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広報専門員の気ままに西条歩き Vol.23大町地区(前編)
地域のウォーキングレポート第23弾
このコーナーでは、西条市の広報専門員 日野が、市内の校区を一つずつ歩いてレポートしています。ウォーキングコースは全部で25ありますが、残すところあと3地区となりました。
2019年1月9日(水曜日)くもり
平成最後の年を迎えた西条市。市内東部の大町地区へと赴きました。
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人口10,573人。世帯数は4,875。
松前町に住んでいた和田義種が、荒原を開拓し、故郷の地名をそのままとって名付けたのが由来。それが約400年前であろうといわれている。
小学校などがある中心部は住宅地や商業地で、国道より南の福武地区には田畑が広がる。ランドマークとして、伊予西条駅、加茂川右岸の武丈公園、八堂山(市民の森)、市民公園などがある。
まち歩きには、市より発行の「西条市ウォーキングマップ」を利用しています。
大きな建物の大町公民館。朝から活気に包まれています。そのわけは?
「おはようございます~」
「館長さん、お願いしますー」
8時40分頃から、大勢の方がスタンプ帳を持って来館します。
矢野:「大町公民館では毎日ラジオ体操グループの皆さんが8時50分から活動しよんよ。ウォーキング行く前に、ぜひ見て行ってくださいや」
ハンコを押す矢野館長が言います。
なんとこんなケースは初めて。せっかくなのでご一緒します。
西条市は、ラジオ体操による健康づくりを応援していて、大町公民館では35名の皆さんがラジオ体操グループのメンバーです。職員も一緒に体を動かします。
館長:「こうやって皆さん、毎日朝から外に出るっていうのがいい習慣になるんよね」
その通りだと思います。しかもラジオ体操って真剣にやるといい運動。ラジオ体操第一・第二を終え、みなさん解散!
こちらが、この日出勤していた大町公民館の職員。
左から、秋山いずみ主事、矢野文和館長、伊藤厚子主事
矢野:「日野さん、僕は歩きに行けんけん、秋山さんに行ってもらいましょわい。よろしく」
秋山:「よろしくお願いします!わたし、このまち歩きを楽しみにしとったんですよ。家は公民館から近くて、25年以上大町で子育てしてるから、地域のことはある程度知っとんですが、このウォーキングコースは歩いたことなくて」
日野:「地元再発見ですね!私もこのコースは小さい頃から通ったり馴染みがありますが、今日は知らない景色を見たいです」
公民館から山手に進み、国道11号を渡り、さらに道なりに歩きます。
秋山:「あれ、昔大町公民館だった場所なんですよー。今はウイングサポートセンターになってますよね」
ウイングサポートセンターは、特別な支援を要する(成長発達に不安のある)子どもが、必要な支援を得ながら自立し、地域において豊かに生きていくことができるように活動する施設です。
市内にはこちら東部ウイングサポートセンターのほか、丹原町池田に西部ウイングサポートセンターの2拠点があります。
大町幼稚園に通園途中のお子さんと保護者の方も歩いてます。なにげない朝の風景。
秋山さんと「今日はちょっと寒いですねえ」なんて言いながら、大町校区の中でも福武地区を縦断する形で金剛院さんに到着です。
この「金剛院の山門」は西条市指定の文化財。教育委員会の説明にはこうあります。
正面軒には小松藩三代藩主一柳頼徳公の筆になる「佛生山」の扁額がかかっている。(一柳氏は河野氏の出で本性は越智氏、頼徳は直泰ともいう)
この門の美しさは均整がとれ簡素で、端麗な風格を持ったその姿にある。
小松藩の三代藩主、一柳頼徳公は「小松編」でよく登場された“なおあきら(直卿)さん”のこと。ここにも扁額があるんですねえ。さまざまな字体を自在に操る方です。
こちらの本尊は不動明王で、創建は保元年間(1150年頃)。これから行く八堂山にあったとされ、七堂伽藍の上に不動堂を立てたことによって、「八堂山」の名がついたと伝えられているようです。
日野:「このお寺が、『八堂山』の名のルーツなんですね」
秋山:「知らんかったねえ。あれ、ここに鳩がおるよ。珍しいことないですか?」
お寺の土塀の角、瓦の上に鳩の装飾。今まで見たことないかも。
加茂神社にも立ち寄りました。10月の祭礼では、こちらに福武地区のだんじりが集合し、この土俵で子ども相撲が行われます。
ここで、西条市の魅力発信サイトLOVE SAIJOで活躍する西条市の市民ライター「さいたーず」の松本浄香(きよか)さんと合流です。今日はこのコースを、さいたーずの目線からも取材します!
