサークルに入っとって、公民館もよく利用してくれよんよ。今は体操サークルの『こまどり』に入られてて、毎週会ってます。」

この秋の文化祭でも舞台に立たれるとのこと。とても活動的で素敵です。

杉森:「あなたは今何をしよるん?」

日野:「取材で、橘地区を2,3時間歩きながら写真を撮りよんです」

杉森:「大変ですねえ。こちら、館長さん、よいよー(とても)ええ人で」

日野:「お二人とも、お祭りも楽しんでくださいね」


最後はコースを少し外れます。

マップ

「宇賀神社」をお参り。こちらも幟がはためいています。

宇賀神社

公民館の手前のJA西条 橘支所には、休憩中の支所長 阿蘇一弘さんが。

JA西条橘支所阿蘇さん

地元は、先ほど行った石鎚神社のお膝元西田地区とのこと。

阿蘇:「今年、だんじりの大改修を終えて、この前お披露目をしたとこ。相当大変やったね、自分の中の祭りをやりきった気分」

日野:「お祭り本番で、リフレッシュした西田だんじりを見れるの楽しみにしとりますけんね」


古代からの名前を大切にしている「橘」地区。

植物の名前のまちのとおり、農作物や草花からは季節を感じることができ、高台の集落からは平野部を見渡すことができました。

お祭りでだんじりが通る旧道沿いには、昔ながらの家並み。程よいアップダウンもあり、歩くのが楽しいところでした。

最後になりましたが、今回の執筆には「橘の歴史・文化財探訪」が大活躍しました。

表紙 橘歴史冊子

こちらは、5歳から18歳まで橘校区に暮らし、西条の歴史にとてもお詳しい元教員の萬條 克己先生が著した冊子。

これまで各公民館でたくさんの冊子を見せてもらっていますが、1つのテーマをかなり深く広く掘り下げていて、ボリュームも70ページ以上あり、トップレベルの充実度。「ふるさと橘」への愛情があふれた一冊です。

萬條先生は冊子完成後から今もずっと、途切れることなく、地域行事などを通じて橘地区に関わっておられ、川上館長はとても感謝されているとのことでした。

みなさんが「ふるさと」と思える地域は、どんな風景でしょうか。

ぜひ、橘地区にもウォーキングをしに行ってみてくださいね。

今回も最後までお目通しくださり、ありがとうございました。

※情報は取材当時(2018年10月)のものです。

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参考

協力:橘公民館

参考資料:西条市ウォーキングマップ、橘公民館だより、冊子「ふるさとたちばな」、橘の歴史・文化財探訪冊子

お問い合わせ

・ウォーキングマップについて…健康医療推進課 TEL:0897-52-1215

・地域のことについて…橘公民館 TEL:0897-57-9543

・この記事について…シティプロモーション推進課 広報係 TEL:0897-52-1204


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