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永納山城跡国史跡指定10周年記念シンポジウムを開催しました
去る平成27年9月26日(土曜日)、西条市中央公民館において標記シンポジウムを開催しました。
このシンポジウムは、永納山城跡の国史跡指定10周年を記念して、市民の皆さんと永納山城跡のこれからを考えるもので、日本考古学協会会員で俳優の苅谷俊介先生の記念講演と有識者によるパネルディスカッションを行いました。
シンポジウム資料集 [PDFファイル/8.81MB]
記念講演
「神籠石(こうごいし)系山城の源流を求めて」と題した苅谷先生の講演では、神籠石系山城の築城技術の源流は高句麗にあると想定、その築城は斉明天皇(655~661年)即位段階から開始されたのではないか、との考察が述べられました。
パネルディスカッション
市教育委員会による永納山城跡の概要報告の後、パネリストである岡山理科大学教授亀田修一先生と元ソーシアル・リサーチ研究会代表白石成二先生のお二人から、「朝鮮半島と日本列島の古代山城」、「永納山城と古代伊予国-南海道駅路と伊予国府-」と題してそれぞれ個別報告をいただきました。
亀田先生は、朝鮮半島と日本の古代山城を紹介、その類似点や相違点を、また白石先生は、伊予国に永納山城跡が築かれた原因や、伊予国府・南海道の関わりを述べられました。
報告の後、愛媛大学名誉教授下條信行先生をコーディネーターとして、苅谷先生、亀田先生、白石先生そして市教育委員会の永納山城跡調査担当者を交えて討論を実施しました。
討論では、九州・瀬戸内の古代山城の違いや、各報告の事実関係などを議論、250名余りが参加したシンポジウムも盛会のうちに終了しました。
今後に向けて
永納山城跡は今年度中に保存整備計画を策定する予定であり、今後は計画に基づいた整備を行っていく事になります。
また平成28年度には、永納山城跡のような古代山城が所在する自治体が一堂に会する「古代山城サミット」が西条市で開催されます。
これは貴重な歴史文化遺産である古代山城を通じて文化財保護意識の高揚を図るとともに、地域活性化やまちづくりを行っていこうとするものであり、永納山城跡を整備していくうえで貴重な機会となります。詳細が決まり次第広報やホームページ等でお知らせします。
永納山城跡について詳しく知るにはこちら