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広報専門員の気ままに西条歩き Vol.10大保木地区(後編)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年2月24日更新

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山の小さな谷筋に、「木製ダム」を見つけました。

見ての通り木で作られたダムです。
ここ大保木の間伐材や岩石を利用しています。

土砂の発生源に近い部分に設置されていて、
ダムが石や砂・泥など固形物をせき止め、
水のみが流れ落ちるようにしています。

こうすることで、
土砂が雪だるま式に大きくなることによる
被害を食い止められるようになります。

木製ダム

西条市では、平成16年の台風21号の集中豪雨により
山間部を中心に大きな土砂崩れが多発。

5名の尊い命が失われる災害となりましたが、
今ではその教訓を活かした
防災への取り組みを数々実施。

このダムも平成18年に作られました。

災害について…詳しくはこちら


見上げると、青空。日に照らされた山。

山の稜線

日陰とは正反対の表情を見せます。


マップ クリ子さん宅付近

マップ(4)「山のお母さん」クリ子さん宅を通過し、
治兵衛堂を目指します。

西条市ウォーキングマップは、ローカル感が売りですが
一般の方のお家が載っているのはここ大保木くらいです。

きれいに整えられた石段の両脇には
シキミが咲いています。

クリ子さんのお宅へ

すると、

「こんにちはぁ!」と呼ぶ元気な声。

クリ子さん1

クリ子さんだ!

館長「今からの、治兵衛堂へ行って、
そのあとクリ子さんとこ(お宅に)行くけん、
よろしくお願いしますー!」

クリ子さん「はいはい、先にお参りして、
おいでて(いらして)ください~」


マップ 治兵衛堂

坂を登り切ると、治兵衛堂に到着です。

治兵衛堂 本堂

地域の皆さんが管理するお堂の中を
見せていただきます。

治兵衛堂1

「工藤治兵衛親子六人打首の図」も。

小さな子どももしっかり描かれています。

治兵衛堂2

絵の下にはこのような言葉も。

一部抜粋してご紹介します。

木の芽を摘みて 草を掘り 地獄の飢餓にあえぎいる/村人たちの 地の悲願(ねがひ) 銀納請書(のこと) 達成(とど)けんと/命をかけて 直訴(つく)せしが 請願(ねがひ)はかなわず 身は逮捕(とられ)/罪なき五人の幼児の 尊き生命(いのち) 諸共に/柳の木刑場(なぎのきはら)を血に染めて 痛恨(うらみ)を喫(の)んで 斬刑(きら)れたり 〈中略〉 義民治平の偉業こそ/後の世までも語りつぎ 此の世に人のある限り/世の鑑とぞ仰ぎ見む 聖者(ひじり)の道と 讃えなむ

義民・治兵衛は村人によって神や仏となり、
毎年何度も供養され、
後の世まで語り継がれています。

こちらが治兵衛のお墓です。

工藤治兵衛のお墓

お堂の向かいには大イチョウ。
紅葉シーズンは、お堂の前まで
黄金色のじゅうたんだそうです。

治兵衛堂のイチョウ

掃き集められた落葉が
そのすばらしさをしのばせていました。


クリ子さんのお家に伺います。

クリ子さんにいただいたミカン

「まあお二人とも座って、
そこのミカン食べてください。
お姉さん若いんじゃけんようけ食べてね」

クリ子さんとお話しました。

「2月で86歳になるけど、昔石鎚山へ行きよって
足が丈夫じゃけん元気なんよ。
予防注射以外したことないんよ」

元気なクリ子さん。石鎚山へ行ってたっていうのは?

