本文
うちぬきの分布
-うちぬきの分布
加茂川
水源かん養作用をもつ豊富な森林資源に恵まれていることもあり、加茂川は流路延長約33km、流域面積200平方kmを有しています。山麓付近の扇状地では一部天井川となり、また急流河川でもあることから、河床堆積物がレキを多く含む砂レキ層で構成されているため、表流水はきわめて浸透しやすくなっています。
この表流水は、武丈公園付近から古川橋上流部の区間で浸透し、広範囲で豊富な地下水帯を形成しており、洪水時などの豊水期を除き、河口まで到達することが少ない河川となっております。
地下水盆
地下水盆とは、地下水を貯留する水瓶のことで、加茂川水系の地下水盆は、岡村断層と推定断層とに挟まれた地域と、推定断層より海側の地域とに二分されています。
地下水盆の内部構造は、極めて水を透しやすい礫でできた帯水層が上部と下部に分かれており、難透水層に挟まれた帯水層の地下水が被圧地下水となっています。
湧水群
加茂川扇状地の先端部付近には、多数の湧水群が弧を描いて分布しており、加茂川右岸側には、観音水、三軒家泉、天皇泉、松ノ木泉などがあって本陣川、御舟川、サラサラ川の源となっており、また左岸側には、蓼原泉、中西の清水、万頃寺泉などがあります。
自噴地帯
自噴地帯は、加茂川扇状地より下流側の被圧地下水のある地下水盆の上に位置し、東西約5,600m、南北約400m~2,200mの加茂川両岸にまたがる面積約800haの範囲で、市内各地に約2,000本のうちぬきが点在しています。
また、臨海部には、潮の干満差により自噴する地域があります。