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ハチの駆除について
ここ数年、住宅街においてもミツバチやアシナガバチのほか、スズメバチもよく見受けられるようになり、西条市にも例年30件を超えるご相談があります。ここでは、ハチの生態や、さされてしまった時の対処法、駆除などについてお伝えします。
西条市では、個人の住宅や敷地内のハチの駆除は、原則として行っておりません。ハチの巣を駆除する場合は、土地の所有者または管理者が自らの責任で行っていただきますが、危険を伴いますので、できる限り専門業者に依頼してください。
ハチの生態
生態を知り、被害を未然に防ごう!
ハチは、3月下旬頃~11月下旬に活動します。
女王バチが冬眠から覚めて子育てを開始し、働きバチ(女王バチの子:全てメス)が増えるにしたがって8月から9月にかけて巣が最も大きくなり、新しい女王バチとオスバチを育てる準備をしていきます。
本来、ハチは害虫を食べたり、ミツバチのように植物の受粉を手伝ったりするなど有益な昆虫です。また、ハチの毒は、本来は害虫を動けなくして捕獲し、巣に持ち帰るために麻酔がわりに使うもので、攻撃用ではありません。すなわち、スズメバチでさえも何もしなければさしてくることはありません。
しかし、ハチは、防衛本能が非常に強いため、外敵から巣を守るために相手を威嚇し、時にはさす場合もあります。このため、やむを得ず駆除しなければならない場合もありますが、ハチの生態を知り、できるだけ被害の未然防止に努めましょう。
ハチの種類
スズメバチ
一般的に見受けられるのは、コガタスズメバチとキイロスズメバチです。なお、大スズメバチは、通常は山間部の土中に巣を作ります。
コガタスズメバチ
体長は30mmから35mmで少しずんぐりしています。
巣は最初とっくりをひっくりかえした形で、最終的にはまだら模様の付いたラグビーボールのような形となり、大きさに関わらず出入り口が1カ所しかなく、樹木の枝やベランダの下など開放的な空間を好んで作ります。
【初期の巣】 …女王バチだけ
【2ヶ月後】
キイロスズメバチ
体長は、25mmから30mmと少し小さく、攻撃性が非常に高い種類です。
巣はまだら模様のついた球型で、大きさは最初はテニスボール大ですが最終的にはバスケットボールよりも大きくなり、最大では直径1mを超すものもあります。
樹木、地面の空洞、屋根裏、軒下、床下など風雨をしのげるあらゆるところへ作ります。出入り口は数カ所あります。
【キイロスズメバチの巣】
アシナガバチ
体長は、20mmから30mmで、スズメバチに比べるとおとなしいハチで、そっとしておけばさされることはありませんが、人の生活に身近なところに巣を作るので注意が必要です。
巣は茶碗をひっくり返したような形で、外皮を作らないため、下から幼虫が育つ六角形の育房を見えます。
生垣や植込みの中、樹木の枝、軒下などを好んで作ります。
【アシナガバチの巣】
ミツバチ
体長は、10mmから15mmで、非常におとなしいハチで、そっとしておけばさされることはありません。体は全体的に丸く体毛があります。
巣は、樹木の空洞、屋根裏、床下などの閉鎖された場所を好み、その場所に合わせて作るため、決まった形はありません。
5月から6月にかけて、何千匹もが街路樹や庭木に大群を作ることがありますが、これは分封(ぶんぽう)といって、女王バチが働きバチを引き連れて、新たな巣を作るため移動しているところです。通常2~3日でいなくなりますので、そっとしておけば、襲われることはありません。
【ミツバチの巣】
【分封の様子】
ハチにさされないようにするには
ハチにさされないようにするためには、巣にしげきを与えないことのほか、ハチの習性を理解して実践する必要があります。
巣を見つけたとき
- 巣には近づかない。
- 巣を棒でつついたり、触ったりしない。
- ハチをしげきしない。
※もしも巣やハチ自体にしげきを与えてしまった場合、ハチは興奮し、一斉に攻撃を掛けてきますので、かがんで静かに後ずさりして逃げてください。
ハチが家に入ってしまったとき
- 手で払ったり、叩いたり、追いかけたりしない。
