本文
第3回「千の風になったあなたへ贈る手紙」の表彰作品全15作品を掲載します。ぜひご覧ください。
※住所、年齢は応募時点のものです。
天国の父へ……福田 好子(群馬県館林市・49歳)
障がい者の父が恥ずかしく、冷たい言葉をかけた事もあったが、障がいがあっても誰に対しても、気さくで明るい父に育ててもらったことを心の底から誇りに思い、ずっと言えなかった感謝の言葉を伝えた手紙。
私は父に対して言ってしまった言葉を、長年にわたり後悔してきました。今回、この事業のことを知り、迷わずペンを執りました。手紙をポストに入れた時、なぜか清々しささえ覚えました。文字の読めない父ですが、私の気持ちは届いたと感じることができました。このような素晴らしい機会を頂けたことに、深く感謝致します。
昭和も遠くなったね、母ちゃん……阿部 松夫(新潟県柏崎市・78歳)
人のために尽くし、分をわきまえた生涯を貫いた母のような生き方は昭和とともになくなってしまったが、母が背中で示してくれた教えを兄弟姉妹大事に守っていくことを誓った手紙。
人は誰しも、わが母こそ日本一の母との思いを胸に秘めております。私にとって平凡に生きた母の思い出もまた、その通りなのです。
戦後の貧しいわが家を支えたのは母の力であり、また越後の田舎には、無償の行為に生きる母のような女性が数多く見られました。
母の死はそんな懐かしい昭和の終焉を告げるように思われたのです。
「バイバイキーン」と書き遺した娘へ……伊藤 富貴子(宮城県仙台市・76歳)
順風満帆な日々が一転、脳腫瘍の診断そして余命宣告を受けた娘。さらに、東日本大震災が発生し、娘の心に大きなショックを与えたが、子どもと見ていたであろうアニメのキャラクターの台詞を用いて別れの言葉とした娘に、母からの近況報告を綴った手紙。
別れの言葉を託された姉から初めて白いポストの話を聞きました。天国の敬子に手紙を書く?つたない文章でしたが敬子に届きますようにとの想いだけで投稿しましたら受賞の知らせ。嬉しいやら恥ずかしいやら悲しいやら胸一杯でした。今日、この頃は白いポストのおかげで元気が甦ったようです。すばらしいプロジェクトをありがとう。
惑星……吉川 和代(北海道札幌市・53歳)
組曲「惑星」を聴きながら、「もうすぐ俺が行くところ」と呟いた夫。この呟きからほどなくして本当に宇宙へ行ってしまった夫へ、二人の思い出を辿りながら、またいつか会える日を信じて待つ妻からの手紙。
この度は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございました。手紙を書くのは昔から好きで、今でも遠方の友人とやり取りをしていますが、思えば主人に宛てて書いたことはありませんでした。賞をいただいて、主人から返信があったみたいで感無量です。これからも「千の風になって」の歌の力、書く力を信じ続けていきます。
娘へ、二つのありがとう……名雪 徳助(茨城県つくば市・76歳)
闘病中には、本来親が示す終末の態度を教えられ、今は、孫へ娘の全てを報告できる日を考えるだけで生への活力がみなぎってくる。「死に様」を教えられ、「生きる力」を与えてくれている娘への感謝を綴った手紙。
娘は生きた証に息子を、デザイナーとして数々の作品を残した。病床では、優しさ我慢強さで終末の姿を教えてくれた。「34年間、常に前向きで充実した人生だったね」と讃えたくて手紙を書いた。それが西条市賞になり、感謝でいっぱいです。樹になり花になり風になった娘が応援してくれたのでしょう。三つめの「ありがとう」
風のあなたに逢いたくて……野地 道子(東京都新宿区・73歳)
兄貴……玉置 順三(兵庫県神戸市・76歳)
枯れない花……長友 和久(熊本県熊本市・34歳)
ごめんやで!……原園 千尋(滋賀県湖南市・60歳)
お父ちゃんへ……和井田 勢津(青森県八戸市・64歳)
大好きなお父さんへ……中部 敦子(奈良県吉野郡東吉野村・64歳)
涙色の花束バスケットとロシアンブルー……川口 愛子(埼玉県行田市・57歳)
とうちゃんがいっぱい……江國 千春(岡山県岡山市・54歳)
お母さん、ごめんなさい……服部 侑真(東京都世田谷区・18歳)