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西条クール・アースプロジェクト

ページID:0028896 更新日:2016年8月1日更新 印刷ページ表示

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プロジェクト概要

 昭和56年に、通商産業省(現:経済産業省)のサンシャイン計画により、西条市に太陽光発電試験プラントが設置されました。約40,000平方メートルの敷地に約22,000枚の太陽電池を設置し、発電出力は約1,000kw/hであり、当時世界最大規模でした(なお、この敷地には現在アサヒビール四国工場が立地しています)。

 これを契機に、西条市は新エネルギーおよび省エネルギーによるまちづくりを推進しています。平成13年度から水素エネルギーを活用した「食品加工流通コンビナート構想」の研究に着手し、平成14年度にMH冷凍庫を開発しました。

 平成17年度には、市内の中小企業8社を中心とする有限責任事業組合「LLPトライアウトえひめ」が、経済産業省の補助事業の採択を受けて小型MH冷凍機の開発に着手しました。

 平成19年度には、西条市が東海大学と連携して、水素エネルギーを農業生産へ適用する試験研究を開始しました。これは、1次産業と2次産業の生産現場における有機的な連携を図り、省エネルギーによる産業振興を図ることを目的としており、MH冷凍機の運転により発生する冷水を活用して「水素いちご」の試験栽培を実施しました。その結果、この冷水を用いてクラウン部を冷却することにより、通常より約2週間早い花芽分化を確認することができました。

 こうした研究実績をふまえて、平成21年度から低炭素型社会の実現に向けた社会実証試験として「西条クール・アースプロジェクト」に取り組んできました。未利用エネルギーを利用し、化石燃料を使用しない、環境にやさしい食料生産システムの開発を目標に、工場廃熱と地下水の温度差を利用したMH冷水製造システムや太陽光発電システムを導入して、いちごの周年栽培とサツキマスの陸上養殖の試験研究を実施しました。

 なお、この成果は、平成22年5月16~21日にドイツのエッセンで開催された「第18回世界水素エネルギー会議」で発表され、世界各国の関係者から高い評価を受けました。

 これら試験研究の内容については、平成24年1~3月に実施した「クール・アースプロジェクト調査検討事業」において検証を行いました。その中で、知的財産に関して高い評価が得られたことから、平成24年度において職務発明制度等の知的財産に関する制度の整備を行い、平成25年3月に6件の特許を出願しました。

 以上のプロジェクトの流れを、ご紹介いたします。

プロジェクトの経緯

昭和56年~平成4年 太陽光発電試験プラント(西条太陽光発電所)

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 昭和56年に旧通商産業省が西条市に、当時世界最大規模の太陽光発電試験プラントを設置 (敷地面積約40,000平方メートル、太陽電池約22,000枚、発電出力約1,000kw)
 これを契機に、西条市は新エネルギーおよび省エネルギーによるまちづくりを推進

 

平成10年3月 西条市新エネルギービジョン策定

平成13年 食品加工流通コンビナート構想着手

平成13年 即効型地域新生コンソーシアム研究開発事業(経済産業省委託事業)

MH1

-水素エネルギーの活用研究-

事業内容:水素エネルギー利用アドバンス型ハイブリッド冷凍システムの開発
管理法人:(株)西条産業情報支援センター
設置:平成14年度
設置場所:(株)クラレ西条事業所

※平成18年度 (株)谷口金属熱処理工業所へ移設

平成15年3月 西条市省エネルギービジョン策定

平成17年3月  西条市が策定した『食品加工流通コンビナート構想』が内閣府の地域再生計画に認定される

平成17~18年 新連携計画認定事業(経済産業省補助事業)

MH2

事業内容:水素エネルギーを利用した省エネルギー型冷凍機の開発
事業主体:LLPトライアウトえひめ
設置:平成17~18年度
設置場所:(株)谷口金属熱処理工業所

-市内中小企業の技術力向上-
インラインポンプ(審査請求せず)、熱交換器(審査請求せず)
【出願者:LLPトライアウト】

※平成19年度 西条市へ無償譲渡

平成18年1月   第1回総合食料産業技術懇談会 [PDFファイル/711KB]開催

平成18年2月   西条市省エネルギービジョン策定

平成19年~21年 大学と連携した地域づくり助成事業(ふるさと財団叙助成事業)

水素いちごの試験研究

-水素エネルギーを農業生産へ適用する試験研究-

事業内容:水素いちごの試験研究(MHを1次産業へ適用)
事業主体:西条市(東海大学と連携)
実施場所:(株)谷口金属熱処理工業所

平成19年1月  第2回総合食料産業技術懇談会 [PDFファイル/1.14MB] 開催

平成20年2月  第3回総合食料産業技術懇談会 [PDFファイル/1.12MB] 開催

平成20年6月  国際水素エネルギーシンポジウム [PDFファイル/581KB]
                   (MH2008:アイスランド-レイキャビック)において、MHの活用事例発表

