■ クモに近いカブトガニ
カブトガニは、動物の分類上、節足動物の仲間に入ります。節足動物は、エビ・カニなどの甲殻類、クモ・サソリ・ダニなどのクモ類、チョウ・トンボなどの昆虫類、ムカデ・ヤスデなどの多足類などに分けられています。カブトガニはカニの名がついていますが、甲殻類ではなく、クモの仲間に一番近く、尾剣を持つ仲間という意味の、剣尾類と呼ばれています。剣尾類という仲間分けがされたのは、それほど古いことではなく、それ以前は、三葉虫そのものであるとか、甲殻類、またクモ類であるとか、いろいろにいわれてきました。現在は、剣尾類の中のカブトガニ科となっています。
カブトガニがクモの仲間に近いというのは、次の点からいわれます。
- 頭に触角がない
- 頭胸部には六対の胸肢がある。
- 胸肢の第一対は鋏角(はさみ状)になっている。
- 呼吸は鰓書(えら)でする。これは、クモの呼吸器・肺書とよく似ている。
- 動物の類縁関係を知る手がかりとされる血清は、クモ類に一番よく似ている。
■ 世界のカブトガニ
カブトガニの化石は、ソ連・イギリス・ドイツ・フランスなど、ヨーロッパでたくさん発見されており、また、アメリカからも出土しています。現在、カブトガニは、アジア大陸の東側と、アメリカ大陸の東海岸にしか生息していませんが、これらの地域では化石は出ていません。
化石の時代の分布から、なぜ、現在のような地域に分布するようになったのかは、たいへん興味深い問題で、今後の研究が必要です。大陸移動に伴うものではないかという見方も有力です。
■ 上記の四種を見分けるポイント
1 オスの頭胸部の甲羅の形
- 日本にいるカブトガニは、前の部分がはっきりとへこんでいるが、アメリカカブトガニは、へこみが浅くてはっきりしていない。それよりもさらにへこみの少ないのがミナミカブトガニ、一番へこみが少なく扁平なのがマルオカブトガニである。
2 オスの第二・第三胸肢
- 日本のカブトガニとミナミカブトガニは、第二・第三胸肢ともカギ状になっているが、アメリカカブトガニは、第二肢だけがカギ状で、第三肢はハサミ状であり、マルオカブトガニは、第二・第三肢ともハサミ状になっている。
3 目の仕組み
- 単眼は、アメリカカブトガニだけ三個で、あとの三種はどれも二個ついている。複眼を形づくっている小さな目の数は、日本のカブトガニが200〜300個くらい、アメリカカブトガニでは1000個以上といわれている。このため、アメリカカブトガニの方が目がよく見え、活動も活発で、エサもたくさん食べるらしい。単眼は光を感じ、複眼は物の形や大きさを見分けるといわれているが、キチン質の膜で覆われており、視力はたいへん弱いようである。
4 尾剣の形とトゲ
- 尾剣の断面を比べてみると、マルオカブトガニは円に近い形をしており、尾剣の表面にトゲの生えていないものが多いが、他の三種ではトゲがある。