浄香さんは、新居浜市出身、結婚を機に西条にお引越し。今は、この大町校区にお住まい、2歳2か月(取材当時)のまさきくんと一緒です。
松本:「どうぞ、よろしくお願いします~!」
住みやすくて、子育てしやすい西条が大好きとのこと。彼女やまさきくんの目線からは、今回のまちあるきはどう見えるんだろうー?
早速、次なるポイントの八堂山(標高197m)にある「市民の森」や「考古歴史館」へ向かいます。
松山自動車道の橋げたをくぐる時、トンネルを見上げると「八堂山トンネル」、イラストには西条のシンボルのひとつ、だんじりが描かれていました。
西条市には地点の東と西に、計4つのインターチェンジ※があります。住民としては、この区間を走る機会は少ないのでなんだか得した気分。
※いよ西条、いよ小松、いよ小松北、東予丹原
「市民の森」。八堂山の東斜面を活用した公園で、「梅林園」やアスレチックの「冒険広場」、歴史資料館の「考古歴史館」、山頂には本物の弥生時代の遺跡もあります。
私は小学校に入る前、西条に引っ越してきました。「市民の森」の、自然豊かな環境と、山を丸ごと使ったゆかいな遊び場に胸が躍り、ここで遊んで西条のことが大好きになりました。「市民の森」という、子どもにも優しくて覚えやすいネーミングも好きでした。
ふだんは車でアクセスすることが多いのですが、歩いて登っていると早くも咲いた白梅を発見!
秋山:「あれ見て、もう咲いとる!」
松本:「えーっ!梅ってこんな早く咲くんですねー!」
例年、こちらの梅は1月下旬頃から咲き始めます。少しだけ早い開花といえそう。
少し上がると、梅と自動車道越しに西条市の東の端っこまで見渡せます。
梅林園には紅梅も咲き、スイセンや菜の花も少し咲いています。
この梅林園には約20種1000本の梅の木が植えられ、3月上旬頃までさまざまな梅を愛でることができます。
この市民の森、ウォーキングコースとしても人気があります。車が少なく、適度なアップダウン、見晴らしのよさ、自然の多さが人気の理由のよう。
坂道ですが、2歳のまさきくんも歩けるほど。疲れたら浄香さんに抱っこしてもらいながら、元気に楽しく歩いてます。
正面から、ウォーキングの方と何人もすれ違います。
毎日のように来られているというおばあちゃんや、
こちらも毎日来よるよ、という大町校区内の仲良しのご夫婦も。
飯岡編で一緒に歩いてくれた、河渕力さんにも会えました!
ウォーキング仲間と一緒。毎週水曜日の朝はこのコースを歩いているそう。
歩く習慣、いいですねぇ。
蛇行した坂道の上に、見晴らしのいい広場があります。今日の登りはここで終了。
天気のいい日には、山に囲まれた西条市の西から東の端、北方面は瀬戸内海・しまなみ海道まで見渡せます。
こちらは市内西部。これから行く加茂川は、雨が少ないため水量が少なく、ところどころ水のない「瀬切れ」が起きています。
カタンカタン……という音とともに、西条市を東西に貫くJR予讃線も見えます。
松本:「あ!特急電車! まーくん、電車みえるよー!」
乗り物大好きなまさきくんは大喜び!
日野:「電車好きやったら、伊予西条駅や鉄道歴史パークSAIJOにも遊びに行くんかな?」
松本:「そうですねー!駅からいろんな電車が見えるから、よく行くんです。特に、駅の南北をつなぐぽっぽ橋の上からはよく見えるのでお気に入りです」
秋山:「西条駅って、ええスポットよね。あ、今来た電車、橋の下をくぐるよ!」
秋山:「車を運転しよって西条の児童館から国道方面に抜けるときに、この跨線橋を通るんやけどね。アーチの上を自分が通る瞬間、真下を電車が通ると、よっしゃラッキー!って思うんよ」
松本:「それは楽しいですねー。今度から気にしてみます!」
鉄道的、もう1つの見どころはこちら。伊予西条駅でのすれ違いです。
ちょっと見づらいですが、白い横長の建物が駅舎、その手前に2つの特急列車が同時に停車。
どちらも10時19分発の特急しおかぜ。左側に突き出たのが松山行き(下り)、右側が岡山行き(上り)のよう。
鉄道好きな方は、八堂山から市内を眺めても楽しいかもしれませんね。
そして、ここからは、同じくさいたーずの「どろんぱ」こと藤田さんも合流。
藤田さんも大町校区在住。そして、同じ「まさき」というお名前。運命感じる、ゆかいなまち歩きになりそうです。