- 部屋を暗くし、明るい方角の窓を開け、ハチが出て行くのを待つ。
- 洗濯物にハチがついている場合があるので、取り込む際は注意しましょう。
その他注意すること
ハチが反応を示す色
ハチは黒くて動くものに強い反応を示し狙ってきます。このため、庭木の手入れやハイキングなど野外で活動する時は、黒い服を避け白い服を着用し、頭を守るため帽子をかぶりましょう。
ハチに好かれるにおい
香水や化粧品、整髪料、また、山へハイキングに行った時のリュックサックの中のお弁当のにおいも認識して寄ってきます。この場合ハチはしばらくするといなくなりますので、絶対に手で振り払おうとしないで、じっとしていてゆっくりと後ずさりしてその場を離れましょう。
ハチは秋口が危険
女王バチは秋口になると子孫を残すため、生殖能力をもった新女王バチやオスバチを育て始めます。この時期には働きバチは数も最大となり、厳重な警戒をはじめるため、巣に近づくだけでも攻撃を仕掛けてきますので、非常に危険です。
巣にいたずらをしないで、そっとしておきましょう。しかし、12月頃には新しい女王が交尾を終えて冬眠に入り、働きバチやオスバチも生涯を終え巣は空き家になり、再度使用されることはありません。
ハチにさされてしまったときは
· 1~2分以内に毒をしぼり出す。
· 10~15分、さされた箇所を流水で洗う。
· 抗ヒスタミン剤(軟膏)やステロイド剤(軟膏)を塗る(アンモニアは効きません) 。
· じん麻しんや発熱、おう吐、息苦しくなるなどの全身症状があらわれたら、すぐに医師の診断を受けてください。
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注)ハチにさされて死亡する原因の大半は、「アナフィラキシーショック(抗原抗体反応※)」によるものです。
過去にハチにさされたことがある人の一部に、ショックを起こす人がいます。短時間の内に、心不全や呼吸不全等の症状が起こることがあるので、早急な治療が必要です。
※抗原抗体反応は、外敵が侵入した場合、これを阻止しようとする働きで、同一抗原が2回目以降に体内に侵入した時には、1回目よりも激しい反応が起こります。このうち重篤(呼吸困難・血圧低下等)な症状を アナフィラキシーショックといいます。
ハチの駆除について
ハチは人間にとって害虫を捕獲する益虫です。人が近づかないところの巣はそっとしておきましょう。
ただし、人の近くに巣を作った場合、気付かないうちにしげきしてしまい、攻撃される恐れがありますので、危険性の少ない早期に駆除をすることをお勧めします。
駆除の仕方
初期の巣の場合
・スズメバチ(コガタスズメバチ、キイロスズメバチ)
とっくり型、テニスボールくらいの大きさのうちは、巣内のハチの数は1~数匹です。ハチの活動が比較的おだやかな夜の涼しいうちに巣の出入り口に市販のスプレー式殺虫剤を10センチメートルくらいに近づけて10~20秒連続で噴射して駆除します。
・アシナガバチ
駆除の仕方は基本的にスズメバチと同じですが、巣は茶碗をひっくり返したような形です。巣全体へスプレー式殺虫剤を10~20秒連続で噴射してください。
大きくなった巣の場合
巣が大きくなるとハチの数が増え駆除する際の危険性が増します。自主駆除をする際には防護服を着用し、自主駆除が困難な際は専門業者への依頼を考えましょう。
【駆除の際の注意事項】
駆除する際は、自分だけでなく周囲の方の安全のため、この注意事項を必ず守りましょう。
(1) さされにくい服装(白の長袖シャツ、長ズボン、防虫ネットなどを頭からかぶり、ゴム手袋を着用)や、防護服を着用するなど充分に注意。
(2) 比較的気温が低く、ハチの動きのにぶい夜に行います。
(3)1人ではなく、必ず2~3人で。
(4) 近隣の方や通りすがりの方へ被害が及ばぬよう、周知するなどの対策を。
※出展 : 教えて『ハチ博士』ハチとうまくつきあうために
平成20年5月発行 第二版編集発行 八王子市環境部環境保全課
担当課
西条市役所 衛生課 衛生係 電話:0897-52-1338
西部支所 環境課 生活環境係 電話:0898-64-2700(代表)