平成21年1月  第4回総合食料産業技術懇談会 [PDFファイル/771KB] 開催

平成21年 西条クール・アースプロジェクト

熱交換器 太陽光発電システム

いちご栽培ハウス 陸上養殖施設

MH3号機 MH4号機

低炭素社会に向けた技術シーズ発掘・社会システム実証モデル事業(経済産業省委託事業)
【低炭素型社会の実現に向けた社会事象実験(いちごの周年栽培とサツキマスの陸上養殖)】

低炭素型社会の実現に向けた実証試験として、「西条クール・アースプロジェクト」を実施
○未利用エネルギーを利用し、化石燃料を使用しない、環境にやさしい食料生産システムの開発が目標
○工場廃熱と地下水の温度差を利用したMH(水素吸蔵合金)冷水製造システムや太陽光発電システムを導入して、
いちごの周年栽培とサツキマスの陸上養殖の試験研究を実施

事業内容:西条クール・アースプロジェクト施設の整備(MH冷水製造システムの開発、いちごの栽培施設・育苗施設・陸上養殖施設・太陽光発電システムの整備、委託研究 等)
管理法人:(株)西条産業情報支援センター
設置:平成21年度  
設置場所:(株)クラレ西条事業所

MH冷水製造システムいちごの周年栽培サツキマスの陸上養殖
MH冷水冷蔵システムいちごの周年栽培サツキマス

◇工場廃熱による約95℃の温水と
  約20℃の地下水を使用
◇冷却能力 4.48kw

◇収穫期間の延長と早期育苗により、周年栽培を実現 (1年中収穫可能)◇約6ヶ月の飼育で稚魚が1kgを超えるサツキマスに成長
◇人工孵化にも成功

平成21年度 西条クール・アースプロジェクト(実証結果)

MH冷水製造システム+太陽光発電システムにより、施設全体で年間約74トンの二酸化炭素削減を実証

フロンを使用した通常の冷却システムと比較して89.9%の消費電力削減を実証

(敷地面積 7,007平方メートル、いちごハウス1,008平方メートル、育苗ハウス408平方メートル、飼育水槽 5t×4槽)

平成22年5月  世界水素エネルギー会議 [PDFファイル/714KB](WHEC2010:ドイツ-エッセン)において、     世界初の「水素エネルギーを利用した食品産業技術」について発表

平成22年9月  第5回総合食料産業技術懇談会 [PDFファイル/634KB]開催

平成22年    先進的植物工場推進事業(経済産業省補助事業)

MH5号機

事業内容:先進的植物工場を設置(MH冷水製造システムを導入)
管理法人:愛媛大学
設置:平成22年度
設置場所:(株)クラレ西条事業所

平成24年3月  第6回総合食料産業技術懇談会 [PDFファイル/565KB]開催(第1回未来都市推進会議との共催)

平成25年3月 6件の特許出願

MH冷水製造システム関係2件:(1)MH冷水製造システム (2)MH冷温水製造制御システム

いちごの周栽培関係3件:(1)送風菅、送風システムおよび花芽分化促進システム、並びに、風量調節方法
                (2)栽培装置 (3)培土温度調整システム

サツキマスの陸上養殖関係1件:(1)高効率一貫環境制御陸上養殖システム

東海大学工学部教授 内田 裕久 氏  ※参考資料

  1. 『なぜ今、水素なのか?~2015水素時代の幕開けに寄せて』 [PDFファイル/954KB]
    【日経スマートシティコンソーシアム 2015年2月28日発行】
  2. 水素冷凍技術からうまれた「水素いちご」 [PDFファイル/232KB]【水素エネルギーシステムVol34,No.3(平成21年)】
  3. 愛媛県西条市にみる水素エネルギーによる地域活性化 [PDFファイル/494KB]【環境新聞 平成17年1月1日】
  4. 新たなエネルギーへの転換に向けて『水素エネルギーを活用した地域産業の創出を目指す』 [PDFファイル/5.92MB] 【東海大学・雑誌「TOKAI第168号」】
  5. 水素エネルギーが秘める様々な可能性 [PDFファイル/1.47MB]

国立研究開発法人水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所屋島庁舎増養殖部
閉鎖循環グループ長 山本 義久 氏  ※参考資料

  1.  閉鎖循環飼育の未来と可能性2「閉鎖循環飼育による省エネ効果」 [PDFファイル/1.03MB]
    【アクアネット2013年6月】
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