「石鎚山の頂上社にあった旅館で
30代の後半から64歳まで働いたんよ。」

1970年代の第一次登山ブームと呼ばれる頃、
石鎚山は今より遥かに多くの登山客でにぎわったそうです。

クリ子さん2

お山開きの折は、
頂上社に150人以上が泊まったこともあったんよ。
私は成就(社)までは80歳まで行きよった。」

日常的に標高1982mまで登っていたなんて。
そりゃあ、足腰がお元気なはず。

登山客へ食事やお弁当を作りながら、
婦人会の料理教室などにも参加して、
お料理の腕を磨いたそうです。

「元気の秘訣は、くよくよせんこと。
今はつらいこともない。
あと、人に会うのが楽しみ。

大保木は皆が仲良くて、
公民館の行事も1人来んかったら心配。
ここにはね、そんな、家族みたいな良さがあるね。
変わらんといてほしい」。

そこへ「やーちゃん」こと、
近くに畑のある方が訪ねてこられました。

「やーちゃん」

クリ子さんを囲んで
畑のだいこ(大根)や、イノシシやサルのお話など
井戸端会議です。

皆さんが、お互いを家族のように
思い合う雰囲気が伝わります。

クリ子さん宅の縁側にて

北向きの縁側からは、
向かいの山の南斜面がすっぽり臨めます。

クリ子さん宅から見える山

「春にまたおいで。
あそこら一面、
桜が咲いてきれいになるんよ」

お話は尽きませんが、
そろそろ…とお別れを言おうとすると、

「あなた私の孫みたいなもんじゃ。
またおいでてくださいね」と
温かくてふっくらした手で
私の冷えた手を包んでくれました。

クリ子さんと日野

「山のお母さん」「山の肝っ玉母さん」と
クリ子さんが皆から慕われる理由、
お家がこのマップにも載っている理由が
分かったような気がしました。


「大保木、よかろ。」
現在も大保木外に住み、民間企業を退職してから
こちらへ赴任した館長もしみじみと言います。
館長ご自身も積極的に地域の活動に参加し
その様子は住民さながらです。

山だからこそ
今では失われつつある人と人とのあたたかな繋がりが
この山間の村には残っています。

マップ 石垣

そして、山道を下ると
立派な石垣小道沿いに住まわれている
高男さんにばったり。

西条一の腕利きの石工だった高男さん。

十亀高男さん

今は盆栽がご趣味。

毎週木曜に開く大保木診療所の
管理人もされています。
御年88歳とは思えない元気さです。

高男さん宅

高男さんやクリ子さんを見ていると、
人のエネルギーというのは、
年齢の数字ではなく
周りの人たちや、打ち込めるものごとによる
心の元気さなのかなぁと感じます。

ご年配の方だけでなく、
若い方も溶け込んでいるようで

「大保木には移住者も増えよるけん。
住みたいという方がおいでたら、
公民館に問い合わせてみてください」

と館長。


最初に歩いた道を通り、
公民館に帰ります。

日干し中の布団

加茂川の向こう岸には
地元住民の方が整備した
「石鎚 山の駅」が見えます。

山の駅


最後に、「大元(おおもと)神社」へ
お詣りします。

マップ 大元神社

大元神社1

毎年7月1日~10日の「石鎚神社お山開き大祭」
の前後、6月30日(お上りさん)と7月11日(お下りさん)に
こちらで神輿の渡御が行われます。

石鎚神社本社(西条市西田)を出発し、こちらを経て
成就社を経由し山頂へご神体が登り、
同じルートで下るというわけです。

「ほら、こんなのも、立派じゃろ」と館長。

大元神社2

手水舎ですが、見事な彫刻です。
こちらもお堂も、非常にどっしりと立派で驚きました。


館長の次の予定時間が迫る中、公民館に帰着!

表には、浩臣さん作の立派な門松が鎮座しています。

大保木公民館入り口

山あいの大保木は、市街地と比べて気温も低く、
日照も限られていましたが
逆に、人が明るい明るい。

出歩く方も多く、この連載で
過去最高の人数に出会えました。

老若男女が見知った地域で
互いを気にかけあう
コミュニケーション。

きっと一人ひとりの存在感も
街のそれより大きいような。

敢えて、寒い時期に訪れましたが
ほこほこ温かい気持ちになれました。

次は、どちらへ参りましょうか。

引き続き、どうぞよろしくお願いします。

広報専門員 日野

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参考

協力:大保木公民館

参考資料:西条市ウォーキングマップ、大保木公民館だより、銀納義民伝、銀納義民絵図

お問い合わせ

・ウォーキングマップについて…健康医療推進課  TEL:0897-52-1215

・地域のことについて…大保木公民館  TEL:0897-59-0226

・この記事について…シティプロモーション推進課 広報係  TEL:0897-52-1204