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縁/西条まつり 祭りびとの想い(10)

ページID:0068479 更新日:2017年2月23日更新 印刷ページ表示

平成28年、父の代わりに初めて西条まつりに参加した息子さんと、そのお父さん 2人の「想い」です。

東京都在住/Aさん(息子) 20代 男性

これが外堀を囲うということ…。

就職の相談をするため、西条出身の父の友人と、父と僕と。都内で3人で食事した時に言った一言 ―ちょっとは興味ある― そこからがあっという間だった。

僕が祭りに参加するため、その日のうちに各所(?)に連絡され、その1週間後にはたまたま出張で西条から東京に来てた総代と3人で食事して、「よろしく」って…

この展開、最初から用意してたんじゃないかと思うくらいだった。

後日、父と一緒に地下足袋やら必要な装備を買いに行き、祭りのビデオ観ながら父の祭り話を初めてまともに聞いた。

いつもこの時期は父が、動画観てそわそわしだすし、太鼓のリズム刻むし。また始まった…って家族で思いよった。
祭りから帰ったらどこが痛いとか言っとるのに、よう毎年行くなー、と。だけどそれを毎年見ていたから、西条祭りに少しずつ興味が湧いていたのかもしれない。

急だったけど、これもなにかの縁かなと、行ってみようと思った。今年は祭りに帰れない、父の代わりに。


たったひとりでの参加。本当にもう無茶苦茶緊張してた。初対面の人ばかりでしかも年上の人が多いし…ビデオをみてイカツイと思ってたけど、実際やっぱイカツイと思った。

自分は育ちも10年以上東京で、しかも愛媛出身ですらない。こんなので大丈夫かと不安だった。
それでもやると言ったからには、中途半端はいかんとなんとか入っていった。

最初は息子として挨拶しにいったりして、ちょっとずつ担いで…早朝というか深夜から寒いし、だんじり重いし、1日長いのに持つんかな…

色々考えているうちに、伊曽乃神社へ。階段を登るときに声かけあって、協力して…その時初めて、一体感というか…なんかいいなと思った。

その後差す(差し上げをする)のも、もちろんすごいと思ったけど、気持ちが変わったのはそこだったと思う。

祭りびと十番

だんだんと、祭りが年2日しかないこと、後1日ちょっとしかないことを考えると、もっと担ぎたいって思えてきた。

そして、仲間に入りたい、と。

父の代理として、息子として行くつもりだったし、それなら多少気が楽だと思ってたけれど、俺を俺として受け入れてほしいという気持ちがわいてきた。

前に父が言っていた、「あの町は皆家族みたいなもんだ」と。それを皆も言っていたし、実際に入ってそう思えた。

だから、だんだんと皆が下の名前で呼んでくれるようになって、自分のことも家族だと言ってくれて、本当に嬉しかった。

町の皆がちょっと我が家と似てるところもあるなーと思わせるのは、ここの屋台を舁き続けている父がいるからなんだろうと思った。

それだけに親しみやすくて、本当に家族が増えた気分。

きっかけを作ってくれた方々、そして長年祭りに参加して縁という力をくれた父に感謝しています。

来年もまた、たくさんの家族に会いに行きます。

東京都在住/Aさん(父) 50代 会社員 男性

友人の誘いで、西条を初めて訪れて四半世紀。
祭りの時に、町にお世話になって二十年。
西条生まれでも西条育ちでもない。
けれど、西条は私にとって心の故郷だ。

友人の計らいでだんじりを担がせてもらった二十年前。県外に生まれ育った私にとって、まばゆいばかりの提灯に飾られた「だんじり」と「みこし」が練りあう西条まつりは、あまりにも衝撃的だった。

以来魅了され、東京から担ぎに帰るのを、毎年楽しみにしている。

だんじりを担ぐのは、けっして楽じゃない。はっきり言って無茶苦茶しんどい。
けれど、一緒にだんじりを担いできた仲間に会える喜びは、なによりにも代えがたい。
同じ法被を着て汗をかき、伊勢音頭を唄い、酒を交わし、担いではまた担ぐ。
老若男女の素晴らしい笑顔に会える。まつりを通じて、友人も増えた。

私は幸せだ。

だからこそ、担ぎに帰れないことが一番つらい。「今年、まつりに帰れんのよ。」町のみんなに連絡するのは、相当つらかった。

けれども私が帰れない代わりに、一緒に住む息子が西条に帰り、私の法被を着て「だんじりデビュー」を果たし、舁き棒で働いてくれた。息子は感動して、来年も「まつりに帰る」と言ってくれた。こんな嬉しいことはなかった。

私は幸せだ。

来年以降は息子と二人帰西して、だんじりを担ぐ。それが町への、そして縁をくれた友人たちへの恩返しだ。

また楽しみが増えた、ありがとう。


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